「初浴衣なぜか横向く彼の居り」の批評
回答者 まちる
添削した俳句: 初浴衣なぜか横向く彼の居り
なるほどです。
コメントの「花火見物の一句。」と言うのを見て花火見物の句と邪推してしまいました。すみません。素直に句のみで考えるべきでした。
花火が関係ないのならば、かこさんの句意はしっくり来ますね。
花火を見ている彼女
と
彼女を見ている彼
それを第三者の目でみてるのかなと思ってましたが
正しい句意で読むと読み手は横を向いてる彼を見ている「彼女」ですよね。
そうするとですね
このシチュエーションって、男と女の哲学じゃないですが、面白い心理が潜んでますよね。すごく興味深いです。
「なぜか」って表現のところです。
なぜか=わからない
単にはこうですが
この読み手は理由わかってるんですよ。
彼氏がなんで横向いてるのか、わからない訳がないんです。
わかってるくせに「なぜか」と言ってるところが面白いです。
なぜ彼女はわかっているのか
それは季語が初浴衣ですから彼女は自分の身なりに意識してます。そして彼がいつもと違い不自然に自分を見ないようにする仕草ですからね、理由が分からない訳がないんですよね。
なので、この句は女の強かさの表れた風景を切り取った句と思います。
女性は自分の美で男を魅了できることを知っており、またそれをとぼける焦らしも心得ている。
「あら、なぜか横向いてるのね ふふふ」って事ですね
こういう句とても好きです。
口語にしてみたくなる かこさんの気持ちもわかります。
私の好みの話では「なぜか」が主観で「居り」が客観視に見えて、ミスマッチに思えてしまいます。
「初浴衣なぜか横向く貴方かな」
「貴方かな」で読み手の立ち位置が彼女と明確にして強かさをよりアピールしてみました。どうでしょうか。
点数: 1