「ふり仰ぎ坂上り切る星月夜」の批評
回答者 イサク
おはようございます。
『(振り返らずに)顔を上げて坂を登り切った』という句として受け取りました。コメントを見てびっくりでした。
◆【ふり仰ぐ】:顔を上へ向けて高い所を見る。(デジタル大辞泉より)
つまり、句にはコメントの「振り返りつつ」の意味が明確には入っていません。
複合動詞「ふり仰ぐ」の「ふり」に「顔を動かす」という意味があるので、直前には別の場所を見ていたというニュアンスが入ります。普通は「目線の高さや下方を見ていたところから上を見た」という意味で使われていると思います。
深読みすれば『(歩いてきた坂の)下方を見ていたが、空をふり仰いだ』と受け取れなくもないですね。想像の余地を残す意味ではアリかもしれません。
◆「仰ぎ(見る)」のが「坂」であって、「星月夜」でなくてよかったと思います。「(空を)仰ぎ見る」という当たり前の説明は回避できています。
ご本人の狙った句意ではなさそうですし、複合動詞ふたつを自分の動作で使っている報告・説明感は気にはなります。
が、五音の複合動詞同士の微妙なバランス感覚もあり、提案句でそれを保つものができなかったので、一旦このままで。
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振り返りつつ歩んできて、そろそろ頂に差し掛かるかなあと思いました。
この先は峠を下らずに星を見ていたいところです。