君との幸せの第3話 全8話で完結
君との幸せの第3話
作者 むりんぺ 得点 : 0 投稿日時:
彼女はまたいつもの太陽のような笑顔になった。
「こちらこそ。よろしく、、」
僕のこれからの2年間、彼女の残りの人生、、このあと彼女と解散したあとに母のところへ戻った。花瓶を片付け、さっきあったことをすべて話した。
「そうだったのね、、、これからは私のことはいいから、、奈七ちゃんと一緒にいてあげなさい、、、。お母さんとの約束ね」
お母さんは悲しそうな嬉しそうな顔をして言った。
「ああ。わかったよ」
僕はその条件を飲み込んだ。母との約束、。彼女は医者と話があると言ってここに来たらしい話のあとに急いで行っていた。大丈夫なのか、、?それに時計を見ると、とっくに7時を過ぎている。僕は彼女にラインをした。『時間結構遅くなったけど大丈夫?』送ると一分ぐらいで既読がついた『全然お母さんたちには言っといてあるから!ありがとう!!!』それならよかった。そして僕も帰ろうとした時、、ピコンッ、、携帯のラインの通知音がした。見てみると、、『君に報告だ!学校の放課後は毎日必ず図書館に来ること!わかった?』その文章には絵文字などが使われていてすごく元気だった。僕は迷わず、、、『了解』と送った。特別長かった一日ももう終わりだ。僕は彼女とゲームのラインをしながら家へと帰った。
「ねぇ君!今日私目あったから手振ったのに無視したでしょ!!」
放課後の図書館で彼女は怒ったような口調で僕に言った。
「いや、、無視してないよ」
僕はただその時は次に授業の支度をしようとしていたから、、なんて嘘っぽいことを言ってもしょうがないと話題を変えた。
「ねぇあのさ僕と君が一緒にいるってたって、、なにするの?」
僕の急な質問に彼女はう〜んと頭を抱えて考え始めた。
「そうだねぇ〜。休みの日はどっか遊びに行くとか?毎日ラインするとか?ゲーム一緒にやるとか?」
「いいけど、、君は他の子と遊んだりしないの?」
今度は考えずにパッと言ってきた、、
「私は、君がいいの!」
それならいいんだけどと思った。
「じゃあさ!今週の土曜日猫カフェ行こうよ!」
猫カフェ、、?
「お金は私が出すから!!お願いします!」
「え?いや行くことはいいんだけど、、てかお金は自分で出すよ」
お金を出されるなんてお母さんに怒られるしそんなんしてたら彼女のお金がなくなる、、、。
「土曜日じゃなくて日曜日じゃだめかな?僕土曜日はバイトがあるんだ、」
「君バイトしてたの!?それならなおさら私が出すよ!!」
彼女は申し訳無さそうな顔で僕に言った。別にバイトをしていてお金に困ってるってわけでもない。逆に遊ぶこともしてないからお年玉も全部残っている。なんせ減らしたいぐらいだ。 ただバイトは暇だからやっているだけだ。それに土曜日だけでも母に会いに行くという約束をしたのだ。
「いや、本当に大丈夫だから。」
僕が言うと、、、
「ならいいんだけど、、じゃあ今週の日曜日に猫カフェね!集合場所は学校でいいか!!時間は、、10時で〜いいかな?」
「うんわかったよ」
僕が返事をしたら、また彼女は何かを考え始めた。
「ねえ!ラインって何時までできる?」
「僕は何時まででも、、」
なんかもう少し難しい質問かと思っていたがそうでもなかった。
「あっ!!!やばい!病院にいかなきゃ!!ごめんねあとでまたラインするーーー!」
普段は静かな図書館では今ではどんなにうるさくしてもいい。だってさっきまでは彼女と僕しかいなかったからだ。その特別さに僕は知らない感情を抱いた。
次の日の放課後も今日のように夏にしては涼しい図書館で二人で話していた。そして暑いバイトを終わらせ母に会いにそして彼女と約束した日曜日となった。
