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灰空ときどき死神〜ぼくが生きた7日間〜第2話 全4話で完結

灰空ときどき死神〜ぼくが生きた7日間〜の第2話

作者 玉子 得点 : 0 投稿日時:


「君の命が、もう少しで終わる……そう言ったら、どうする?」
 ――屋上で出会った男性が、そんな言葉を投げかけてきたのは何時だろう?

 ヒトミが、初めて「その人」を眼にした時。第一印象は『儚げな人』だった。
 まるで、絵本に出てくる王子様みたいな。……いや、顔はそこまでじゃなかったけれど、何というか纏ってる雰囲気が? 白いガウンを着て、夜中の屋上に佇んでいる様は、落ち着いた大人みたいな様子で。
 ……どこか神秘的で、妙に気になって。

 ――だからこそ、ヒトミは元気よく声をかけた。
 正直言って、彼の佇む姿は、割と不気味だった。ちょっと前まで普通に学校に通ってたのに、突然『命に関わる病気』とかで入院する事になって。不安を抱えていたところに、そんな雰囲気を見せられるなんて、堪ったものじゃないと思ったから。それを払しょくするために、わざと明るく声をかけたんだ。

 きっかけは、そんな小さな事だった。
 そこからは毎日、彼と同じ時間に会って、話をするようになった。
 ……その中で思った事だけど、彼は結構『ものを知らない』のだ!
 見た目ばっかり成長してて、中身はかなり子供っぽいというか。最初に感じた大人な雰囲気は何だったんだろう、って感じで。ただ、だからヒトミが学校の話をする時、興味深そうに聞いてくれるのは嬉しいし、楽しかったのかもしれない。
 ……強いて言えば、ヒトミが毎日着る服に四苦八苦する中、彼は毎日同じ白いガウンを着てたのは、ちょっぴり気になって不機嫌だったけれど。そんな面白い出会いに比べたら、ほんの些末な問題だった。

 ……そんな日々の何時か、だったと思う。
 ヒトミが『もう少しの命』だと、彼が宣告してきたのは。

 ――そして『彼』は、初めて自分の事を教えてくれた。
 患っている病気のこと、自分には黒いモヤが見えること、病院内でのあだ名のこと。

 ……それを全部聞き終えた時、とにかく心臓の音がうるさかった。
 自分では冷静なつもりでも、身体は必死に空気を取り込もうと、呼吸を繰り返していて。乾いた空気で、喉が渇いて、それがやけに痛くて。ヒトミの頭は、吐き出す息みたいに真っ白になっていた。

『死神さん』が、表情の読めない顔で覗き込んでくる。
 ――ヒトミの手術の日にちは、もうすぐそこまで近付いていた。

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