ぽつねんと意思か損ねかのこり鷺

こんにちは。よした山月様、いつもお世話になってます。
御句拝読しました。残り鷺というので季語があるのですね。毎日新しい季語を勉強させていただいてます。

御句、「ぽつねんと」の是非はともかく、「意思か損ねか」が気になりました。自分の意思で留まっているのか、戻り損ねたのか、ということだと思いますが、わかりにくいです。
また、お悩みのスパイラルの件ですが、とにかく、見た目の形容はかまわないと思うのですよ。例えば「険しい顔」「笑ってる」。しかし、相手(対象)の心境、感情まで詠むと、「なんであなたがそこまでわかるの？」と言われてしまうのだと思います。例えば「怒っている」「喜んでいる」。

・凛とした佇まいなる残り鷺

こんにちは。

はい、スパイラルですね。
「絶対ダメというものはない」という前提で見てほしいのですが、

・自分の気持ち「（自分が）楽しい、淋しい、嬉しい、苦しい」は事実。
・他人の気持ち「（他人が）楽しい、淋しい、嬉しい、苦しい」は推測。
　⇒「楽しそう、嬉しそう」という言い方ならば、自分にとっては事実。
・様子「赤い、白い、明るい、暗い」などは、ある程度は事実
　⇒誰が見ても同じように思う可能性が高い
・様子「慎ましい、逞しい、格好いい、厳しい」などは感想の部分が大きい
　⇒言い換えないと、「なぜそう思うのか」がいまいち伝わらない

ですが、たとえば
「厳しい暑さ」「厳しい寒さ」・・・あまり気にならない（説明的ですが）
「厳しい冬山」「厳しい炎天」・・・当たり前では？
「厳しい親」「厳しい未来」・・・どういうところが厳しいの？
「慎ましき母」「慎ましき姉」「慎ましき友」・・・あまり気にならない
「慎ましき犬」「慎ましき部屋」・・・どういうところが慎ましいの？
というように前後関係や、句全体の問題もあります。
十七音全体で眺めた方が良いかと思います。

さて御句、なおじい様と同じく中七が気になりました。
中七で「自分がこう思っている」というのが前面に出すぎている言葉ではないかと思います。
そういう句もあると思いますが、まずは季語「のこり鷺」を生かせるような描写へ寄せては・・・

・ぽつねんと枯木の枝ののこり鷺　（意図的な季重なりです）