「ごっめーん!遅刻したぁ!!」
約束事には毎回遅刻するのが彼女のクセらしい。歩きながら猫カフェのことについて話していた。
「猫カフェってねぇ猫がいっぱいいるんだよ!!!!」
突っ込んでほしいのか、わざとじゃないのかは僕にはわからないが一応突っ込んであげた。そして結構でかい店の猫カフェに到着した。そこにはかわいい猫たちがたくさんいた。彼女はキラキラに目を輝かせて猫を見ていた。一匹の猫は彼女にべったりとくっついていた。そんなことで彼女が大笑いしていると、
「神埼、、、?」
急に学校で聞き慣れている声がした。そこにいたのは、同じクラスの山田翔だった。彼の後ろには家族がいた。多分家族と一緒にこの猫カフェに来たのだろう。彼は彼女並みにみんなから好かれていてクラスのリーダー的存在だ。そんな彼たちを僕は、いつも見ていた。彼女の方を見ると少し焦っているような感じだった。それはそうだ。クラスメイトに僕と猫カフェにいたということが知られると変な噂を流されるに違いない。これに関しては僕も少し焦った。
「なんで、、神埼とこいつが一緒に猫カフェにいんのか?付き合ってんの?」
彼も少し焦ったような感じだった。それは僕にはわかった。もしかすると彼は彼女のことを好きなのかもしれない。これで変な勘違いをされたら確実に敵に回される。
「えっとね!この人はね!私の幼馴染なの!!うん!、、そんで一緒に来てるみたいな!。」
少しわかりやすい嘘だが、彼はホッとしたような顔で、、
「そうだったんだな!じゃあな神埼!また学校で話そうな」
彼は用が済んだように帰っていった。僕と彼女は同時に、、
「「よっかた」〜!!」
そう言ってもう少し猫と遊んでから昼ご飯を食べに店に入った。
「さっきはほんとに危なかったねぇ〜」
彼女はいつ頼んだのかわからないメロンソーダを飲みながら僕に言った。
「そうだね。勘違いされたらちょっと面倒なことになるもんね」
僕はお腹が空いたのでオムライスを頼んだ。そして彼女も明太子パスタを選んで頼んだ。
「じゃあもし勘違いされて、、学校に広まったらどうする?」
彼女の何気ない質問に、僕は少し考えてから言った、、。
「幼馴染だって言う、、とか?」
僕の曖昧な答えに彼女は、、
「そうだね!!まぁバレたりなんかしないよね!」
そしてタイミングを見はらかったかのように、タイミングよく、オムライスと明太子パスタが来た。それから少し話して解散した。
その次の日学校に行っていつもと変わらない放課後は彼女と話して、夏休みに入った。土日はたまに遊ぶみたいな生活が続き、一ヶ月くらいが過ぎた9月彼女と出会ってから3ヶ月が過ぎた。彼女と出会ってから時の流れが早くなった気がする。そんな日々を送っていたある日、放課後彼女から一つ話があると言われた。
「私、、、君のことが好きなの!、、、一緒にいて楽しいの!、、、よかったら付き合ってください!!!」
いきなりだった。急だった。告白された経験がない僕は少し嬉しい気がした。それに僕は彼女といて楽しく、OKしてもいいんじゃないかと思ったけれど、、少しまよいはじめた。その結果、、、、、、
「ごめん。僕は君を好きにはなれない、、、、、、」
断った。理由はあの男、、山田翔だ。付き合えば必ず噂は広まる。そして、彼にも噂は伝わるはず。そうなったら僕にも危害が及ぶかもしれないしなにより彼女だ。彼女が一番危害が加わる可能性があるからだ。その考えがあって断るしかなかった。彼女は悲しい顔で
「わかった。ありがとう」
