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花男爵の遺言

スレ主 カイト 投稿日時:

目的:趣味で書く

要望:欠点の指摘歓迎!

カテゴリー:ラノベ(中高生向け)

あらすじ

《起》
ジェナーサ村の片隅の小さな屋敷には、世俗から離れて隠居生活を送るハリソン・ウィフール、通称花男爵と、その使用人であるオリヴィア・レボワが二人きりで暮らしていた。偏屈で口煩いハリソン老人に、オリヴィアは時折辟易しつつも穏やかな生活を送っていた。
ある日、屋敷にハリソンの孫だと名乗るダニエルが現れる。ダニエルは高圧的な態度で「ハリソンの娘を出せ」と迫るが、オリヴィアには何のことかわからない。当惑するオリヴィアに、ダニエルは捨て台詞を残して去っていく。
その夜、ハリソンは「うるさい雀が来たようだな」とオリヴィアにダニエルや自らの家族の話を少しするが、『ハリソンの娘』という単語には沈黙し、逆にオリヴィアに家族の話をするよう命じる。オリヴィアは、父親のいない子供を身ごもって家族から追い出され、今は聖堂で神職となっている母、スカーレットについて語る。オリヴィアは母のことを心から尊敬しており、彼女のような神職になりたいと話す。ハリソンは黙って聞いていたが、最後に「ダニエルがまた来たら相手をしてやってほしい」と告げる。

《承》
捨て台詞の通り、翌日もダニエルはやって来た。ところが、オリヴィアに食ってかかろうとしたところで、後をつけていた教育係のヒューに止められる。ヒューは瞬く間にダニエルとオリヴィアをなだめると、ちゃっかりお茶をご馳走になることになった。
お茶を飲みながら、ダニエルはポツポツとここにきた経緯を話し始めた。ウィフール家は代々宮廷庭師として王室に仕え、ハリソンの代でその地位は磐石となっている。ダニエルの父も有能な庭師で、ダニエルもその後を継ぐのを幼い頃から夢見ていた。しかし、ダニエルには生まれてすぐに交わした結婚の約束があり、ウィフール家は弟が継ぐことになっている。それに納得のいかないダニエルは、自分こそが宮廷庭師にふさわしいことを証明するために、ハリソンに倣い新しい薔薇の品種改良に取り組んでいるのだが、これがなかなかうまくいかない。ハリソンの残した資料を片っ端から当たったところ、『新しい薔薇を生み出す鍵は、我が娘にあり』という記述を見つけ、ハリソンに直接確かめるべく会いにきたのだという。しかし、いざ目の前にすると祖父に会うのが怖くなり、祖父の部屋を訪れようと誘うオリヴィアには首を振る。
翌日から、オリヴィアとダニエルの奇妙なお茶会は日課になった。ダニエルの気位の高さは相変わらずだったが、最初のような攻撃的な態度は鳴りを潜め、オリヴィアを姉のように慕うようになった。オリヴィアもまた、子供らしい表情を見せ、時には両親への非難を惜しまないダニエルを可愛く思い、またその素直さが羨ましかった。些細なことに笑い合う二人を見て、ヒューが何気なくこぼす。「お二人は、どことなく似通っていますね」

《転》
その日もお茶会を楽しんでいた二人だったが、三日後に村の祭りがあることを知ったダニエルはそれに行きたがる。オリヴィアもぜひ参加したいと、ハリソンに休暇を願い出ることにする。
ハリソンはオリヴィアの願いを聞き入れ、祭り当日に一日の休暇を与えた。喜ぶオリヴィアだが、「スカーレットによろしく」というハリソンの言葉に違和感を感じる。なぜ彼が、母の名前を知っているのだろう? その時、ヒューから言われた「オリヴィアとダニエルは似ている」という言葉が思い出され、オリヴィアは一つの可能性に思い至る。

