「湯の沸いたやかんの音や虎落笛」の批評
こんにちは。はじめまして。
この句は、「虎落笛の音が、湯の沸いたやかんの音のようだ」というような比喩に感じて、誤読をする形だと思います。
コメントにある「合奏している様でした」と受け取るのはやや難しいと思います。
原因として考えられるのは
◆「音」の情報だけの上五中七に「音」の季語をぶつける、という要素の近さ
◆「虎落笛」は取り合わせではなく、「やかんの音」と同時に聞こえている一物半のような形を「や」で取り合わせっぽくしている
という2点。
助詞【や】は「前後を全く別物とみなす」ということでもなければ、「前後2要素の足し算」でもないので、少し情報を補足してあげる必要がありそうです。
「虎落笛」は「音」の要素が強いですが天文の季語で、音以外にも「風の強さ」などの風景を持ちますので、この内容で下五に置くのは難しいかもしれません。
推敲前の句「虎落笛やかんも沸いて揃い鳴り」の方が意味はわかると思いますが、こちらはこちらでいわゆる「散文的(普通の文章っぽい)」ですね。
推敲前の「鳴く」は省略できそうです。空いた音数で、たとえば、別の切れ字「けり」を入れてみましょうか。
・虎落笛薬缶も沸いて揃いけり
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虎落笛の鳴る冬の夜、笛吹きケトルの湯も沸いて、合奏している様でした。
「虎落笛やかんも沸いて揃い鳴り」としていましたが、下五が納得できず今の形に。