「市駅まで子ども三枚草の花」の批評
回答者 イサク
こんにちは。
エリア的に「市駅」と呼ばれる駅がなく、どんなときに使われる言葉なのか調べるところからスタートです。
風景としては電車の中ではなく駅で切符を買っている姿です。
電車ではなく、「市駅までのバス」のチケットかもしれない。
親が窓口でこども用のチケットを三枚買っている、という姿に受け取りました。
とすると「草の花」が付近にあるようなそこそこ田舎の駅舎。わざわざ切符を買うならば昔の風景かも?というところまでは鑑賞がたどり着きます。
逆にこの句の情報量で「電車の中」と言われると、そこでとまどいます。
電車の中と季語「草の花」はあまり相性がよくないかも?
スピードの遅いローカル線が休耕田や河原などの近くを走っていくような風景、ということですかね?
右肩に枯野の冷気7号車/皆藤愛子
この句でも下五で「7号車」ときっぱり言うことで電車の中の風景が出て、「右肩」「枯野の冷気」へ戻り、映像が生きてくると思うので、そういう工夫が要ると思うのですが、ちょっと提案が難しいです。作り変えになってしまう。
・右窓に草の花市駅への切符
点数: 1
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記念日俳句、10/14は「鉄道の日」(1994年に「鉄道記念日」から改称。以来、JR以外の民間鉄道も含めての記念日)。で、松山の伊予鉄道の記憶から一句。
子どもの頃の切符の買い方は“電車内で車掌を呼び止めて買う”。最寄りの駅が無人駅で、一時期はこの買い方しかなかった(今はさすがに、あの駅にも券売機というものが設置されている)。
祖母の家まで親子で行く際には、私が切符を買う係となり、毎度毎度呪文のように「○○駅から××駅まで大人一枚子ども二枚」。
この呪文では音数が多すぎるので、別シチュエーションで。小学校高学年になると友人連れだって市街地に出かけることもあり、その想定の呪文を上五中七に。なお、「市駅」は松山市中心部にある「松山市」駅のこと。
電車内から見えるものを季語に、と考えて下五に「草の花」。空・雲、虫や鳥といったものも窓から目にすることが出来そうだけれども、もっと目線を低く、距離的にも近いものをと考えると、残っていたのは草だった。
(この季語で今投句しているからといって、俳句生活の兼題「草の花」のほうが万全という訳ではないですが…)