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星降る夜の落星 (No: 1)

スレ主 冬空星屑 投稿日時:

 冬空星屑です。
 主になろうとカクヨムをウロウロ。
 ハイファンタジー書いてます。

 竜神に守護された『星竜神国ステラウィタス』には、世界中に蔓延り人間を襲う魔物が一切近づかない。竜を除いては。
 竜神に従い人間と共存をしていた竜の中には稀に、理性を無くし人間に害をもたらす〈害竜〉が現れ、特に酷い竜による災害を〈竜災〉と呼ぶ。
 人間では決して叶わない身体能力と、人間に勝るとも劣らない知性を持つ竜に対抗するため、ステラウィタスでは竜に乗り空を駆ける竜騎士団が創設された。
 〈害竜〉に母を喰い殺され、〈竜災〉で父を亡くした少年ハオスは、〈竜災〉で父と同じように死にかけたところ、とある竜に救われ、その竜に一目惚れした。
 だが、〈竜災〉が起きた場所にいたためその竜は騎士団に討伐されてしまう。

 数年後、害竜と竜騎士を恨みながらも、日銭を稼ぐために冒険者になり害竜駆除で生計を立てていたハオス。あるとき、一目惚れした竜を倒したとされる竜騎士の少女と出会った。
 

 あらすじはこんな感じです。
 
 
 力を入れたのは、人間に対する〈七王竜〉という存在の理不尽さ。圧倒的な強さ。
主人公が〈害竜〉を嫌い、〈害竜〉を憎むわけ。
それでも命を救ってもらった竜に一目惚れしたというギャップ(ここはプロローグでは書いていません)

狙いは、なぜハオスが生き残ったのかという疑問を抱いてもらうという点。

改善に尽力していただければ幸いです。
 

プロローグ

序章 第一話

 遠くで轟く音を気にもせず、ハオスは淡々と口を動かしていた。固い黒パンを塩辛いスープに浸し、黙々と。
 昨夜から続く暴風は、雨を降らさないものの、古くなった家を軋ませる。
 家の玄関に近づく気配に気付き、ハオスはゆっくりと立ちあがり、歩き出した。

「お帰り、父さん」
「ああ。ただいま」

 村の門衛の仕事から帰ってきた父に軽く挨拶をした。

「俺、もう寝るから」
「ああ。すまんな、家に居てやれなくて。今度どこか行くか?」
「いいよ、別に。最近は害竜が多いだろ?
 家でゆっくりしてて」
「すまんな」

 ハオスの父は、不甲斐ない自分を呪うように一言、謝った。
 日は沈み、閑散とした村に、遠くで雷の落ちる音が響きわたる。
 最近、急激に増え始めた〈害竜〉が暴れれば、天候くらい悪くなるのは当然だ。
 あまりにも〈害竜〉が多いのか、いつも討伐にやってくる竜騎士たちが、未だ来ていない。

(まぁ、来たら来たでウザいだけだし……)

