「春の夜や鉄路固める振動音」の批評
回答者 ハオニー
字余りがどうなのかの意見を...
下五の字余りは、上五の字余りより気になりやすいですが、六音ならさほど問題ありません
むしろ、振動音と一音多い方が余韻が出て私はいいと思います
感想を...
いろいろな想像が出来るいい句ですね
俳句の意味で「⚪⚪と読んでください」というような説明をせずに、きちんと読み手が映像や状況を再現できる句がいい句なのです
ここからは自分の目指すニュアンスへ近づける方法を...
推敲の余地があるのは「固める」です
動詞を変えると俳句は一気に変わります
電車が来たと思わせるなら...
春の夜や鉄路に来る振動音
なんて近づけ方があります
保線作業なら...
春の夜や鉄路を正す振動音
とすれば近づきます
全く違う意味を持たせて...
春の夜や鉄路を踏み固める陰り
とすれば、鉄路へ迷いこんだ生物が踏み固めるようにさまよっているように見えるかと思います
俳句において、動詞の選択は作者の決意そのものです
そう言いきってもいいほど、動詞の選択を見るとうまい人か下手な人かがある程度分かります
「固める」は無難に置きに来たのだな、と思っています
動詞がない俳句の場合、「動詞を使わないと決意した句」なのか「動詞以外の言葉を並べただけの句」なのかが分かるのです
そこにも実力の有無があらわれます
点数: 2
添削のお礼として、ハオニーさんの俳句の感想を書いてください >>
「紅梅や病臥に果つる二十代」の型で一句。
なまめかしさの対極で郷愁や恋情をかき消す。