「番いてふほどよい距離や鳥渡る」の批評
回答者 イサク
再訪です。
「似てくる」⇒「似てきし」の話。
複合動詞、かつ間に完了の助動詞の連体形「て」を挟むかたち。
OKともNGとも簡単に言えず。
これ単体で話すのは、ものすっごく説明が長くなるので、まずはご自身で調べて句を作ってみた方がいいかと・・・
◆まず「し」は連体形なので、終止形で使いたいのか連体形で使いたいのか、という問題があります。現代語の「似てくる」はどちらにも取れます。
◆「し」は過去・完了・継続の助動詞の連体形なので、過去・完了・継続の意味を持たせたいのかどうか?というのがあります。「似てきた」に言い換えられる(だんだん似てきた、など過去からの継続的な意味)ならば使えそうですが、「これから似てくる」というような意味だったら「し」は使えません。
◆「く」の活用は「こ/き/く/くる/くれ/こ(こよ)」これに助動詞終止形「き」が着かないという特殊な関係(「し」は着く)。過去を表す終止形の場合は別の助動詞が必要。ここでは仮に「ぬ」を使ってみます。
ということで、
現在形・終止形「似てく」
過去形・終止形「似てきぬ」
現在形・連体形「似てくる」
過去形・連体形「似てきし」
ですが、そもそも「似【て】くる」という「て」を挟む言い回しが、文語というより口語っぽいですよね。
「て」を抜いて「似る」の連用形で「く」に文語的につなぐと、それぞれ「似く」「似きぬ」「似くる」「似きし」になると思うのです。
でもこれだと現代人に意味がわかりづらいですし、リズムも悪い。
私なら「似てきたる」という言い回しも候補に入れて、前後のつながりや音数調整・リズムでどれを使うか考えます。
というように、前後の文脈抜きで解説するのは、誤解を避けようとするととんでもない物量になるので、今後そういうのはまずご自身で用法をお考えになってから・・・
ちなみに私は国語の先生でもなく、俳句を始めてから勉強し直しているだけの者です。一年も真面目に勉強すればこれくらいは調べればわかるようになると思います。
ここの諸先輩がたや、歴1年ちょっとのあの方あたりもこれぐらいは語れるはず・・・
点数: 1
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1年位前に作ったもので、初めて「てふ」を使ってみました。
鳥は見てると、程よい距離で飛んで行きます、番いなのでしょうか?
人間の夫婦もつかず離れずの距離がいいのだなぁ~と思いました!