「秋風の火照り触れる手夕焼け空」の批評
おはようございます。ミジンコさんはじめまして。
よろしくお願いします。
私は若干厳しめに見えるかもしれません。ご容赦ください。
まず、俳句
のルール的な話。
◆俳句のリズムの五七五は、できていると思います。
◆「秋風」と上五に季語
がありますが、下五の「夕焼け」が夏の季語になっており、季語がふたつ入っている状態です(季重なりと呼びます)。
「秋風」を季語として使いたいのだと想像します。ので、下五の「夕焼け」を別の言葉に変えるのがよいかと思います。
で、句の内容と日本語の話です。
◆【秋風の火照り】という、触れることのできなさそうな『何か』があります。「触れる手」とありますので誰か(自分?)が触っています。ここは、実際は何に触れていると言いたいのでしょうか?
たとえば「秋風に触れる」ならば詩的だと思うのですが、「火照り」が入ったことで途端にわからなくなってしまいました。
もしかしたら、「秋風が、火照っている自分に触れる」と言いたかったのかも、という想像もしましたが、「触れる手」と【手】の映像が出てきますのでこの解釈はできませんでした。
また、「火照り」といえば熱を持っているイメージです。で、「秋風」は夏よりも涼しげな「秋を感じる風」の季語です。秋の季語では「残暑」「秋の日」など「火照り」と相性がよさそうな季語もあるかもしれませんが、「秋風」は相性が悪そうに感じますね。
こういう点で、「火照り」「触れる手」など【なんとなくで言葉を置いてしまった】ようにも見えます。
句の意味(出したい映像)が解釈しきれていないので、こうしたら、という提案句も難しいです。
たとえば「秋夕焼」という秋の夕焼けを表すの季語があります。こちらを使って、「風」「火照り」などの言葉を残して、私なりの解釈で作ってみると、
・火照る頬を風とおりぬけ秋夕焼
上五が六音の字余りになりましたがあまり気にならない形のはず。
「秋夕焼」はこの場合「あきゆやけ」と読めるので、下五はちょうど五音です。
秋の風景の季語+「風」なので、「秋の風」も出ていますよね。
という感じでした。
まずは
◆季語っぽいものを調べて季重なりをできるだけ避ける
◆十七音で最低限のことは伝わるように(御句では「秋風の火照り」に何を思い浮かべたらいいかわからなかった)
次は、このあたり、注意してみてください。