「おお怖し流れ逆らい泳ぐ君」の批評
回答者 なお
東野宗孝さん、こんにちは。
御句拝読しました。動詞の問題よりも、私は上五の「おお怖し」が気になりました。一つには、俳句ではあまり直接に作者の心情を吐露するよりも、光景を描写して、読み手に「ああ、それは怖いだろうなぁ」と想像させるほうが深みが出るという点です。
もう一つは、この怖いのが、流れに逆らって泳ぐことが怖いのか、そんなことをする君が怖いのかが、わからないことです。そこは想像してください、と言われればそれまでですけど、できれば作者と同じ気持ちになってもらいたいと思います。
前者の怖いであれば、
・急流に逆らい岩場泳ぐ君
後者の怖いであれば、
・急流を泳ぐと言ひて聞かぬ君
よほどこの方は流れに逆らって泳ぐのがお好きなのですね。お気をつけて!
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「逆らい」を辞典(weblio国語辞典)で調べると、次の説明が出てきました。
「逆らい:ワ行五段活用の動詞「逆らう」の連用形、あるいは連用形が名詞化したもの。」
名詞化したものとすると、この句の動詞は一つになりますが、どうなんでしょう。