 知性ある竜と契約し、その背に乗って空を駆ける竜騎士。
 未来の竜騎士などを育成する騎士学園は、身分の貴賎に関係なく試験の結果で入学生を決める実力主義の学園だが、やはり幼少より教育できる貴族の家の子女が多い。
 中でも、成績上位かつ特別な試練を合格した者のみがなることが許される竜騎士には、プライドが高く、調子に乗った者が少なからずいることがある。
 偏狭の村へ派遣されるものは、特にその傾向が強い。
 調子に乗って努力を欠かすため、〈神都〉や大きな街を守るに足りないと判断されることが多いのだ。
 竜騎士なんて、騎乗されている竜が強いだけで、騎士は大したことがないと思っているハオスは、村でも特に竜騎士を嫌っていた。
 村にいることが少なく、居たとしても門衛の仕事で家にいないことが多い父の方が、まだ何百倍もましだった。
 少なくとも父は、村と自分のために頑張っているのだと知っているからだ。
 宿屋で飯をたかり、酒屋で暴れまわり、いざというときは、母を見捨て〈害竜〉ごと黒い煤に変えてしまうようなやつらより、何百倍も。
 だからと言って、父を好きなわけではない。
 かつてはそれなりに高位の冒険者だったらしく、その剣の腕と、冒険者としての知恵は尊敬に値するが、よく家を空け、母の死に目にも居合わせなかった役立たずの父を恨まずにはいられない。
 だが、父が居なければ生きていけないのも事実。最低限の炊事洗濯はハオスの仕事だった。
 同じ村の子供たちが遊んでいる中、一人、黙々と家を手伝うハオスを近所の女どもは褒めていたが、お前のせいで母さんが遊ばずに手伝えって言ってくる、と子供たちにはいじめられていた。
 ハオスは、この村が嫌いだった。
 親しい友人も、愛しい家族もいはしない。
 ハオスは成人したら、村を出て、冒険者になろうと思っていた。
 父に剣を、母に魔法を教わっていた。
 魔法に関しては小さな火と少しの水を出すだけだが、無いよりはましだ。
 父に教わった剣も、そろそろ初級を卒業し、下級を学べるだろう。成人までには、一般的に一人前と称される中級剣術を修められるはずだ。
 父が夕食を終え、食器を片付ける音を耳にすると、ハオスは眠りについた。
 

序章 第二話

 どのくらい眠っただろうか。
 雨足が強くなり、雷は幾度も轟いた。
 耳障りな音のせいで、あまり深く眠ることはなかったが、寝なければ明日が辛い。
 そんなことを思いながらうつらうつらしていたハオスは、父が戸を蹴破る音で、目を覚ました。

「ハオス! 起きろ! 逃げるぞ!」

 脈絡もなくいきなり逃げるという父を訝しげに見るも、その必死の形相から現在の状況の悪さを悟る。
 村一の剣士。小さな〈害竜〉なら剣の一振りで両断する父が、恐怖で顔を歪ませていた。
 出来うる限る最速で、上着を羽織り、杖を腰に差して、家から飛び出た。
 上着の下は寝間着だが、着替える暇はない。

「ハオス! 剣なら置いていけ! お前には邪魔なだけだ!」

 父は、ハオスが腰に帯びているものを剣だと思ったのだろう。
 普通、魔法士は杖を腰に帯びたりはしない。

「母さんの杖だ! 剣なら置いてきた!」
「よし! 森まで走るぞ!」
「――っ!? 迷い霧の森に入るの!?」

 迷い霧の森。
 この辺りでは、奥深く入れば、迷って出てこられないことで有名な、常に霧で覆われた森だ。霧を吸いすぎると倒れることから毒霧の森とも呼ばれる。
 だが、父はそんなことは大したことがないとでも言うように言い切った。

「平地よりはましだ!!」

 右手を、やけにでかい左手で捕まれた。
 ゴツゴツとして、自分の手とは比べものにならないほどの固さだった。
 一体どれほど剣を振るったら、こんなに固くなるのだろうか。
 大粒の雨が体を打つ。雷鳴が耳を打つ。
 大して走ってもいないのに、体は芯まで冷えきり、ぬかるみに足をとられ、息はひどく荒い。
 だが、それでも走る。
 父に引かれているからではない。
 後方から響く竜の咆哮に恐怖したからだ。

 二匹……だろうか。

 こんなにもでかい背で前を走り、こんなにも固い手で己を引く父が、振り返ることすらできずに逃げるほどの化け物が二匹。
 あれは人の身で勝てる相手ではない。
 あれは並の竜が勝てる相手ではない。
 あれはまるで、御伽噺に出てくる竜の王様のような……。

