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君との幸せ第6話 全8話で完結

君との幸せの第6話

作者 むりんぺ 得点 : 0 投稿日時:


「すみません、、神埼様という方は今日ご予約はされていないようです。どうしますか?」
そういったのは僕たちが今日泊まるホテルのカウンターの店員だ。彼女は、、、椅子で待っていた僕を申し訳無さそうに見つめた。
「あのっ、、、ごめん、、予約してなかったみたい、、でそれなんだけど今空いている部屋があるんだって、、だからそこでも、、」
「別にいいよ誰にだって失敗はある。それに部屋があるんだったら問題はない」
僕は冷静に彼女に言った。そうだ別に部屋があるんだったら問題はない。
「いや、違くて、、、、部屋一つしかないんだって、、、、、」
「は、、?」
僕は意味がわからなかった。部屋が一つ、、?これは大問題だ。さすがに男女で同じ部屋は、、ていうか男女で旅行に来ている時点で問題だが、、。と自分の心の中で突っ込んだ。いやいやいや、、、
「ほんっとおおおにごめん。ほんとに!!今回だけだからっ!」
彼女は手を合わせて僕に頭を下げた。今回だけと言ってももう絶対に彼女と旅行なんて絶対にしないと今僕は誓った。
「まぁ今回は仕方ないね、、。しょうがない一つの部屋でいいよ」
断ると言ってもここ以外に今から行ける場所がなく結局、野宿となってしまう。それだけは絶対に嫌だ。だから僕は彼女と一つの部屋に泊まることにした。
「うわぁ〜広ぉーー!!すごいねぇ」
彼女は目をキラキラに輝かせてこちらを見た。
「広いね」
それはそうだ。ここは結構大きなホテルだから。と冷静そうに見えて僕は今すごく緊張している。彼女の方を見ると笑顔で荷物をいろいろ取り出している。そしてご飯を食べ終え、二人でお菓子を食べながら話をしていた。
「ねぇそういえばさぁなんで君は私のこと君って呼ぶの?」
「君こそ僕のことを君って呼んでるじゃないか」
彼女の何気ない質問に僕は呆れた。
「じゃあ逆になんで君は僕を君って呼ぶのさ、、ちなみに僕は人を名前で呼んだことがないから、だけど」
僕は今まで人を名前で呼んだことがない。だから名前で呼ぶことができないのだ、、。彼女には申し訳ないけれども、、。
「君の名前が呼びにくいから!」
失礼だな。僕は心のなかで突っ込んだ。
「ていうか僕の名前知ってたんだ。」
彼女は知らないから呼んでないとずっと思っていたのだが、、
「えっ?安藤輝くんでしょ?こうってなんか呼びにくいっていうか、、クラスメイトなら名前知ってて当然だよ!!」
彼女はまるで当たり前のように言った。まぁ確かにそうだな。そんな感じでどっちも眠くなったので寝ることにした。夜はあっという間に過ぎて朝になっていた。

