君との幸せの第7話 全8話で完結
君との幸せの第7話
作者 むりんぺ 得点 : 0 投稿日時:
「来てくれたんだっ!」
そこには僕の選んだ彼女がいた。昨日母との最後の会話、、『僕にとって、、お母さんは大切な存在だ、、できることなら母と一緒にいたい、、っ。でも明日彼女は手術があるんだ、、彼女とはそれが最後になるのかもしれない、、っそして彼女はあんなに毎日、、笑顔だったのに泣いて、、泣いて、、僕に明日来てねと言われた、、ごめんだから明日、、お母さんのところへはいけない!』僕は悩んだ末そう答えた。母はそれを聞いて、笑った。そして『ありがとう』と言って終わった。
「ああ。来たよ。」
改めて彼女を見た。朝日に照らされている彼女の笑顔はすごく綺麗だった。それから僕たちは時間も忘れて何事もなかったように話をした。楽しかった、、だが時間とは過ぎるもの、、
「神埼ちゃん、、もう時間だよ、、」
看護師さんがこっちに向かっていった。もうそんな時間か、、、
「そうだ。君の家族はいいのかい?来ていないみたいだけど、、」
不思議だった。もう手術だと言うのに家族が来ないとは、、、
「お母さんたちには今日は絶対に来ないでって言っといたの!だってせっかくの二人っきりの時間邪魔されたくないもん!」
そういうことか、、と僕は理解した。そして彼女は僕に言った。
「君とはこれで最後になるのかもしれない、、だけど、、またいつか巡り合う、、なんせ私達は運命共同体だからねっ!でも私は君にまた久しぶりって言いたい。君に大好きだよって言いたい。君に、、明日もその明日もまた後でねって言いたい。言えるかなぁ?」
彼女は少し意味がわからないことを僕に言った。でもその意味は僕はしっかりわかる。
「奈々ちゃん、、」
看護師さんが彼女に声をかけた。もう時間みたいだ。、、僕は何も彼女に言えないまま時間が過ぎていった。彼女は看護師さんにつれられ、病室を出ようとしていた。どうしよう、、何も言えないまま、、
「私は君のことが好きだった、、どうしても全部なくしてもいいから君と死ぬまでずっと一緒に生きたかった、、、」
そう考えていたら彼女の泣き声と言葉が聞こえてきた。僕は最後の力を振り絞って泣きながら彼女に言った。
「僕は奈七といられて幸せだった。奈七とずっといられるんだったら何を失ってもいいくらいだった、、、、奈七!!愛してる!また後で!!」
僕の言葉に彼女は泣いた。でもそれ以上に笑顔だった。僕はその笑顔で、病室を出ていく君の後ろ姿をただ見つめているだけだった。
「、、、、、、、、、、、大好き、、愛してる、、、じゃあね輝くん!、、、、、。。。またあとでね!!!、」
________________それが彼女と話した最後の会話だった_________________
第六章 君からの手紙
彼女の手術は失敗した。僕は誰もいない彼女の病室をみていた。
「また後でって言ったのにっ、、、、、、、、、、、、、、、、、、、」
一ヶ月ずっとその事を考えてばかりだった。毎晩泣いた。しかし母の手術は無事成功した。そして今も入院しているがもうしばらくしたら退院できるようだった。手術の後、彼女の手術での死を知った母は、来る日も来る日も泣いていた。なんで自分だけが成功して奈々ちゃんは失敗して死んじゃったのって毎回毎回、、それを見ているのが辛くなった僕は母のところにいけなくなった。彼女の病室で今日も座ってぼーっとしていると、ある人が病室に入ってきた。
「君は奈七の彼氏さん、、、?」
彼女の家族だった。お父さんとお母さんどっちもひどく目が腫れていた。
「はい、、。安藤といいます、、。」
「あっ安藤くん、、奈七のことについて話があるんだけどいいかしら?」
彼女の母はそういった。
「、、、、、、、はい。。」
僕は小さな声で答えた。
「ありがとう、、あの子ねこれを自分が死んだら彼に渡してほしいって、、あの子ねふふっずっと家でもあなたのことを話してたのよ、、」
と緑色のノートを渡された。題名は『愛する人へ』と
「見てくれるかしら、、」
そう言われて、僕は力なくノートを開いた。
愛する人へ
君がこれを見ているということは、きっと私は君の横にいないはず、、これは君向けの手紙だよ!愛する人へ、、君のことだからね!君!安藤輝くんっ。まぁこんなことは置いといて、最初に言います。私は君といられてほんっとうに幸せだった。嘘じゃないよ!私はね君と出会えてよかった。これもまた運命だね!この前の旅行、、の時話した名前のことなんだけどねほんとは呼びにくいからってわけじゃなくて恥ずかしかったの、、好きな人の名前呼ぶのって恥ずかしいんだよ!それに名前は君から言ってほしかった、、いつか君から名前を呼んでくれたら私も呼ぶって決めたんだ!だからあのときは嘘ついちゃった。星空きれいだったねぇー。私はめっちゃ感動した。君はどうだった?なんかめっちゃ書こうとしてたけどあんまり書くことなかったよ!ノート一冊使ってまで書いたんだからねちゃんと大切にしてよ!!。そして笑って、泣いて。なんかドSみたいになっちゃったね。もう君は泣いていると思うけど。君は俄然にして笑わなかったし、泣かなかったよね。君は心ではどう思っているのかは私にはいつもわからなかった。だから笑って!私が今までお手本見せてきたでしょう!私が今で笑った分君にも笑ってもらうし泣いてもらうよ!君が私のために笑って、泣いてくれるたと思うとそれだけで嬉しいの!だから、、いっぱい笑って!いっぱい泣いて!そんで、、最後!大好きだよ!言葉は伝えきれないほど好き。君と過ごしているときは病気なんて忘れるほどだった。君の優しさが好き。君のおもしろさが好き。君の、、すべてが好き。君と過ごした時間はすべて思い出だった。でもやっぱ一番の思い出は、、君との幸せだよ!私に出会ってくれてありがとう。私に好きって言ってくれてありがとう。最後に、、私を好きになってくれてありがとう。
神埼奈七より
ポタポタ
読み終わったときにはあふれるほどの涙がノートに広がって滲んでいた。目にも涙がいっぱいで視界がぼやける。、、、俺の方こそきみといられて幸せだった。
「ゔゔゔゔああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
僕は叫んだ。今までの悲しみをすべて吐き出すように泣いた。君のために。、、