 ハオスと父は、時々飛んでくる巨岩や稲妻を避けながら、森へとひた走る。

 だが、次に飛んできたものを避けることはできなかった。
 父は何も言わずにハオスを体当たりで吹っ飛ばした。
 咄嗟のことで、受け身もとれずに地面に落ちる。
 呆然としたハオスの目に入ってきたのは閃光だ。
 その巨体のおかげか。かろうじてハオスに見えたのは、この暴雨の中、白銀に輝く鱗だった。
 閃光はその鱗の持ち主だ。
 細長く研ぎ澄まされた体躯。
 覆う鱗は雷光を反射し、周囲を照らす。
 伸びる角はまるで避雷針のようで、天から落ちる雷を束ね、一直線に放っている。
 地面を踏みしめる四足と、飛空するための双翼。
 そこにあるのは機能美だ。
 世界を統べる〈七王竜〉が一柱。天空を統べる風竜の王族――――〈天王竜〉。
 その尾には、赤い赤い、とても赤いシミが付いていた。
 まるでツスイ(動物から血を吸う羽虫)を叩き潰したかのような。

(あれ……? 父さんは……?)

 ハオスは辺りを見渡すと、ある一点に目を釘付けにされた。
 赤い、赤いシミ。
 それは、ツスイを潰した跡ではなくて……

「ゥォェ――――!?」

 ハオスはとっさに口を手で覆った。
 
 虚ろな目で見つめ、手を伸ばし――――コプッ。
 血を吐きながら、それでも手を伸ばす。

「あっ……。か、回復の奇跡……」

 怪我をしたら治す。
 それはあまりに単純で、ハオスにとって分かりやすい行動指針だった。
 やることは単純。
 母に教わった通りに、力を行使するだけだ。

 生きとし生けるもの全てが持つ〈気〉。
 それを練って〈力〉となし、〈技〉を引き起こす。
 これらを体系化したものを〈術〉と呼び、それは選ばれた存在しか行使できない。
 〈剣術〉しかり、〈魔術〉しかり、〈竜術〉しかり。

 だが、〈奇跡〉は誰でも使うことができる。

 必要なのは、信仰と願望と想像。
 〈神〉を信仰し、願いを思い、その実現を想像する。

「……神様。父さんを癒して、お願いします――」

 深く信仰するほど、強く願うほど、確かに想像するほど、〈奇跡〉は起こる。
 だから、ハオスの願いはほとんど聞き届けられなかった。

 嵐の夜の森の中、目映い白き光が父を覆い、引きちぎれた肉の断面が盛り上がり、出血が止まる。
 父の傷は|わずかに《・・・・》癒された。
 だが、全身をグシャグシャに潰された人間が、止血程度で生きられるべくもなく……。

 そして、その光は、暴れる〈天王竜〉の注意を引くのに十分な眩しさだった。

序章 第三話

 ギロリと、不気味なほどに血走った目がハオスを捉えた。
 目が血走り、牙を剥き出し、周囲全てに見境なく敵意を振り撒くそれは、理性を失い暴れ続ける〈害竜〉の特徴だ。
 その鋭い眼光は見るもの全てを萎縮させる。
 必然。ハオスは震える体に力を入れることもできない。
 もはやハオスの体は、恐怖で震えているのか、嵐を受けて凍えているのか、それすらも分からない。

 風竜の王族たる〈天王竜〉にとって人間など容易に叩き潰せる羽虫に等しい。
 そして、怒り狂った〈害竜〉にあるのは破壊衝動と殺傷衝動。
 視界に生物が入れば、殺そうとするのが〈害竜〉だ。

「グゥルルゥゥ……」

 〈天王竜〉はその鎌首をもたげ、胸を大きく膨らませた。
 それは全ての竜に共通するとある攻撃の予備動作だ。

 ――――竜の息吹

 それは全ての竜が生まれながらに身に付けている〈竜術〉の中で最も容易に行使できる攻撃。
 御伽噺の中で、あらゆる英雄を屠ってきた単純明快にして最強の〈技〉。

 ハオスは避けられぬ死を目の前に見ていた。
 生きたいと叫ぶ暇も、死にたくないと逃げ出す時間さえもありはしない。

 避雷針の如し長い角に纏っていた雷が消失した。
 空から嵐が散り始め、豪雨の勢いが収まる。
 それに反比例するように〈天王竜〉の口内には溢れんばかりの濁流と雷光が渦巻く。

