素人のうちに、問題点やいいところを教えてもらえることは羨ましいです
結論から言ってこの作品、読めば読むほど考えさせられる句です
作者さんはなかなか難しいことをやってのける、うまくなるタイプの方です
先にいいところから
手向けの、と入ったことにより
水仙、北枕、が不穏な雰囲気を思わせる言葉となっていますね
この句から、作者さんは父親の死に目に会えなかったのかな?という想像が出来ました
不穏を描写するのは難しいことです
特に実力が初心者・素人程度ではほぼ失敗します
問題点は二つ
一つ目は、和水仙北枕と漢字が続いていて読みづらいことです
ほかのひらがなを間に挟む方法もありますが、非日常な感じを出す方法としてカタカナを使うという方法があります
今回は「スイセン」と書くしかないでしょう
「キタマクラ」なんて書いたら、ギャグかと思われます
もう一つは、この和水仙がどこにあるか断定できていないことです
作者さんが手向けの花として持っているか、亡き父親に供えられているのか、庭に残っていてそれを全部手向けの花と言っているのか
これが作者さんと読み手それぞれの想像の範囲にしかないということがもったいないです
持っているのなら
和スイセン北枕の父の手へと
供えられているのなら
和スイセン北枕する父の手に
庭に残っていて、それを手向けにしたというのなら
和スイセン北枕の父へ捧ぐ
という感じに言葉を厳選すれば、距離感が出ます
私がこの句に触れてみた感触ですが、直すのは相当難しかったです
それほどこの句は完成間近だったということで、元の句も捨てがたいものがあります
「手向けの」と言い切ったあたり、描写じゃなくてもやってみせる!という度胸があります
(たまに、初心者と言っておきながら凄いものを見せつける方がいるのです
久々に焦りました)