俳句添削道場(投句と批評)
みつかづさんのランク: 師匠108段 合計点: 443

みつかづさんの俳句添削依頼

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みつかづさんの添削

「前栽に綻ぶ水仙風揺らす」の批評

添削した俳句: 前栽に綻ぶ水仙風揺らす

 
こんばんは。貴句、拝読いたしました。

冬の庭に咲き始めた水仙という題材はとても良いのですが、
結論から申し上げますと、以下の3点で作者コメントと句の内容に
少しズレが生じている様に私めには思われました。

① コメントと句が逆方向を向いてしまっている
② 「揺らす」の他動詞性が、水仙の静かな姿を壊してしまう
③ 庭での風は説明的になり易い

①、②について。
作者コメントに「冬の風の中に健気に佇む水仙」とございます。
これは、風に負けずにじっと佇んでいる水仙というニュアンスですよね。
ところが、句では他動詞「揺らす」によって、
「風揺らす」=風が水仙を揺らしているという意味の解釈になり、
「健気に佇む」との作者コメントと反対方向の描写になっております。
静かな「綻ぶ」と動きの強い「揺らす」がぶつかり、
句全体の調和が崩れてしまいます。

③について。
前栽という事は庭ですよね。
奈良県天理市に地名「前栽」(同名の急行停車駅も在る)がございますので、
念のための確認でございます。

前栽とは「庭に植えられた草木や植え込みの事」を意味する単語でございますので、
庭に風が吹くのは自明の理(当たり前の事)でございます。
風が吹けば水仙は揺れますので、「揺らす」とは書く必要がございません。
冬の風は強めに吹く事が多いですので。

上記を踏まえて、私めからの添削案は以下でございます。

・水仙や庭華やかに綻びぬ

上五で主題「水仙」をハッキリ明示させます。
前栽だと4音掛かりますので、庭の2音に節約。
白、黄、ピンクなど色が様々ありますので、「華やかに」で具体的描写が
分かりますし、「綻ぶ」も前を受けて「つぼみが咲いた事か」と
読者に伝わります。完了の助動詞「ぬ」でダメ押ししていますので。

難しい事なさろうとし過ぎている意識が先行している様な印象でございます。
もっとイージーにお考えになり、まとめますと良いのではないでしょうか。

イサクさん、おかえさきこさん、独楽さん、慈雨さん、頓さん、春の風花さん、
晩乃さん、めいさん(以上五十音順)他、多くの方から様々なご意見が
寄せられると事と思います。
それらから1つずつ学び取って、ご自身の作句・推敲の糧にしていかれると
良いのではないかと私めは思いますよ。
私めの意見・指摘もその中の一つとしてご参考いただければ幸いです。

以上でございます。お目通しいただき、感謝いたします。
 

点数: 1

「一張羅身の丈を越え静電気」の批評

添削した俳句: 一張羅身の丈を越え静電気

 
こんばんは。貴句、拝読いたしました。

まず、「何がどうして静電気なのか」が少し伝わりにくい点が気になりました。
「一張羅身の丈を越え」は、
・無理して買った立派な服
・袖や裾が長過ぎる服
上記どちらにも読めますので、読者が迷い易く感じられます。

また、その直後に「静電気」が置かれておりますため、
服との関係や出来事の流れがやや掴みにくい印象でございます。
(連用形「越え」の先に省略されている動詞が「ある」「帯びて」「まとい」など
複数想定できる点も影響しているかと存じます。)

さらに、静電気とは厳密には「物体が帯びた電気的偏り」を示す語であり、
手がパチンと痛むのはそれが「放電される瞬間」の現象でございますので、
状況によっては「雷の気配?」といった誤読が起こる可能性もございます。

例えば、「長い袖がこすれて静電気が走る」など、服と静電気の繋がりが
もう一歩だけ見えると、情景がより掴み易くなる様に思いました。

衝動買いへの「喝」というテーマはとても魅力的でございますので、服と静電気の
関係が少し補強されると、さらに伝わり易くなるのではないでしょうか。

私めからは、以下の添削を提案いたします。「身の丈を越え」と書かずに、
読者に「背伸び」を自然に想像させる方法でございます。(上五字余り)

