俳句添削道場(投句と批評)

平果さんの添削得点の高い順の2ページ目

雁の棹折れつ撓みつ伊吹越ゆ

回答者 平果

添削した俳句: 雁の棹折り曲がりては伊吹越ゆ

生けるものの力強さが景を通して伝わってきますね!

秋も暮れ、寒さは日々深まる夕刻頃でしょうか、ふと覚えた寂しさに家を立ち出でてみると、いつも眺めている伊吹山の上を、雁が列をなして飛んでいる。生きるために、より暖かな地を求め、力を合わせて飛んでいく。時に、遅れる雁あらば、列は撓み、或いは折れる。それでも雁はまた列を組み改めて、全員で南を目指す。生きるために。

生を繋ごうとする、生き物としては当然の営みの再発見に妙味を感じました。

添削案は、折れたり撓んだりしても、また元に戻るということを繰り返している様子を詠み込みたいと考えたものです。その繰り返しの中に、生命の力強さがあると思いました。僅かでも御参考になれば幸甚です。

点数: 3

初霜や積まれし草の薄化粧

回答者 平果

添削した俳句: 初霜や積み上げし草化粧して

清々しい景の立つ句ですね!

草を積むという行為は、日常の一環なのでしょうね。
日々積んでいる草に、今日は霜が降りた。その変化に季節の移ろいを感じ取られたのですね。
うっすらと降りた霜は、まるで草に施された化粧のようだという捉え方も素敵です。

提案した句は、「初霜」が行為の主体であることを言わないようにしたものです。
「し」という動詞を省くことで、「初霜」が「化粧」という行為を「し」たという動作ではなく、「草」が「化粧」を施されている景を描けるかなと思いました。
「化粧」も、初霜のささやかさを考えて、「薄化粧」にしてみました。

僅かでも御参考になれば幸甚です。

点数: 2

縁側の小豆選る母舟を漕ぎ

回答者 平果

添削した俳句: 縁側で小豆選る母舟も漕ぎ

秋の陽の柔らかな暖かさが伝わってくるような句ですね!

御年を召された御母堂を慈しむような捉え方にも温かみがありますね。
縁側で小豆を選る行為は毎年のことなのでしょうね。
また今年も小豆が届き、それを選り分ける時期になった。小豆は赤飯になり、御近所に福分けされるのでしょうか。
御母堂が夢に見ていらっしゃるのも、御近所の方々の喜ぶ顔かも知れませんね。

提案した句は、気になった「も」を「を」に改めたものです。
「も」だと、元々あった何かに「舟」を加えることになってしまうと感じ、単純に「を」にしました。
また、「縁側で」だと「縁側」が単なる場所の提示になり「小豆選る母」だけが前面に出るように感じました。
「縁側の」とすると、「縁側」という場所も「小豆選る」という行為も「母」という存在も、均等の重みで表現できるように感じたため、そのように提案させていただきました。
僅かでも御参考になれば幸甚です。

点数: 2

「朴の葉の舞ひ散る野外彫刻展」の批評

回答者 平果

添削した俳句: 朴の葉の舞ひ散る野外彫刻展

冬が近付く寒気の感じられる句ですね!

大きな朴葉が色を変じて散る様の物悲しさ。生物を象りながら体温を持たず、寒天に晒される彫刻群。両の対象が心理的な寒々しさで貫かれていますね。
また、「舞ひ散る」と詠み、景に動きを入れることで動かぬ彫刻との対照を描きながら、風の冷たさまで込める点は出色ですね。

次の句も楽しみにしております!

点数: 2

「立冬や墨の色濃く一行詩」の批評

回答者 平果

添削した俳句: 立冬や墨の色濃く一行詩

句道を一筋に辿らんとする力強さの感じられる句ですね!

玄冬の語のせいでしょうか、冬の厳しい寒さには黒が似合うように思います。
その寒さに立ち向かうかのように「墨の色濃く」する。
句を他ならぬ「一行詩」と言い表すのは、進むべき一道という認識が前提とされているのでしょうね。
静謐な闘志の横溢が感じられました。

点数: 2

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