と伝えてそれから姿を現すことはなかった、、学校でもラインでも、、ここ一週間くらい彼女を見ていない。もしかしたら僕の言葉に傷ついてしまったのかもしれない。そう思い彼女を探した。まさかとは思い、病院へ向かった。
「えっ、、、、、?なんで、、、」
やっとたどり着いた先には入院している彼女の姿があった。悲しげな顔で2階まで葉っぱが見えるほどの木をずっと見ていた。
「あれ、、?君こそなんでここにいるの?」
彼女は息切れた僕の顔を見ながら嬉しそうな、そして、少しびっくりしたような顔でこちらを見た。
「だって、、、君ここ最近学校にも来ないしラインも、、、どうしたの?」
走って疲れたのか、久々の会話で緊張しているのか少し声が小さくなった。
「実はね、、少し体調が悪くなって、、そんで携帯壊れちゃったんだよね。川に落としちゃってさ、、、でもあと3日で病院を出れるし、、大丈夫だよ!先生も、もう大丈夫だって!」
久しぶりに見た。彼女の笑顔。夕焼けの光が彼女を照らしている。
「良かった、、、。じゃあまた明日も来るね、、、、、じゃあまた明日」
「うん!またあとで!!」
なんで明日なのに後でと言ったのか僕には少しわからなかった。扉を閉めて、病院から出た。
「おい!お前なんで断ったんだよ、、、!!」
病院から出てすぐにありえない姿が見えた。それは山田翔の姿だった。
「なんのこと?」
動揺してもそれを隠して答える。
「奈七のことだよ!俺は、見てたからな奈七がお前に告白しているところをそんで、、お前が振ったところをだ!!なんで、、?お前のせいで奈七は学校に来てないんだぞ!責任持てよ!!」
彼は怒っていた。そして悲しそうだった。好きな人、、たった一人の自分の好きな人がこんな影のような、僕のことを好きになったんだ。彼は怒って正解だ。だがそれにはすべて理由があるのだ。
「だから何なんだ、、、彼女は熱が出ていて休んでいるんだ。それを君の思い込みで僕のせいにしないでくれ」
僕は少し怒りを感じた。なぜか彼が彼女のことが好きなのが気に食わない。
「だからって、、、断ることはないだろう!俺は奈七に幸せになってほしいんだ!幸せにできるのがたとえ、、おれじゃなかったとしても!!」
僕は勘違いしていた。彼はなぜ彼女が僕のことを好きなのかをずっと聞いていたと思っていた。だが違った。彼はなぜ彼女の告白を僕が断ったのかを聞いていたのだ。
「お前、、、好きなんだろ!奈七のこと!猫カフェであった時お前、、、ずっと奈七のこと見ていたぞ!!学校でもな!!本気の気持ちを言えよ!」
それを聞いて少し沈黙が続いた。そして
「ありがとう、、、じゃあ、、」
僕は決心した。僕は彼女のこと、神埼奈七のことが好きなのだ。明日あったら言おう。ちゃんと自分の気持ちを彼が自分の気持ちを捨ててまで気づかせてくれたんだ。彼女の笑顔が好きだ。彼女の優しさ、すべてが好きだ。僕はこの3ヶ月間彼女のことが好きだったんだと今自覚した。
「ねぇあのさ、、話があるんだけど、、いいかな?」
放課後いつもは図書館にいるはずの時間、、僕は彼女の病室にいた。
「いいよっ!なんだね?」
彼女は僕が持ってきたシュークリームを食べながら言った。
「僕は君のことが好きだ。」
独り言のように小さな声でつぶやくと、彼女はとてもびっくりしていた。
「え、、、?君が、、?私のこと、、、、、?そんな、、だって私に事好きになれないって、、」
「あれは、、嘘だ。僕は、、君のことをずっと好きだった。」
顔がどんどん熱くなっていくのがわかる。さっきよりも声は大きくなったが、まだ小さい。外が静かでよかった。
「え、、っ!じゃあ付き合ってくれるの!?」
彼女はかつてにないほどにキラキラの笑顔を見せた。
「ああ。付き合いたい。」