第五章 感動と絶望
「おはよぉねむぅ」
彼女はボサボサの髪の毛をかきながら僕に挨拶をした。
「おはよう」
僕も眠くてあまり朝から話すことはできなかった。
「そういえば今日は何するの?」
沖縄に来た理由は星空だ。今日一日夜まで何をするのか、、
「うーん、、、えっとね何もしない」
寝ぼけていっているのか本当なのかはわからなかった
「ほんとに?それなら寝ていい?すっごい眠いんだよね」
僕は冗談を期待してコーヒーを一口飲んだ。
「いーよ。今日は予定ないし夜の7時まで暇だから。それに私も寝たーい」
「ゴッホッゴッホホントなの!?」
僕は飲んでいたコーヒーを吹き出しそうになりながらもそれが本当のことだということを知った。そして僕たちは7時まで寝ることにした。
「ねぇねぇ!!起きて今星すっごいよ!!」
「え、、」
僕は寝ていたのに起こされた。彼女に言われるがままベランダに出ると空一面に星空が広がっていた。決して沖縄以外では見れない景色。僕は一つ一つの光の輝きを見た。
「うわぁすっご」
僕は初めて感動した。このホテルを選んだのは星がベランダから見えるからなのか。
「すっごいねー」
彼女はキッラキラの目をもっと輝かせて星を見ていた。その夜は二人でずっと星を見ていた。
「ふぅー帰ってきたどー!!!」
彼女は最初の集合場所で疲れたような口調で言った。
「帰ってきたね」
僕は疲れすぎて息切れをしていた。
「今回はありがとね!ほんとうに楽しかった。じゃあまた明日図書館で会おう!」
そう言われて僕も
「ありがとう」
と答えた。家に帰り、布団にダイブした。今日は疲れたから早めに寝ることにした。次の日疲れながらも図書館へ向かった。そこには彼女の姿はなかった。10分待ってみたが姿は見えず。ラインをした。『今日なんかあった?』と送ると10秒もたたずに既読がついた。ピコンッ『ちょっと病院来てくれる?』と送られてきた。何かあったのか心配になり、すぐに病院に向かった。そこには入院姿の彼女がいた。
「え、、なんで?」
そう僕が聞くと、、
「実はね昨日帰ったあと家で倒れちゃって病院に行ったら入院が必要だって、、約束してたのにごめんね。」
彼女は昨日とは全く別人のような元気の無さだった。
「全然、、それより体調は大丈夫なの、、?」
僕が聞くと、、
「ほんとはね、、体調、、良くなるどころかどんどん、、悪くなっていったの、、それで余命があと半年もないんだって、、なんんでだろう私はただ、、、ただ、、君と楽しく過ごしていたかっただけなのに、、それでね、、少しでも余命を少しでも伸ばすために手術をすることになったの、、明日、、お願いだから、、明日少しでいいから来て、、最後の私のわがままだからっ!お願いっ、、、、」
彼女は泣いていた。僕も泣きそうになった。あと半年、、それしか僕と彼女が一緒に過ごす時間はない。僕はその場で約束をした。
「絶対に来るよ、、、、明日、、君に会いに行くっ」
今にも泣きそうな声で僕は彼女に言った。手術に成功すれば、、また彼女といられる、、そう願った。そしてそれを報告に彼女とのことで一番お世話になった母に話に来た。母の名前の書かれた病室のドアを開けると、細った母の姿があった。僕の姿を見ると母は突然に、、「ごめんね」といい、
「お母さんね、明日から無菌室で過ごすの。だからもう会えなくなるかも、、それでその後手術するんだけどね、、手術もしかしたら失敗するかもしれないって、、先生が、、。   。もし私が死んでも絶対に泣かないでね、、約束。あと奈々ちゃん、、絶対に幸せにしてあげなよ、、」
「え、、、、、」
母は泣きながら言った。突然の報告に僕は言葉が出なかった。どうして、、突然過ぎた。なんで僕にはこのような不幸が続くのか、、。僕は悲しかった。今まで以上に。明日、、、彼女の手術と同じ日だ。どうして、、なんで、、。こんなことを自分に聞いても無駄だ。そう思い、今でも泣きそうな顔で母を見つめた。そうして一つの最悪な問いが僕の頭の中に浮かんだ、。それは、、明日彼女のところにいくのか母のところに行くのかだ、、、。僕は迷った。今まで以上に迷った。迷いすぎて頭がおかしくなるぐらいに。彼女とはさっき約束をしてしまった。だが、、、母とはもう一生会えなくなるかもしれない。でも彼女の手術は、、失敗する確率は低い、、僕は今答えを出さなきゃと一生懸命考えた。その結果、、
「                          」
悩んだ末の結果だ。僕は叫びたいほどに頭の中でいっぱい謝ったし、言い訳もした。そして家に帰り、眠れない夜を一人で過ごした。そして朝、僕は結局眠れなかった。そして病院に向かった。足が重い。今でも昨日の判断を考え直そうか悩んでいる。だが自分が決めたことだ。そう思い、重い足を引きずりながら病室に向かった。
ガラッ!
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