「佐保姫や恥じらう君に花飾り」の批評
こんにちは。
「佐保姫」難しい季語ですね!
この季語は春を女神として擬人化した季語で、「映像が薄い」「擬人化されている」「女神の雄大さ」などの点で難しい季語だと思っています。
御句
◆句中の「君」の受け取り方が難しいです。
コメントからは佐保姫のことを言っているのだと思いますが、本来は姿のない女神である佐保姫。「恥じらう」と断定するのはなかなか難しいです。また、短詩文芸で「君」と言えば恋人や片思いの相手のことを指しますので、作者は佐保姫に恋しているということになりそうですが、先ほども書いたように佐保姫は姿のない春の女神。ギリシア神話などの人の形をした神と異なりますので・・・
この句の場合、この場に恋人がいる、という読みの方が素直に受け取れます。
◆下五「花飾り」
「花飾る」の連用形にも、「花飾り」という名詞にも受け取れて、読みに迷います。「受け手に委ねる」のと「受け手を迷わせる」のとは違いますので、わかるようにした方がよいと思いました。
◆「佐保姫」と「花」の季重なり
この花は「桜」のこととコメントでおっしゃっています。とすれば真っ向から季重なりをしています。句の形からは「佐保姫」が主たる季語という意図を汲み取りますが、映像のない「佐保姫」と映像のある「花」。かなり厳しいと感じます
どこかから持ってきた「佐保姫」よりも、実景である「桜一房」を生かして映像化することをお勧めします。句意は変わりますが、とりあえず恋人と一緒にいることにしてみます。
・簪としてこの桜贈りたし
・恥じらっている君と見る桜かな
季語「佐保姫」にこだわるならば、目に見えない季語なので一物は極めて難しいと思いますし、同じ句の中に「桜・花」を出すのも極めて難しいと思います。
難しい季語だと知ってチャレンジするならば大歓迎です!
また挑戦してみてください!
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桜が一房咲いていていました。
本当は簪のほうがしっくりくると思ったのですが、語彙力がなく、花飾りとしました。
よろしくお願いいたします。