「冬凪ぎる佐渡の山影指呼の中」の批評
回答者 イサク
おはようございます。
上五のところだけ、げば様に補足します。
まず「凪」=名詞。これが前提。
動詞の活用部分は仮名表記にして外に出すのが一応のルールですので、「凪る」の表記はやや不自然。名詞に「る」を付けて動詞として使う若者言葉のようです。
動詞「凪ぐ」+「る」であれば「凪ぎる」という表記、連体形であれば「凪ぐる」と表記、するのが自然です。このあたりが郁斗様(郁爺様)の話。
助動詞「る」(終止形)は、【受身・尊敬・自発・可能の意味をもち、四段・ナ変・ラ変動詞の 未然形に接続】というルール。上二段活用には接続しません。
実際、この助動詞の意味【受身・尊敬・自発・可能】が動詞「凪ぐ」と噛み合いません。
げば様の言うとおり、助動詞「り」の連体形の勘違いではないかと思います。「り」ならば【完了・存続】の意味を持つので、意味的にも合います。
ただ、「凪ぐ」が上二段活用ならば助動詞「り」も接続しません。「り」は【サ変動詞の未然形、四段動詞の命令形】にのみ接続する助動詞です。
つまり御句の上五「冬凪る」は、名詞+「る」の若者言葉か、「なぎる」と読んで上一段活用(口語文法)の連体形か、と受け取るしかない言葉です。
ただ、「凪ぐ」を四段活用とみなして「凪げり」の形で使っている俳句の例があります。古典の「凪ぐ」は上二段が基本ですが、口語の「凪ぐ」は五段活用になっているので、転じて文語表記が四段化したのかもしれません。
以上から、動詞として「凪ぐ」を使うのであれば、上五は意味・表記として「冬凪げる」がよいのではないかな・・と。
今回の句に限れば、文法的な難しいことを考えずに「冬凪の」とすれば丸く収まるのは確かです。佐渡爺様が「冬凪の」でいいです!それ以上考えません!と言うならこれ以上つっこみませんし、スルーしていただいても大丈夫です。
動詞の表記、動詞の活用、助動詞の活用、助動詞の接続、など重ねて勉強する気があれば、今後の佐渡爺様の一助になれば幸いです。
点数: 1
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ボツ句です。
実景ではないので弱いかな?