役立たずの魔物使いは、卵を背負って旅に出る。の返信の返信
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役立たずの魔物使いは、卵を背負って旅に出る。の返信(元記事)
まず良いところは、世界観にまとまりがあるところ。「魔物使い」自体は少ないがそういう職種の世界観として作られていて、他に目移りするようなこともなく、「魔物使いの主人公」の話だと理解できる。
えーと、例えば子供用の玩具のアニメや漫画ってあるじゃん。ミニ四駆とか。そういう玩具が国際競技になってたり世界を救うことになったりするけど、ただの玩具の話なのに「そういう世界観」で納得できてしまう。
そういった「世界観のまとまり」があって、魔物使いの世界観として受け取れるので、作者の中で強くイメージ出来ているのだろうと思う。
キャラクターもあくまで設定上の土台部分においては良いと思う。主人公が役立たずで、ヒロイン?の王子は有能な人物なのでこの二人の性格に落差があって衝突が考えられるので相性がいい。
また、おそらく卵に「ドキドキ」を与える、つまり卵が「ドキドキ」を要求すると思われるので、ぎこちない二人に「ドキドキ」を強制させる要素として卵の設定も良い。
魔物は死んだら卵に戻るって設定もいいね。
こっからは んー と思うところ。
とはいえ先に言い訳を入れておくけども、私は漫画原作には関わったことがないし賞についても詳しくなく、そもそもこの賞が何を求めているのかを知らないため、「それでいい」のか「それは違う」のかの判断はできない。
まずはっきり言ってストーリーまたはコンセプトからは面白味を受け取りにくい。
応募規定の項目にも書いてあるはず。
>端的に作品の魅力を伝えることを心がけてください。
と。
応募規定のキャッチコピーの欄に書いてある例には、
>(例)ヤンキーに憧れる女子高生、異世界で特攻服作り⁉
と、このような例がある。
この例はさすが編集に携わる人の例だけあって非常にヒントが多く参考になる。
まず「ヤンキーに憧れる女子高生」というだけでキャラが立ってる。
元は普通の女子高生なんだけどヤンキーに憧れてるからちょっとツッパったり強気に出るけど内心は心臓バクバクいってる感じがわかるでしょ。
そんな女子高生が学校で変な友人に囲まれたりするだけでも絵になるのに、更に「異世界」で、異世界には不要だろうになぜか「特攻服作り」をテーマに持ってくる。
本来では合わないだろう具材を混ぜ込んで上手く料理に仕立てるだろうセンスを感じる良い例です。
対して御作は、
>魔物使いを目指す女の子は、追手の王子とワクワクドキドキして卵を孵します!
と、このように書きたい内容を端的にしただけなので、魅力が出せていない。
では、御作において「魅力」とは何かと考えてあらすじを読んでみると、
キツいことばかり書いて筆を折らないでほしいが、プロになりたいとのことなのでそのレベルで物を言うと、
正直、キャラ頼みの展開で押し出せる魅力がほぼない。
設定やキャッチコピーから読み取れる御作の魅力は、おそらく「王子と主人公の関係」と「卵の孵化」あるいは「卵の正体」であろうと思う。
けど、あらすじでは主人公と王子が旅に出る経緯で文字数の半分以上を使い、魅力を出さなければならない「旅の道中での王子と主人公の進展」や「孵化の進行状況」や「卵の正体」については端折っていて、ほぼ書かれていない。
これでは設定はわかるけど魅力はわからないと思う。
そして、設定は別途設定の欄を読めばわかるので、あらすじで端折るのは設定のほうだと思う。
また、キャラ頼みと書いたけど、だからと言ってキャラ立てが上手くできてるわけではなく、これもキツいこと言うけど、「こういう設定のキャラだから上手く描いてね」感がすごくあって、そのキャラの良さ・魅力をストーリー上で表現できていない。つまりキャラに丸投げしてるだけに見える。
例えば、主人公は「役立たずから脱却していく姿」とアピールに書いてあるわけだから、最初は役立たずのはず。
つまり王子の足を引っ張ったり失敗して凹んだりして、脱却すべき現状を書いておかないといけない。
なのに、第一話から活躍してて積極的で行動的で、全然設定に書いてあるキャラクターを表現できていないと思う。
最初に主人公は上司に怒られてるけど、これじゃ主人公の失敗ではなく上司が嫌なヤツという描写になってしまうので、主人公の天然や役立たず感は出ない。
第一話は、主人公のキャラクター性を最大限に前に出すべき(作品にもよるが)なので、主人公の性格や特徴の結果物語が動きます、という展開が望ましい。
つまり、主人公は天然で役立たずなので、ドジって間違えてミスをして、その主人公のミスが遠因となって神殿に火がつく。混乱の中逃げ遅れると、そこへ卵の声が。とか。
火事が主人公のせいってのもアレだから、上司が主人公に嫌がらせをしようとしたけど主人公がミスと天然で回避して不発、それに腹を立てた上司は怒って立ち去るけど、上司は嫌がらせの片付けをしないでどっか行ったので、それが原因になって火事になる、とかのがベターか。