《結》
祭りの当日。オリヴィアはダニエルと共に祭りを楽しむが、心の中では母とハリソンへの疑念が渦巻いていた。夕方になり、やっと時間が取れた母の元へ向かう。「ハリソンさまが、私の父親なの?」母のスカーレットは頷き、オリヴィアをハリソンの使用人として勧めたのは、内心では自分の出生について詳しく知りたがっていたオリヴィアのためだと言う。しかし、スカーレットがハリソンへの未練を残していることに気づいたオリヴィアは、母への怒りを抑えきれなくなり、聖堂を飛び出してしまった。
夜の道をめちゃくちゃに駆けるオリヴィアに追いついたのは、ダニエルだった。オリヴィアはダニエルに、今まで自分でも気づいていなかった胸の内を泣きながら明かす。自分の存在が母を苦しめていたのではないかという悩み、特殊な出生の自分は普通の幸せは望めないだろうと神職を志していたこと、あたたかい普通の家庭に憧れがあったこと、自分が諦めた恋心を母がまだ隠し持っていたことがショックで許せないこと。ダニエルはそれを黙って聞き、オリヴィアを慰めた。
するとそこに、スカーレットとハリソンがほぼ同時に現れる。スカーレットは元恋人であるはずのハリソンには見向きもせずオリヴィアに駆け寄り、気づかないうちに彼女に負担を強いていたことを謝罪。ハリソンに未練があることを認めた上で、「それとは関係なくあなたのことが大事」「自分の思うように幸せになってほしい」と告げる。
一方、ダニエルはようやく顔を合わせたハリソンに、おそるおそる『新種の薔薇の鍵は我が娘』の真意を尋ねる。ハリソンはダニエルに、「美しい花は、思いもかけないところで生まれることがある。しかし、そこに行き着くまでにはたゆまぬ努力が大事」「ダニエル自分に似ていて頑固だが、一番大事なものを見誤るな」と説く。
改めて顔を合わせたスカーレットとハリソンは、それぞれの道を歩きながらも互いが胸の内にいたこと、これからも変わらずそうであることを確認しあい、別れる。

《エピローグ》
ハリソンの屋敷の前で会話をするオリヴィアとダニエル。オリヴィアは使用人をやめ村に戻り、ダニエルも家に帰って引き続き薔薇の改良に取り組むという。
ダニエルは、大事なことは家を継ぐことではなく、花が好きだとということだったと気がついていた。この先自分がどの道を進もうと、それだけは手放さず生きると話す。
オリヴィアもまた、そのように生きたいと思うのだった。

キャラクター

・オリヴィア・レボワ(17歳)
主人公。明朗快活だがいわゆるいい子ちゃんタイプで、自分の出生について悩みや不満を持っていることを母に打ち明けられないでいる。ダニエルと触れ合うことで、少しずつ心境が変化する。
・ダニエル・ウィフール(12歳)
主人公2。思ったことはなんでも奔放に口にするタイプ。将来の意向について親と相違があり、自分を認めてもらいたいと思っている。気位が高いが、子供らしい面も多く持ち合わせる。
・ハリソン・ウィフール
薔薇の新品種を生み出したことで男爵位を賜った希代の園芸家。今は田舎で隠居暮らし。偏屈で非常に口煩いが、彼なりに家族のことは大事に思っている。
・スカーレット・レボワ
オリヴィアの母。昔、親子ほど年の離れたハリソンと恋仲になったが、身分違いの上不倫関係だったため別れ、その後オリヴィアを生むが、ふしだらな娘と家族からは勘当されている。その後聖堂に身を寄せ、今は敬虔な神職として聖堂長を務めている。

設定(世界観)

17世紀ヨーロッパをモデルとしたハイ・ファンタジー

参考作品

流血女神伝シリーズ、ダウントン・アビー(映画版)、ヴェルサイユの宮廷庭師

作者コメント

はじめまして、こんにちは。カイトと申します。
今回、初めてまともにプロットを立ててみたのですが、長編を完成させたことがほとんどないため、興味を引く内容になっているかどうか気になります。

ストーリーキャラクターに、多少なりとも興味を引かれるか
・あらすじに破綻がないか
・その他、突っ込みどころ

教えていただけるとありがたいです。

スレッド: 花男爵の遺言

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