僕と君の約束の第2話 全10話で完結
僕と君の約束の第2話
作者 厨二病? 得点 : 0 投稿日時:
死にたい。誰からも必要とされていない僕は死んだほうがいい。死のう。僕はそう思いながら横で車が走る歩道を歩いていた。僕は冬輝青星。高校一年生だ。僕は親から虐待を受けていた。学校でも友達はいず、一人だ。僕は、心臓癌だ。僕の余命はあと一年しかない。親もいない。父は事故で死んで、母は虐待の罪で刑務所にいる。家に帰ると母がいて毎日僕を殴ったり、蹴ったりしてきた。僕は男でも相手は大人、だから勝てはしない。そんな日々を送っていて、僕はある日母に言われたのだった。
「お父さんじゃなくてお前が死ねばよかったのに、、このクズ野郎っ!ささっと出てけ」
これは今まで言われた中で一番最悪な言葉だった。父は僕が中学1年生のときに事故で亡くなった。そこから母がおかしくなり、毎日毎日怒るようになった。母は全く仕事をせず、僕がバイト(年齢を嘘ついて)をしてすべて自払で払っている。そんなことを言われ僕の中が真っ白になった。何も思わなかった。そして、中学三年の初め頃に母が虐待の罪で逮捕された。その後僕が警察から事情聴取を受けている際に急に倒れて病院に急遽搬送されて、病気が発覚した。医者によると重度のストレスと健康状態が悪かったという理由だ。それから検査などをたくさん行った。だが病状は変わらず、高校一年に入った時、余命があと一年しかないと告げられた。助かる方法は一つしかない、だれかの心臓と取り替えなければ1年後僕はいない。そんなことで僕は自分が嫌になり、どうせ病気で死ぬんだったら自ら命を絶とうとしていた。車が自分の前をビュンビュン走っている。この中に突っ込んだらどうなるんだろう。、そんな事を考えていた。別に悲しくはない、怖くもない。ただ死にたい。そんなことで僕は道路に足を運んだ途端、自分の手が勢いよく引っ張られた。
「君っ!何してるの!?」
そこにいたのは同じクラスの夏輝琴織だった。僕は今日初めて喋った。
「、、、別に、ただ死のうとして、、」
そんなことを小声で言った僕。そして
パシンッ
びっくりした。自分の頬から大きな音が聞こえた。前を見ると彼女が怒ったような顔で手を上げていた。痛い、、。でも母の痛みとは違った。
「なんでっ!君は他のこのことを考えたことあるの!?他の子はね生きたくても生きれない子だってたくさんいるんだよ!?なのに、、なのに、、君はまだ生きれるのにっ自分の命をそんなに軽く扱っちゃ駄目だよ!、、、、なにかあったの?」
彼女は怒っていた。当然だ。僕よりもっと深刻な子はたくさんいる、、。わかっている、、。でも辛いんだ、、。僕は初めて自分のことを他人に話した。
「そうだったんだ、、、。ごめんね私急に怒って、、」
事情を知った彼女は僕に謝った。
「大丈夫だよ、、君が言ったことは100%正しい、、」
雨が降ってきた。顔に雨の粒が当たる。叩かれた頬に当たると少し痛い。
「私と約束してくれる、、?」
彼女はずっと下を向いていた僕を覗き込んで言った。
「何、、、、、、?」
僕が言うと、、彼女は元気に
「生きて」
そう一言言うのだった。
「生きて、、って、、、、、、、、」
ツゥーー
僕の頬になにか冷たいものが通った。雨ではない。気づくと僕は泣いていた。初めてだった。『生きて』と言われるのが、、嬉しかったし悲しかった。僕はその彼女の一言に答えた。
「ありがとう、、。生きるよ」
あと一年。余命の一年を生きる、、。それを彼女と約束した。
「君、、家ないでしょ、家来る?」
彼女は濡れた髪を触りながら言った。
「君がいいんだったら、、、。」
そう言って、僕は彼女の家に上がらせてもらった。
「親は、、?」
女子の部屋に男子を上がらせるのは流石に親は許さないだろう。
「私、親がいないんだ!どっちも小学校6年生のときに事故でなくなってね、、今は親の保険金とか補助金で生活してるんだ。まぁ少しバイトもしているんだけどね」
そうなのか、、失礼なことを聞いてしまったなと自分に後悔した。
「お風呂入っていいよ、、パジャマここ置いとくね」