寒月は鏡の如し友と酌む
回答者 平果
心までも温める晩餐会の帰り道、冴え渡る月の光を受けながら歩く夜道は、句を詠みたくなる瞬間ですね。
他のかたが御指摘なさっている通り、「立冬」と「月」とを併せ詠むと具合がよろしくないようですね。
では、どうするか。私は貴句を拝見して、詠まんとしているのは「立冬」限定の月ではなく、冬の月の冴えなのではないかと感じました。なので、冬の季語「寒月」を用いることにしました。
また「鏡ごと」では、「まるで鏡のようである」の意にはならないので(「鏡のごと」であれば通るのですが)、いっそ七音使って、「鏡の如し」と致しました。漢字を用いたのは、寒寒とした雰囲気を表現できると思った為です。
「晩さん会」は、漢字に改めた上で、そのまま使いたいと思ったのですが、個人的に定型に対する拘りがあるため、五音で代替となる語を探してみました。「食事会」が見当たりましたが、「晩餐会」と比べて、安っぽい印象を拭い切れません。いっそ名詞を諦めて、「晩餐会」の語によって表現せんとしたものを代わりにしたいと考えました。では、「晩餐会」によって表現されるものとは何でしょうか。それは、お友達のご夫婦と食卓を囲む温かく穏やかな時間なのではないかと想像致しました。それを五音で言い表すのは、私の力量では難しいことでした。無理やり「友と酌む」としました。
拙い添削案ですが、僅かでも御参考になれば幸甚です。
点数: 4
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友夫婦のお招きいただき御馳走になりました。座六になりましたが…。
外に出ると凍てつくような寒さ。澄んだ空気に十日余の月が浮かんでいました。