「初雪や白紙に戻る黒い地図」の批評
回答者 腹井壮
添削した俳句: 初雪や白紙に戻る黒い地図
森田拓也さん、おはようございます。
いつもお世話になります。
これは自分にも言える事ですが身の回りにある自然に対して感じた事を詠むのが俳句です。考えるのは次です。
取り合わせで詠もうが一物で詠もうが「考えるな 感じろ」です。特に取り合わせで詠む時にブルース・リーの言葉が生きてきます。
大変失礼ですが大浦三津子さんは最初はとても拙い表現をされてました。でも最初から身近にある自然に細かく注意を払っていました。だからこそ表現方法が磨かれてきたのだと思います。
徹之さんに対しても失礼だと思いますが最初は婚活ネタばっかりで字余り字足らずは当たり前でしたが今では句会の代表からも絶賛される句を作りだしました。たぶん色々な人の句を見て真似ての繰り返しだったのだと思います。
お二人とも俳句を始めてから数ヵ月でしょう。自分と同じ独学とおぼしき人であっても世の中には上達が早い人がいるものです。添削依頼を遡れば上達の過程がわかります。
でもお二人がされた事はだいたい初心者向けの本に書かれている事を実践しただけです。まず藤田湘子の本をマスターして下さい。作風や方向性などあとからいくらでも味付けできます。
そしてワタシの下手な添削句や参考句を暗唱しても時間の無駄です。今すぐやめましょう。ただ、下手な分だけ逆に御自分で推敲すると勉強になるのかもしれません。
例えば
ピカソ忌の筆を折りたる絵描きかな
ピカソ忌の鉛筆を折る絵描きかな
ピカソ忌の絵の具を棄つる絵描きかな
ピカソ忌のイーゼルを蹴る絵描きかな
ピカソ忌のキャンバス破る絵描きかな
キャンバスの燃ゆる焚火の匂ひかな
キャンバスの燃ゆる焚火の煙かな
ここのレベルまでいったところで専門俳人の道は拓けてきません。
長々となり申しわけありません、今回の句の評価ですが初雪が降って汚い物が綺麗に見えるという発想は溢れかえっています。だからこそ視点と表現を工夫すると目立ちます。発想を飛ばして地図までもってきた事は素晴らしいと思います。
お互い改めて古文法の勉強をしましょう。
最新の電子辞書は現代語と古文の活用形や送り仮名が併記されていて便利みたいですね。
添削については他の方にお任せしますが誰も現れなければワタシがいたします。
雪で一句
細雪や礫に変はる妻を抱き
橋本多佳子の類想や本歌取りと思われても構わないのですがここでいう妻のモデルは故時実新子の事です。
点数: 2