 ――――ガアァァァ…………

「ひっ……」

 後方から轟くもう一柱の〈王竜〉の叫びを勘違いしたのか。ハオスは頭を抱えて、〈天王竜〉の〈竜の息吹〉に備えた。
 いや、恐れをなしてうずくまった。
 なにも、できなかった。

 〈竜の息吹〉が放たれる直前、よりいっそう光が増し、ハオスをきつく目を瞑った。

 ――竜さえいなければ……

 ――――〈害竜〉さえいなければ…………

 放たれた閃光は、愚直なまでに真っ直ぐに突き進んだ。
 躓きながら霧を抜けた森は濁流に押し流され、生まれてから住んできた村は暴風で吹き飛ばされ、その先にある父と母が冒険者をしていたという街ですら稲妻に焼き焦がされた。

 後に〈星天の王災〉と呼ばれるこの〈竜災〉の被害を受けた街や村に生存者は居なかった。

 ――ハオスを除いて。

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星降る夜の落星の返信 (No: 2)

投稿者 みりん : 0 No: 1の返信

投稿日時:

冬空星屑さん、拙作へのコメントありがとうございます。
お礼になるかわかりませんが、コメントを返させていただきます。

甘口か辛口かご希望がわからなかったので、
辛口でいきます。
よろしくお願いいたします。

まず、タイトルについて。
『星降る夜の落星』で良いのでしょうか。
このタイトルですが、「星降る」と「落星」は同じ意味ですか?
「落星」という言葉を知らなかったのでぐぐったところ、
ゲームや詩歌で使用されている言葉のようですね。
どちらも良い雰囲気があって素敵な言葉だと思うのですが、
意味はどちらも流星、流れ星という意味だと思うので、ちょっとわかりにくいかなーと思いました。
あるいは、流星群の中の流星のひとつという意味なのかもしれませんが、、、
また、なろうやカクヨムで作品を発表するのであれば、
もっと一目見て、読んだだけでストーリーが分かったり、萌えや燃えポイントがわかるようなタイトルにした方が良いかと思います。

あらすじについて。
ちょっとわかりにくいと思いました。
竜は、味方か? 敵か? という部分がきっぱり分かれていないからです。
人間が竜と戦う話なのかと思ったら、竜騎士として人間の味方の竜がいたり、
なぜか主人公を助けてくれる竜がいたり、それが竜騎士に倒されてしまったりするからです。
この世界においての竜というものが上手くイメージできませんでした。
竜が人間を襲う習性をもつなら、どうして竜騎士はそんな竜を操ることができるのか?
例えば、トラをイメージしてください。
トラは人を襲います。けれど、サーカスではトラを操って芸をさせることもあるかもしれません。
けれど、何十頭ものトラを人間が一度に管理できるでしょうか?
隊列を組んで行進をしたり、騎乗したまま敵と戦ったり?
竜を馬と同じように扱うことができるのか? うまくイメージできませんでした。
味方になる竜と、害竜の差は何か?
主人公を助けてくれた竜が殺されてしまった理由は?
(どうして害竜と見分けることができなかったか? 害竜と見分けられないのであれば、騎士団の竜も見分けがつかない?
そんないつ暴れ出すかわからないような危険な存在を馬のように扱えるか?
飼いならせるとすれば、もう害竜と戦える力は失われているのでは?)
この辺りの疑問を解消できるような設定を付け加えた方が良いと思いました。

何が言いたいかというと、最初に言ったように、
竜は敵か味方か? 悪か善か? 脅威か家畜か?
どっちに描きたいのかはっきりさせた方がわかりやすいと思いました。
竜騎士がいる世界観であれば、竜はそんなに脅威に感じない気がするので、
竜騎士同士の戦い、つまり人間同士、国同士の戦争の話のほうがしっくりくるのでは?という疑問。
それらを解消させるだけの説得力のある設定を作ったほうがいいと思います。