一話の序盤は魔物使いと卵の設定を上手く短く端的に解説してると思うけど、「説明」なんて入れなくても、せっかく上司がいるんだから「大事な魔物の卵になんてことしてくれるの!」と言わせれば「魔物の卵は大事なんだな」ってわかるし、「そんなだからロクに契約も出来ないのよ、役立たず!」って言わせれば、「魔物使いになるためには卵と契約するんだな」ってことがわかるし、そのうえで「不自然な場所にある不自然な卵」が出てくれば「これは特別な卵だ」って理解できる。
そういう読者の「理解」は一種のカタルシスになるから、説明しなさすぎるのは良くないけど、説明せずにこうして描写してやると説明を省略できるし読者の興味も引きやすくなる。
漫画原作については詳しくないが、たぶん、1・2・3話の構成が上手くないと思う。
1話で主人公のキャラクターを、2話で王子のキャラクターを、3話で二人の関係性がどう発展するかを、それぞれアピールするのが王道な構成かなと思うけど、主人公視点を意識しすぎてるのか、2話目は王子のキャラ立てに集中できてないし、だから王子の事情語りが3話終盤まで引っ張っちゃって二人の関係性まで書けていないし、
確かに応募規定には「この3話で話を完結させる必要はない」と書いてあるけど、作者の実力は試される3話だから、この3話で最低限ないし最大限の魅力を出しきらないとダメだと思う。
ということは、時系列順にただ話を3話分書くだけじゃダメだと思う。
正直なとこ、ストーリーは面白味さえ用意できれば、あとは編集と作画との話し合いとかで詰めることができるから、細かい部分や物語自体の完成度はあまり重要視されてないと思う。
でも、漫画だからこそキャラ立てはラノベ以上に重要だと思うし、そのための演出の技術やセンスは問われるものだと思う。
設定なんかのアイディアも、そもそもキャラ立てのために考えたほうが良いと思う。
この3話で魅力を出し切れるアイディアは何か、って。
例えば、適当なこと書くけど、王子の「王子様である」ってこともキャラの魅力の一つだから、そうそう書いてしまうのもアリではあるけど考える必要があるよね。
王子が追っ手になるのも別に理由付けしてしまってもいいと思うけど、例えば二面性があって昼は王子で夜は暗殺者(諜報員)になるとかでも読者からすれば「なんで?」からの興味に繋がるし、
1話で上司との会話で王子の話題を出しておいて、2話で名無しで追手を出しといて、3話で「あなたがあの王子!? なんで追手に!?」って展開でもいいわけだし。
そんな中で卵は王子とのドキドキを要求してくるから、卵を孵したい主人公はドジで天然だけど勇気を出して行動し、やや浮世離れしてる王子とすれ違うも、何かのきっかけで二人の気持ちが噛み合うと卵がドキドキを感じてなんらかの変化を見せる。
と、そこまでを3話でまとめられればそっから二人はどうなるんだろうと思えるから、漫画原作ってことを考えると、キャラの作り込みとその演出、キャラ立てに力をいれたらいいトコまでイケるんじゃないかと思う。
役立たずの魔物使いは、卵を背負って旅に出る。の返信の返信
スレ主 ふ じ た に 投稿日時: : 1
サタン様、コメントさっそくありがとうございます!
こんなに早くいただけると思っていなかったので、すごく嬉しかったです!
スレの書き込み時にも書きましたが、一次選考は通過するけど、二次は……な状況だったので、何かしら押さえどころに気づいていなんだろうなって自分でも気づいていたので、色々と気になった点を教えてくださって本当にありがたかったです。
現状では、受賞とか無理だと思いますけど、二次突破レベルを目指して少しずつ成長できるように頑張りたいと思います。
ではさっそく個別の返信に入らせていただきます。
>まずはっきり言ってストーリーまたはコンセプトからは面白味を受け取りにくい。
今作では、散歩中に設定を思いついて物語をフワッと考えて、次にキャラ同士のシチュだったので、そこまでキャラ立てを考えていなかったんですが、そこが本作の弱さに繋がっていたんですね。なるほど!って思いました。
>そのキャラの良さ・魅力をストーリー上で表現できていない。
これもその通りですよね。
キャラ立てにそこまで意識がなかったので、二人が出会う過程しか注目してませんでした。
でも、そこに至るシーンまで遅かったので、これもどうなんだろうなって個人的に気にはなってました。
>例えば、主人公は「役立たずから脱却していく姿」とアピールに書いてあるわけだから、最初は役立たずのはず。
ご指摘を頂いてから気づいたんですが、私の書き方(日本語)が完全に良くなかったですね。
最初、資質があるけど卵と契約できないから「役立たず」であり、主人公を逆恨みしている貴族の娘たちのせいで悪評が立っていた主人公(不遇系)だったけど、主人公の活躍により評価が見直されていくようなニュアンスを伝えたかったんですが、ご指摘があったとおり、違うニュアンスにも受け取れられますよね。本当にごめんなさい(土下座)。
