俳句添削道場(投句と批評)

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凩や靴紐固く結びたり

回答者 平果

添削した俳句: 靴紐は固く凩を走らん

「走らん」には、詠み手の決意や意欲がはっきり表れていますね! 吹き荒ぶ凩をものともせずに、前へ進もうという決意ですね。
「靴紐は固く」にも、ただ奔放気ままに進もうとしているのではなく、一歩一歩を踏み締めるように着実に歩もうとする思いが見て取れます。
ただし、下五の頭が「を」という助詞になるのは、句全体のリズムを損ねることになると思います。
季語の「凩」を上五に置いて切れ字「や」を付し、貴句の要である「靴紐固く」を中七に据えるところまでは、すんなりと浮かんだのですが、下五の「結びたり」だと「走らん」という具体的な行為と決意が薄らいでしまいますね。「たり」によって、せめて決意だけは込められるようにしてみましたが、やはり「走る」という行為も残したいですね。ですが、今の私には、これが精一杯です。
僅かでも御参考になれば幸甚です。

点数: 4

「ゆつたりと冷める珈琲冬浅し」の批評

回答者 平果

添削した俳句: ゆつたりと冷める珈琲冬浅し

御指名を賜り、光栄でございます。非常に嬉しく感じている一方で、それ以上の緊張感を覚えております。なるべく普段通りのコメントを記せるように心掛けて臨みます。

やわらかな時の流れにやさしく抱きとめられているかのような、穏やかで温かみのある句ですね!

冬に入り、徐徐に寒さが深くなる中、予定表から一日だけ零れ落ちたかのように、何もすべき事ない休日の朝方でしょうか、庭に目をやれば、控え目な日の光を浴びた落ち葉が佇んでいますね。
「こんなに穏やかで落ち着いた休みは久しぶり」と思って、いつもの珈琲をいつもより丁寧に淹れてみました。学生時代に読み耽っていたハードカバーを手に取ると、いつしか心は本の世界に。
二杯目の珈琲の為に沸かしていたケトルがシュンシュンと音を立てるのにハッと気付き、火を止めてから、改めてマグカップを口に寄せると、ミルクの入った珈琲はまだ温かく、優しい味が広がってきますね。外の陽射しはやや太くなり、木々の輪郭をはっきりさせる明るさです。

「冬浅し」は、寒さの中に温かみを感じさせる季語ですね。その事を貴句から学ぶことが出来ました。「冷める珈琲」も、それだけだと物悲しい響きを帯びますが、「ゆつたりと」と形容することで、珈琲が少しずつ冷めていく穏やかな時間の流れが立ち現れてきますね。
このような瞬間を私も体感したいと思うような、いや寧ろ、味読することで追体験できるような佳句だと存じます。

拙い感想を述べさせていただきました。御笑覧戴ければ幸いです。

点数: 2

「凩や暮らしを背負ふ人の波」の批評

回答者 平果

添削した俳句: 凩や暮らしを背負ふ人の波

御指名を賜り、恐縮です。

冷たく吹きつける凩の中、自分或いは家族の生活の為に歩き続けなければならない人間の姿が具に捉えられていますね。季語「凩」と「暮らしを背負ふ人」との関係が不即不離で、直接関わらないながら、冷たさ重たさという苦のイメージで結ばれている点、くわえて「凩」によって立つ「波」という響き合いも素敵です。

拙い感想を述べさせていただきました。御笑覧戴ければ幸いです。

点数: 2

「木々の色映す湖沼へ落葉風」の批評

回答者 平果

添削した俳句: 木々の色映す湖沼へ落葉風

殆んど葉の落ちた木が幾本か立ち並び、その向こうには青い山が列なっているのでしょうか、時が止まったかのように一切は動きませんね。シン...と耳が痛くなるくらいに静かで、湖面は鏡そのものに反転した景を映し出しています。

停止した時は、ほんのわずかな風の流れで揺らぎましたね。風が運ぶ深い秋の香、落葉が擦れ合う音、そして風が生んだ湖面の波紋は上下対称の景を崩し、「ああ、此岸には香や音や動きというものが有ったんだなあ」と思い出させてくれます。

幻想的なまでの静から、此の世の秋を思い出させる幽かな動への移りを捉えた佳句だと存じます。

点数: 1

六郷のまた巡り逢ふ石蕗の花

回答者 平果

添削した俳句: 六郷の古刹の旅や石蕗の花

六郷満山を巡る旅は、当節の寒さと相俟って、心を穏やかに澄みわたらせるものであったのではないでしょうか。
静かにしかしどっしりと構える寺の御堂と、茎を伸ばして揺れる石蕗の花とを詠み込むことで生じる、大と小、静と動といった対比は、俳句の御手本のようですね。

添削案は、コメントにお書きになった「何処のお寺も」の部分を前面に出してみたものです。どのお寺を訪ねても石蕗の花が手を振ってくれることへの感動を詠んだつもりです。
中七は「日脚伸ぶまためぐり逢ふチンドンヤ」という句から取りました。
「古刹」の語は無くなりますが、「六郷」と言えば「六郷満山の寺院群」だと読み取れようと信じて、省いてみました。
僅かでも御参考になれば幸甚です。

点数: 2

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