「刈田風佐渡に向かうや朱鷺一羽」の批評
回答者 イサク
こんばんは。
朱鷺は「鴇」で秋の季語になっている歳時記
があります。
こういう動物の名前などは「季語ではない名詞」として使って、主役の季語をきちんと立てれば、季重なりはあまり気にしなくていいとは思います。
そういう意味では主役の季語は上五で一応立っています。
また、げばげば様のいうとおり三段切れですが、中七下五が倒置されている形で意味は繋がっているので、明確な三段切れとは違いますね。
動詞の「向かう」は、歴史的仮名遣いならば「向かふ」で間違っていないですよ。
歴史的仮名遣いの場合「向かう」は「向こう」です。
「や」を入れるなら歴史的仮名遣い「向かふや」にしたいところですが、この句の場合は現代仮名遣いとしても間違いではありません。
と、技術としては危ういところが垣間見えるのですが全部成り立っているという句ではあります。
狙ってやっているわけではなさそうなので冷や冷やします。
問題点とするならば、下五「朱鷺一羽」がかなり強いので、上五の季語を変えても映像があまり変わらないという点でしょうか。
三段切れっぽい状態の回避もあわせて、上五下五を入れ替えてみては?
・朱鷺一羽佐渡に向かふや刈田風
・朱鷺一羽佐渡へ乗せたる荻の風
・朱鷺一羽佐渡の海へと鰯雲
点数: 1
添削のお礼として、イサクさんの俳句の感想を書いてください >>
訂正しました刈でした