俳句添削道場(投句と批評)

女郎花さんの添削得点の高い順に並んでいます

「蔓草や垂れ重なりて溽暑かな」の批評

回答者 女郎花

添削した俳句: 蔓草や垂れ重なりて溽暑かな

私が文献を調べた結果です
現状、蔓(つる)草では季語として特定の季節を捉えることは出来ていませんね
蔓草は茎がつる状に伸びる草の総称ですから、つる状に伸びる草は一年中見つかると思います(冬は少し厳しいかも)

似たような言葉に三夏の季語「葎(むぐら)」はありますが、つる植物そのものを指す言葉ではないようです
カナムグラなどのムグラの仲間を指すことも、広い範囲に茂る雑草を指すこともあるようです

本当の問題点は「や」と「かな」の力のバランスが合っているかどうかだと思います
切れ字二つはあまり好まれませんが、滅多なことでバランスが取れないのが大きな理由のようです

切れ字を勉強していると分かりますが「季語+かな」はかなり強い存在感と力を持ちます
「垂れ重なる」という複合動詞も力があります
力の強いものがたくさんあるため、バランスを崩しやすくなってしまいます

「季語+かな」だけを活かすと、力の入りすぎた感じがなくなります
蔓草の垂れて重なる溽暑かな

もしかしたら一旦この形を考えてから少しずつ推敲したのかもしれませんので、三男さまのためのお話ではないかもしれません
そのときはごめんなさい

ただ、間違いを教えてしまうことをなんとも思わない人の意見は誰のためにもなりませんね

点数: 4

「引っ越しの荷に囲まれてウェブ入社」の批評

回答者 女郎花

添削した俳句: 引っ越しの荷に囲まれてウェブ入社

どなた様も病魔に飲み込まれないよう、お祈りしております

俳句に関して少々気になるところを述べようと思います
ウェブ入社と言うのか調べてみたところ、「ウェブ入社式」というのがマスメディアでは多く用いられているようですね
俳句に収めるために「式」を削ったように推理しております
ただ、ウェブ入社よりも「ウェブ入社式」の方がコロナウイルスの頃の入社式を思い出せる句になりそうです

そして「引っ越しの」というのが入社式の頃の新成人とイメージが近く感じる人は、けっこういるように感じます
イメージが近いと、因果関係が匂い始めます

上五の字余りを許容すれば収まるものです
ダンボールに囲まれてウェブ入社式
未開封のアルバムやウェブ入社式
など、少しずつ関係性を離す方向の言葉選びが向いていると思います

こちらの原句は「今頃息子(娘)はこういう感じで慌ただしい入社式なんだろうな」というのを想像した句なのだとは読めました
こちらの句の主体が新成人で、詠み人はその親なのだろうかなと予想は可能でした

点数: 3

「子つばめら踊り歌う自粛の空」の批評

回答者 女郎花

添削した俳句: 子つばめら踊り歌う自粛の空

はじめまして
対比はしっかり意図的にやっていて、きちんと出来ています
「踊り歌う」という擬人化だと、「なぜ子つばめにしたのか? 別に子すずめでもいいのではないか?」という疑問が浮かびます
そう思考を誘導する人間もいるからこそ、ベタな擬人化を使うのは一度考えた方がいいでしょう

そして自粛ではなく「コロナ自粛」と言えばいいのにと感じています

子つばめらコロナ自粛の空を往く
など、下五で自由に展開できます
俳句の表現で自粛することは必要ないので、楽しく創作を続けてください

点数: 3

「どつさりとライオンのえさ終戦忌」の批評

回答者 女郎花

添削した俳句: どつさりとライオンのえさ終戦忌

おそらく、はじめましてだと思います

こちらの句の意図がなんとなく分かりました
私の解釈は、現在のことではありません

その餌は毒餌でしょう
動物園などでは、空襲や爆撃などで暴れられるとまずい猛獣や大型動物を毒餌を使って殺していた例もあると聞いたことがあります
ライオンはそれを察知しているから、「どつさりと」そこに餌があるのでしょう
毒餌を食べることなくひたすら終戦を待つことにしたのかもしれません
それは命を懸けた長い戦いのようです

現在の光景として解釈することも、戦争の真っ只中の光景として解釈することも出来るのは、「終戦忌」が全てを物語っているからかもしれません

点数: 3

「雪解けの猛禽の爪急降下」の批評

回答者 女郎花

添削した俳句: 雪解けの猛禽の爪急降下

はじめまして

「猛禽の爪」という着眼点がとてもいいと思います
爪は堅そうか、鋭そうか、黒くて猛々しいかむしろ綺麗につるんとしているのか、想像が膨らみます

そして、猛禽が急降下した理由を書かないのが基本に忠実ですね
これを書くと想像の範囲が狭くなり、「語りすぎ」と思われやすくなります

気にしていることは二つです
一つは「雪解」という季語だけでは、場所をあまり特定できないのではということです
もう一つは「雪解の猛禽の爪」と続いたときに「それは何本あるのか? 猛禽の爪はいつでも獲物を狙っているのでは?」と思う人が出てくるかもしれないことです

仮に
雪解野を猛禽の爪急降下
とした場合、表現したかったことと実際の言葉にズレは生じるでしょうか?

もう少し情報を入れても、そうり様なら破綻させない実力はおありだと感じます

点数: 2

女郎花さんの俳句添削依頼

最新の投稿順に並んでいます。回答が付いた投稿が先頭に移動します。

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