本文
> 遠くで轟く音を気にもせず、ハオスは淡々と口を動かしていた。固い黒パンを塩辛いスープに浸し、黙々と。
> 昨夜から続く暴風は、雨を降らさないものの、古くなった家を軋ませる。

もったいぶっていて分かりにくいです。
まず、「遠くで轟く音」が何かわからずうっとなります。その説明がなされぬまま、ハオスが「口を動かしていた」
と続きますが、「口を動かしていた」だけでは意味がわかりません。続いて、「固い黒パン」が登場して、
やっとああ、ハオスは黒パンを食べているんだ、と気がつきますが、冒頭の大事な一文で、二度うっときました。
せっかちな人なら、この段階でブラウザバックしてしまいます。
倒置法を使ってまで印象づける文でもないので、すんなり書けばいいかなと思いました。
三文目で「昨夜から続く暴風」とあり、やっと、一文目の「轟く音」はあるいは雷か?と気づきます。がそれでは遅いです。

私なら

遠くで雷鳴が轟いた。昨夜から続く暴風は、丸一日が経ち再び日も沈もうかという今なお、古くなった家を軋ませ続けている。
しかしハオスは、そんな不穏な天候など気にも留めず、固い黒パンを塩辛いスープに浸し、黙々と口に運んでいた。

とするかな、自信はないですが。
(雨を降らさないを抜いたのは、雨を降らすのは暴風じゃなくて雲じゃないかと思ったからです)

全部目を通してみたところ、うっとつまるところはたまにあるものの読めない訳ではなかったので、冒頭で力んでしまったんでしょうか?
もっと肩の力を抜いて、装飾過多になりすぎないように、読みやすい文章を心掛ければぐっと良くなると思います。

プロローグでは、父はハオスにとって良い役か、悪い役か、どっちにとれば良いのかわかりにくいですね。
どうせすぐに死ぬので、死んで悲しい良い父にした方がわかりやすいのでは?と思いました。

あとは、「序章 第一話」のうちに、続きが気になるようなひきを作るといいと思います。
「逃げるぞ!」と起こされるシーンを一話の最後にもってくるとか……。

というか、一話のほとんどが説明になってしまっているので、
説明部分をカットしてしまっても良いかもしれませんね。
というか、二話から始めても良いくらいかもしれません。
それで、竜が登場してから、害竜は何か読者に教えてあげるのでいいかも。
竜騎士の説明については、とりあえず今のところストーリーと関係ないので
まだしなくても良いのでは、と思いました。

以上です。
私の作品はちょっと心が折れて書けなくなってしまったので、
またいつか上達してリベンジできるようになるまで温めようかと思ってます。

かなり厳しい意見をいろいろと書きましたが、
上達されているのを感じるので、応援しています。
お互い、頑張りましょう

良かった要素

ストーリー

星降る夜の落星の返信の返信 (No: 3)

スレ主 冬空星屑 : 0 No: 2の返信

投稿日時:

 批評、ありがとうございました。
 みりんさんの作品が読めないのは残念ですが、今回は、拙作の話しをしていきます。
 
 まず冒頭ですが、はい。力みまくっています。
 正直、何書いていいのか分からなかったので。
 
 話しは戻りますが、タイトルについてですね。
 この冒頭を書いて少ししてから、この物語の最後のシーンがパッと浮かびました。
 そこからタイトルを考えました。
 『星降る夜』は、嵐が去り雲一つない夜空に今まさに降ってくるんじゃないかと思うほど星が燦然と輝いているというイメージです。
 この『星』というのは主人公にとってのヒロインなんです。いつでも見られるほど側にいるのに、決して触れることができない存在なんです。
 見られるのに決して届かない存在で、自分に向かってか来ているように感じるのに、決して触れられない存在。近づけば、火傷ではすまないほどに、ひとりでに輝く恒星なんです。
 平民と国のお姫様には、決して越えられないと思ってしまうだけの障害があるはずだ、と思っています。
 
