ボクの転生物語の第4話 全4話で完結
最終話・ボクの転生物語の第4話
作者 白猫 得点 : 0 投稿日時:
「…ラミナス」
「なあに?」
ラミナスは、両手を広げて艶然と微笑んだ。
風に絹糸のような金髪が流れる。薔薇色のほお、煌めく瞳。
はじめに見た残念美人の面影など欠片もない、神々しい姿。
力に満ち満ちた姿に、知れず鼓動が高まった。
あれを倒すのか、僕が?
神に逆らう反逆の徒となることに怯み、僕は視線を彼女からそらした。
「殺されたくなかったら、これからはもう力を振るわないことを誓え、よ」
「あら、優しい。けれど、それは無理というもの。人の子が、生き物を殺し、食べ、生きると同じように、私が力を振るうことは、空気を吸うように当然のこと」
「…それはっ、ちがう…」
「同じよう?いえ、一つ違う点は、私が、再生と破壊の神であるということ。破壊なくして、再生はありえない。自然の流れを悲しむのは、情に縛られた人の勝手というもの」
ルミナスは宙から剣を取り出し、一振りする。
僕の横を斬撃が走り抜け、振り返れば、そこには何もなかった。すこし前までいた、エルフも。狼男も。
「あらあら、生ぬるいことを言ってるから、たくさん死んじゃった。人の子はこういうときどんな感情を抱くのかしら?」
許せない。彼女を許してはならない!
一気に距離を詰め、矛を振り下ろす。ルミナスに剣で阻まれたが、その力は思いの外強くなかった。
女神殺しの矛。
その意味を知り、いけると心の中で呟く。
殺せ、ルミナスを殺すのだ。
殺せ、殺せ、殺せ!
ルミナスの剣を掻い潜りながら、矛を振るう。女神が目の前で少しずつ切られていくのを恍惚とともにみながら、必勝の一撃をうかがい、そのときは訪れた。
「ルミナス滅せよ」
三人の若者が、ルミナスの手足に絡みついたのだ。
「今だ!俺たちもろとも殺れ!」
矛は彼らごとまとめて、ルミナスを貫いた。その瞬間ー
ルミナスが笑った。
「あーあ、殺しちゃった。私を、神を。摂理の一部である、この私を。それが何を意味するか、思い知れ」
「?…な、なにを」
僕は体中が熱くなるのを感じた。力が流れ込むのを知る。
「神の力は、お前に移る。そうして、お前は神となる」
「なにを…」
「もうこれで、私は誰も殺さなくていい。ああ、嬉しい」
呆然とする僕に、ルミナスは恍惚と微笑んだ。
「ありがとう。そして、これからは」
君が人の子を殺せ!
「お前を倒して、この