「老いてより往く道中や五里霧中」の批評
回答者 平果
添削した俳句: 老いてより往く道中や五里霧中
「五里霧中」という言葉には、判断がつかずに如何に生きればいいのか分からないというマイナスな印象がありますが、果たしてこの句も、分からないことへの苦しみを嘆いたものなのでしょうか。
その問にはっきりとした答えを与えられる要素を、私は十九音の中に求めることが出来ませんでした。だから、これは私の読解ではなく、願望です。「五里霧中をお楽しみなっていてほしい」と、そう願います。
「老いてより」とあり、お若い頃は御自身の判断で道を切り拓かれたことが想像されます。それはきっと楽しい日々であったのでしょうね。
そのような日々とは異なるものであっても尚、五里霧中を楽しんでほしいと思います。句外のことになってしまいますが、コメントにて「さて、何処へ往くのやら?」と書かれているところには、お楽しみになっているような様子も感じました。
卒寿を越えられた方の御心境は、私のような若造に掴み得るものではありませんが、それがどのようなものか、貴句を通して味わうことができたらと思っております。
点数: 2