 ですが、物語のラストに、主人公が今にも降ってきそうなほど近く大きく輝く星を想う夜、ヒロインは『落ちる』のです。
 
 完全にネタばれですが、何に落ちるかは言わずとも分かりますよね?
 これが『落星』です。
 

 次は竜についてですね。
 
 竜は、規格外の力とその代償、そして人間と変わらない心や魂を持つ存在なんです。
 習性や文化が違うだけの同じ知性ありし存在です。
 言うなれば、竜の姿をした“人”なんです。

 しかし竜は、人間にとって、幾星霜を生きる『賢者』であり、破壊をもたらす『災害』です。
 人間は、竜の言葉を理解することはできません。その理由は、発声器官の差、とかわりと適当ですね。
「ガァー」「グルゥァァ」などを人間が理解するのは不可能ですね。(まあ設定上、理解できる人間もいますが……。そういう特殊能力です)

 人間は、国を守護する竜神を敬い、竜騎士と共にある騎竜と友情を結ぶこともあり、破壊をもたらす〈害竜〉に恐怖と憎しみを抱くこともあります。

 竜は、生まれながらにその種族ごとの言語(地竜語や風竜語など)を話すことができ、〈竜術〉を行使できます。
 この〈竜術〉の元となる〈竜気〉が問題の要素です。
 膨大なエネルギーを含んだこの〈竜気〉は、竜に最強の力と、最悪の代償を与えます。
 一度怒り出した竜は、その憤怒で暴走した〈竜気〉の制御に失敗し、理性を無くして暴れだします。これが〈害竜〉です。
 また、体の一部に竜の特徴を持つが、知性が低く、人間を食用に襲う魔物のような〈亜竜〉という存在もいるため、人間は、暴れる竜をとことん倒していくしかないのです。(竜に限りなく近い姿の〈亜竜〉もいますし、近くで見なければ〈害竜〉の特徴は見分けにくいので)

 想いの強さで(信仰なども含む)奇跡が起きるこの世界で、感情は重要な要素なんです。
 
 竜とは憤怒の象徴。暴れれば災害と化す。
 しかし、知性ある賢者の一面を持つというのが私のイメージ。
 それをうまくこの物語に落とし込みたかったのです。
 
 この世界で、竜が感情を表に出すことはめったにありません。感情の起伏で〈竜気〉が暴走すれば、理性を失い暴れ続ける。それは竜にとって己の死も同然のこと。暴走したエネルギーが尽きるまで暴れ続け、エネルギーが尽きれば死に絶えます。(生気が無くなって、死ぬイメージ)
 だから竜は、感情を抑え、思考に時間を費やすのです。長寿の竜ほど、感情の起伏が乏しく、膨大な知識を持つ『賢者』であるのです。(血の気が多い竜はそうそうに死ぬため)
 
 だいぶ話が飛びました。
 
 竜には一応寿命がありますので、生殖器官もあります。
 そこで竜は決闘をします。
 己の力と知識、智恵を持って何も語らずに決闘をします。
 両想いならば、勝った方が偉い。
 片思いならば、挑んで勝てば、相手をつがいにでき、負ければ二度と挑めません。
 自然に生きる竜ですから、弱肉強食、強いやつが偉いという文化だと思って、こうなりました。
 竜騎士が騎乗する騎竜は、主に二種類です。
 飛竜と呼ばれる比較的大人しい〈亜竜〉を調教したもの(イメージはワイバン)。これなら調教さえできていれば良いのです。
 竜騎士になるには、国の決まりで、〈剣術〉が中級以上とか、〈奇跡〉がこれくらい使える、みたいな条件がありますが、それさえ満たせば調子に乗ったバカでもなれることはあります(貴族の権力とか、コネとか)。
 
 もう一つは、騎竜が産んだ卵から生まれた幼竜と〈契約〉を交わすことです。
 竜に己の力を認めさせ、騎乗の許可を得るのです。〈亜竜〉ではない本物の竜は、生れたての幼竜ですら、中級剣術を使う剣士に負けることはありません。
 この竜に騎乗するのが、〈神都〉などを守る真の竜騎士です。
 竜神の命により、大抵の竜は人間に友好的ですから、〈契約〉を交わすこともできるのです。

