俳句
の世界へようこそ!若い方は、きっと飲み込みが早いと思うので楽しみながら頑張ってください。とはいえ、僕も俳句歴2年のペェペェなんで一緒に頑張りましょう。
そして楽しくなってきたら、技法も是非勉強してみると良いと思います。
僕も大した歴はないので、間違うこともありますが、それでも勉強してきたことを一定お伝えすることはできると思うのでご参考にしていただければ。
それでは御句の批評コメント書かせていただきます。
「若葉冷」という良い季語
を選びましたね!若葉が生い茂り始めた頃の清々しい肌寒さの散歩を詠んだ。良いと思います。ですが、中七・下五にいくつか問題があります。少々長くなりますがお付き合いください。
[三段切れと句のリズムについて]
句の途中に「切れ」(意味の切れ目とひとまず理解してください。)が2つあることを「三段切れ」と言います。(最後も入れて3です。)
三段切れは、基本的にうまくいくことが少ないので、意図を持ってやる場合以外には極力避けてください。
なぜ、うまくいかないかというと、ぷつぷつと切れることで、句全体がリズムの上でも句の世界でもせわしなくなるからです。リズムも場合によって勢いを出せるので稀に効果的に機能する場合はありますが、御句の場合はゆったりとした光景なので、そこでぎくしゃくしたリズムにすると損をします。
若葉冷え / 踵を減らす声 / 陽水 (減らすは、普通に読めば声までにかかってくる)
御句は、上のような5・9・4というゴツゴツしたリズムです。さらに、2回切れが入っているので、若葉冷の光景が広がって、すり減った踵のアップと声(???)、陽水が出てきて(井上陽水の歌のことを言いたいとはわかるものの)普通に読むとちゃんがらです。
解消は、簡単です。中七と下五をちゃんと意味が繋がるようにするのです。
「踵を減らす陽水の声」(字余りですが、意味が通らない語順よりまし)
・ひとりよがりの表現
こんな気持ちのいい日に、井上陽水の歌を聞いていると、気持ちよく散歩できて踵がすり減るくらい歩いても全然大丈夫。のようなことを言いたんだと推察しますが、さすがに「踵を減らす(陽水の)声」という表現では伝わらないです。
まず、「踵を減らす」で散歩を思えないです。(コメントがあったからわかったけど)単に気持ちのいい若葉の肌寒い時に、踵がする減ってるんだなぁくらいにしか思えません。そこに、踵を減らしているのが声????で、もうパニックです。で、追い討ちの井上陽水です。。。
・詰め込みすぎ
俳句は17音しかありません。なので、いくら事実であってもそれを全部詰め込んでももしくは、連想がしにくい物を取り上げても、わけがわからなくなるだけです。
・一番伝えたい状況やものを明確に決める(より具体的に)
・それを伝えるための効果的な物を探す(実景でなくても有り得る嘘はついて良い)
これを意識してみてください。
「初夏の肌寒いけど清らかな気持ち良い散歩」を伝えるのに、何をどこまで入れこみましょうか。「若葉冷」「井上陽水の歌」「すり減った靴」「気持ちの良い散歩」これを全部入れ込むのは俳句の器では無理です。(意味がわからない句になります。)
真っ先に捨てるべきは、「すり減った靴」ではないか?と思います。なぜなら、「すり減った靴」では歩き疲れたしんどいそんな連想が浮かびます。いやそうではなく、すり減るくらい歩かされるほどの気持ちの良い散歩なんだというのを17音でわからせるのは至難だからです。
提案句は、「若葉冷」「井上陽水の歌」の二つで、なんとか気持ちの良い散歩を想像してくれる人も出てくるかなぁくらいの容量で知恵を絞ってみました。
実際に声を聞いている光景は、描けてないですが、読み手の脳内に井上陽水の声が流れます。
ここまで書いてあれですが、「陽水」は「井上陽水」のことであってますよね?^^