あと、元々卵と契約できたら、アッサリ役立たずから卒業なので、もっと工夫が必要だと気づきました。主人公のキャラを立てつつ、それを利用されて嘘の悪評を立てられている。それを王子にも聞かれていて、主人公を疑っている感じで描いた方が良かったかなって思いました。
不遇だったけど、環境が変わって本来の自分が周囲に受け入れられていくような流れ(テンプレ)を目指したいと思います。
天然さも上手く出せてなかったですよね。
ご指摘をいただくまで、世界観や設定を描くことを優先しすぎて、キャラまで強く意識が向いてなかったので、とても勉強になりました。
>第一話は、主人公のキャラクター性を最大限に前に出すべき(作品にもよるが)なので、主人公の性格や特徴の結果物語が動きます、という展開が望ましい。
キャラクター性をもっと出せるように直したいと思います。
サタン様に気になる点を言語化していただけて、本当にありがたかったです。
特に「性格や特徴の結果物語が動く」ほうがいいんですね。そこまで意識してなかったので、助言ありがとうございます。
確かに言われてみれば、コミカライズ向きの作品は、キャラの特徴や目的が強調されていることが多いですよね。理由が分かってスッキリしました。
>火事が主人公のせいってのもアレだから、上司が主人公に嫌がらせをしようとしたけど主人公がミスと天然で回避して不発、それに腹を立てた上司は怒って立ち去るけど、上司は嫌がらせの片付けをしないでどっか行ったので、それが原因になって火事になる、とかのがベターか。
なるほど! こういうので、天然さを演出するのも面白いですよね。
>一話の序盤は魔物使いと卵の設定を上手く短く端的に解説してると思うけど、
なるほどー。見せ方ですね。もうちょっと考えてみたいと思います。
>漫画原作については詳しくないが、たぶん、1・2・3話の構成が上手くないと思う。
1話で主人公のキャラクターを、2話で王子のキャラクターを、3話で二人の関係性がどう発展するかを、それぞれアピールするのが王道な構成かなと思うけど、
ストーリーに意識が向き過ぎていて、個々のキャラまで意識がいってませんでしたね。
選評でまとまっていると評価されるけど、それ以上の評価がないのは、そういうところも原因だったのかもしれないと思いました。
漫画一話にどれだけ情報を詰めていいのか、まだ感覚が分からず、戸惑いもあったんですよね。ちょっと一旦ページ数は忘れて考えてみたいと思います。
あと、自分語りで申し訳ないんですが、割と自作の短編(2万字程度)の反応は良いけど長編はいまいち……が多かったんですよね。たぶん短編だと短い文字数で山場アリでまとめようと頑張ったので、サタン様が書かれたとおり、なにかしら面白さが早く伝わっていたからかもしれません。それを長編でも活かせたらいいなぁって思いました。
だから私の場合は考え方を変えて、三話でまとめるぞ(短編にするぞ)って思ったほうが冒頭はいいのかもしれないと、ちょっと思いました。序盤でまとめるためには、情報も限られる(少なくなる)ため、設定説明がグッと減って、物語の進み具合が良くなるかなって思いました。どこを三話目のゴールにするのかまだ決めかねていますが。もっと関係性まで描きたいですよね。
>でも、漫画だからこそキャラ立てはラノベ以上に重要だと思うし、そのための演出の技術やセンスは問われるものだと思う。
なるほどー。そこが、コミカライズの押さえ所だったんですね。
前にゼ□サムのコミカライズ系の公募に全然カスリもしなかったんですが、なんでかなーって理由を考えている最中だったので、気付けてよかったです。
これからはキャラ立てをもうちょっと意識して頑張ってみようと思います。自分では全然気づかなかったと思うので、色々と教えていただけて本当にラッキーでした。ありがとうございます!
ただ、また自分の中でキャラ立てについて感覚化ができていないので、意識を向けて研究したいと思います。
>例えば、適当なこと書くけど、王子の「王子様である」ってこともキャラの魅力の一つだから、そうそう書いてしまうのもアリではあるけど考える必要があるよね。
なるほど。序盤で王子の存在を匂わせるけど正体は伏せて置いて、読者にとって「この追手は何者?」って気になる要素にしちゃうのも一つの手だってことですね。
そして、少し物語が先に進んだら、「実は彼が〜」みたいに情報を出すって感じですよね。
確かにそのほうが、三話の中で王子を出しつつ主人公のキャラ立てに集中しやすそうな気がしてきました。
うーん、構成に悩んでいるので、試行錯誤してみたいと思います。実はこのプロットに至るまでに色々と何度も設定を変えているので、この作品の修正に関して心折れるとかないのでお気になさらないでくださいね。
色々と為になる情報を教えてくださり、ありがとうございました。
また機会がありましたら、ご指摘よろしくお願いします。
もしかしたらキャラ設定や構成がガラッと変わるかもしれませんが、改稿(主にキャラ立て)をこれから頑張ります!
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