 地方にいる〈亜竜〉に騎乗する竜騎士たちにとっては〈害竜〉は十分に脅威足り得ます。

 ですが、竜は長寿ですので、卵の絶対数は少ないため、本当に極僅かしか竜騎士はいません。
 そしてもちろん、〈竜災〉を沈めにくるのは、〈神都〉で重たい腰を下ろしている真の竜騎士ですから、周囲の被害を事前に防ぐのは不可能であり、そんな竜騎士たちがノコノコとなんの成果もなく帰ることも不可能なのです。そして明らかに〈竜災〉の中心にいる竜を倒しにいくのは、必然です。
 先程も述べた通り、人間は竜の言葉を解さないので。
 
 竜神――全ての竜が信仰する竜族最強の神――によって守護されているのが、この国ですので、理性や知性ある竜は基本的に人間に味方します。(襲われれば、竜騎士だろうと撃退する竜もいます)

 
 さて、だいぶまとまっていない文章をずらずらと書きましたが、思ったことをぶつけた感じです。言葉にすると、新たに設定がまとまる気もしますし。
 
 冒頭に戻りますが、これは、〈天王竜〉と〈星王竜〉の闘いが、昨夜から続いていることを示しているつもりです。まあ、力みすぎましたね。
 
 父については、複雑ですね。
 
 私にとって父親は、なくてはならない存在です。亡くなればそりゃ悲しいですし…………。
 しかし、別に父親のことを愛してるわけでもなければ、好きなわけでもないです。
 年上を敬い、生活させてもらってることを感謝もします。もちろん、尊敬に値する人で、人間としても立派です。
 しかし、欠点もたくさんあり、理不尽な存在でもあります。
 私にとって父親というのは、良いor悪いで表せるほど単純な存在ではないのです。
 ただ、この物語の主人公ハオスに、父親はいてはいけない存在です。父親が生きていると、ハオスは成人するまで子供のままでいるでしょう。
 しかし、この物語は、騎士学園を舞台に書くつもりで、その学園は成人した子供たちが入学する場所です。そこに子供であるハオスを入学させても面白くないと私は思いました。
 主人公は平民。まずは小さくとも、周囲と差別化できる何かがなければ、ヒロインの目に止まらないのです。
 

 個人的に一話は、早々に退場する父親を出来る限り出し、またハオスが竜騎士や〈害竜〉、そして村が嫌いだと、説明したいところなのです。
 消滅した村を捨てて、一人立ちしてもらう必要があるため。
 それに少なくとも父親は、ハオスを、自分の子供を愛してる存在だと何となくでも伝わっていて欲しいのです。
 咄嗟に子供を助ける理由としてもそうですし、門衛の仕事を放棄して、街とは反対方向に逃げて、たった二人ででも助かるように、瞬時に判断するように。
 
 
 長くなってしまいました。
 もしかしたら、序章より長いです。
 
 まずは、装飾過多を気をつけていきます。
 お互いに頑張れたら良いですね。
 想うことがあれば、またお願いします。
 
 
 
 

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 だが、〈竜災〉が起きた場所にいたためその竜は騎士団に討伐されてしまう。

 数年後、害竜と竜騎士を恨みながらも、日銭を稼ぐために冒険者になり害竜駆除で生計を立てていたハオス。あるとき、一目惚れした竜を倒したとされる竜騎士の少女と出会った。
 

 あらすじはこんな感じです。
 
 
 力を入れたのは、人間に対する〈七王竜〉という存在の理不尽さ。圧倒的な強さ。
主人公が〈害竜〉を嫌い、〈害竜〉を憎むわけ。
それでも命を救ってもらった竜に一目惚れしたというギャップ(ここはプロローグでは書いていません)

狙いは、なぜハオスが生き残ったのかという疑問を抱いてもらうという点。

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