俳句添削道場(投句と批評)
イサクさんのランク: 師匠2441段 合計点: 7,440

イサクさんの俳句添削依頼

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行く春やベビースターのひとかけら

回答数 : 11

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子蛙のやうに柳へ跳ねてゐる

回答数 : 12

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選ばざる権利を選ぶメーデー過ぐ

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吹かれればフェンスへ絡む柳かな

回答数 : 12

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春日傘舞浜駅に人はなし

回答数 : 17

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イサクさんの添削

「頭二つ抜けたる吾子と風薫る」の批評

添削した俳句: 頭二つ抜けたる吾子と風薫る

こんばんは。

「頭一つ抜ける」という慣用句があります。身長で抜く意味ではなく、能力が他の人より優れている意味で使われます。

その慣用句から派生して、比較できないほど優れている場合に、強調表現で「頭二つ以上抜けている」などと表現することがあります。

なのでこの句は、「吾子が優秀な能力を持っている」という誤読があると思います。(ただし、その能力は全くわかりません)

前の句のコメントもあわせて、
「子が親の背を抜いた」という感慨を言いたいであろうことはわかりますし、季語「風薫る」の選択もわかるのですが、表現を失敗しているように思います。
特に俳句において「頭二つ分ほど高い」という説明に執着するかどうか、は重要なところだと思います。

・風薫る結婚の子に背を抜かれ
・頭ふたつ分親より高い子や薄暑

点数: 1

「何もない午後が好きです扇風機」の批評

添削した俳句: 何もない午後が好きです扇風機

こんばんは。

自分の思い+具体的なモノの季語の形。
「何もない午後」+「夏の季語」で、この風景は夏の午後だとわかります。
「クーラー」ではなく「扇風機」という季語を選んでいますので、晴れた日に窓を開けているような風景が思いつきます。とすると初夏の時期か、あるいは田舎の夏休みか。

季語の力をきちんと生かして、取り合わせで充分な句だと思います。

点数: 2

「平凡なラブソング平凡な夏」の批評

添削した俳句: 平凡なラブソング平凡な夏

こんばんは。

◆先に結論を。
 厳しめに言えば「雰囲気はあるかもしれないが、内容が薄めの句」だと思いました。
 ご本人も「抽象的すぎる」と思っているようですね。

◆「夏」という広い期間の季語が生きていないと思います。
 約三か月間ある「夏」がすべて平凡、というわけでもないと思うのですが、そういう内容になっています。
◆前半の「平凡なラブソング」にあまり具体的な映像・音声がなく、後半の「平凡な夏」にも具体性がありません。「平凡な」という修飾語が「夏」の映像を補強できておらず、リフレインの効果があまり出ていないと感じます。
◆「平凡なラブソング」ここで10音も使っていることの是非も感じます。
 この「ラブソング」は聞いているのか、作っているのか。聞いているなら、自分で選んで聞いているのか、どこかから流れてきているのか。歌詞が平凡なのか、リズムが平凡なのか、何もかも平凡なのか。その平凡なものを俳句に詠み込んだのはなぜか。
 説明は要りませんが、後半の季語を含めた残りの部分で、それを想像するきっかけや具体性が欲しいです。

推敲するとして、
「平凡な」のリフレインに作者の意図を強く感じます。ここを残して推敲するなら、残りはわずか七音。
その七音が「ラブソング」「夏」でいいのか?ということを考えます。
特に、季語の力をきちんと借りて、句の意味や映像を受け手の脳内に涌かせたいところです。
例えば、「平凡な夏」を「平凡な夏休み」に変えるだけでも、情報量が増えるはずです。
・平凡なうた平凡な夏休み
・平凡な歌詞平凡な梅雨の雲
・平凡なうた聴く平凡な帰省

季語を「平凡」とうのは難しいはず(俳諧にできるかどうか)です。この句はリフレインと同時に対句表現。その対句を推敲でズラしていく手はあると思います。

・平凡なラブソング非凡なゼリー

点数: 2

「祭の日風船逃げし泣いた日よ」の批評

添削した俳句: 祭の日風船逃げし泣いた日よ

こんにちは。

◆思い出を思い出のまま【過去形】で詠んで他人を感動させるのは難しいです。
 また、過去の思い出なので現在の季節がわからず、季語に季節感が出ません。

対策はひとつではないですが、たとえば「今日が祭りの日」で「今日風船が逃げて行った」という句にして、まるで現在のことのように描けば、季語は生きて来ます。
季重なりはありますが、この内容なら主たる季語は「祭」ですね。

「風船が逃げた⇒泣く・悲しい」を入れると因果も出ますし、主たる季語も曖昧になるので難しそうです。なので提案句は淡々と。

・お祭や風船どっか飛んでった

点数: 0

「夕薄暑乾杯の泡茜色」の批評

添削した俳句: 夕薄暑乾杯の泡茜色

こんにちは。

句だけを見て、シャンパンか何かを乾杯している風景だと思っていました。
とても気になる点がありまして、
◆乾杯の泡は茜色。飲み物本体に注目せず、泡だけに注目しているのか?
 飲み物本体と、その色は、なぜこの句では無視されているのか?

そしてコメントを拝見して、なんとなく理解しました。

◆「ビール」と出さずに「乾杯+泡」と連想ゲーム的に遠回しに言って、かえってわかりにくい句になっていると思います。上に書いた通り、わたしは別の飲み物を想像しますので、「泡が茜色」という言葉に違和感がありました。
 「ビールの泡」の句ならば、「ビールの泡」と言い切って明確に映像化した方がよいと思います。
 「ビールの泡」のことを詠んでいるのに、「ビール」と言わない理由が「薄暑という季語を使いたいので季重なりを避けた」なら、季語選択の発想が根本的にどこか違います。

◆三段切れ感はあります。中七の後に「は」「の」「に」などの助詞が省略されているのは理解できるので意味は切れていませんが、リズムの三段切れ感はあります。

◆「夕日が当たっているから茜色」という理由付けに見えますし、「夕」と「茜色」が明らかに近いです。「薄暑」はあまり関係ないですが。
 そうではなく「時間帯関係なく、泡が茜色になる珍しいビール」のことを言いたいのであれば、「夕」は使わない方がいいです。

俳句は「答えを言わない・想像させる」ものですが、
「大切なことを言わずわざわざ遠回しに言ったり、ヒントだけ順に与えて連想ゲームにする」のは違います。これをやってしまうのは、初心者さんあるあるです。
そもそも「季重なりになりそう=季節を表す句の主役がふたつある可能性が高い」というのは気にしてみてください。

ビールで詠む提案句
・乾杯のビールの泡にさす夕日

夕薄暑で詠む提案句
・乾杯の掛け声高し夕薄暑

↑どちらも「夕」という単語を信じれば、赤く感じる映像は出るのでは?わざわざ「茜色」という必要はないように感じますが。

点数: 2

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