・一張羅の伸ばす手パチン静電気

「伸ばす手」は「背伸び」や「見栄」を象徴いたしますので、
作者コメントと実景が自然に二重化されるのではないかと存じます。

イサクさん、おかえさきこさん、独楽さん、慈雨さん、頓さん、春の風花さん、
めいさん(以上五十音順)他、多くの方から様々なご意見が寄せられると
思います。
その中の一つとしてご参考いただければ幸いです。

以上でございます。お目通しいただき、感謝いたします。
 

点数: 1

「山茶花の続く垣根の仄あかり」の批評

添削した俳句: 山茶花の続く垣根の仄あかり

 
こんばんは。貴句、拝読いたしました。

意図なさったかどうかはさておき、私めは「写生と心情のダブルミーニングでは
ないか?」と思いました。

めいさんは作者コメントでそこだけ、仄かにあかるいことよ。」とお書きです。

ここには「外は寒く暗いのに、山茶花の場所だけ光がある」との、
僅かな情緒(→希望・ひたむきさ に通じる)が入っているのではないか、と。

したがいまして、
●「垣根=冬の厳しさ・困難」
●「仄あかり=その中で咲く山茶花の希望」

以上の二層構造で読み解くのは作者の意図を損なわず、過度に説明にもならず、
季語の特性とも一致いたします。

俳句は元来「二重化構造」を持つ文学でもあり、俳句の伝統的構造には、
客観写生(表層の景)
俳人の心(句外の意味)
との二重構造(二元性) がございますので、以下の花言葉を鑑みますと、「垣根」、
「仄あかり」の意味が二重化され、寒さ(困難)+その中の光(希望)がある事に
なります。

困難に打ち克つ:寒さに負けずに美しく咲く事から、困難を乗り越える力の象徴
ひたむきさ:その姿勢は、真剣さや誠実さを表す。
希望:冬の厳しい環境でも咲く事から、未来への希望を象徴している。
赤い山茶花: 「謙譲」や「あなたがもっとも美しい」という意味が有る。
白い山茶花: 「愛嬌」や「あなたは私の愛を退ける」という意味が有る。

以上より、このまま味わいたいと私めは思います。
お目通しいただき、感謝を申し上げます。コメントも、ありがとうございました。
 

点数: 1

「木洩れ陽の中や咲くなり冬桜」の批評

添削した俳句: 木洩れ陽の中や咲くなり冬桜

 
こんばんは。貴句、拝読いたしました。

投稿させていただいたコメントに「いいね」が付いておりませんので、
「勉強になりました」との点については、どの部分がどの様に参考になったのか、
作者様のご見解も具体的に伺いたく存じます。

貴句について、純粋な疑問。
①助動詞「なり」はどちらの「なり」?

古語の助動詞なりは以下の2つがございます。
・聴覚推定・伝聞の助動詞「なり」(終止形接続)
・断定・所在の助動詞「なり」(体言・連体形接続)

また、自動詞「咲く」は四段活用ですので、終止形と連体形が同形でございます。
(か/き/く/く/け/け)

従いまして、この語順のままでは「咲くらしい」と訳せば良いのか、
「咲く(もの)である」と訳せば良いのか、読者は迷います。

 
②助動詞「なり」が連体形になっておらず、季語の直前で切られている理由が不明

どちらの意味にせよ、助動詞「なり」が連用形、または終止形なので、
主題となっている季語「冬桜」は唐突に出ております。
これはどの様な意図でお切りでございましょうか?

断定の意味の「なり」でしたら、補助活用の連用形を使えば、
例えば以下の様にできますが。

・木洩れ陽の中や咲くにし冬桜

自動詞「咲く」の連体形「咲く」
+断定の助動詞「なり」の補助活用連用形「に」
+直接過去の助動詞「き」の連体形「し」

どの様な添削を作者が欲しているのかは私めには分かりませんが、少なくとも
「国語Ⅰの古語文法基礎レベルの知識か、古語辞典による確認は必要である」と
考えられます。

以上でございます。お目通しいただき、感謝いたします。
 

点数: 0

「大根のつまにも宿る手の温み」の批評

添削した俳句: 大根のつまにも宿る手の温み

 
こんばんは。再来失礼いたします。
拙句「寒き夜や書にマーカー痕ありけり」にコメント、ありがとうございます。
https://weblike-tennsaku.ssl-lolipop.jp/haiku/corrections/view/32510

早速に示していただいたお句を拝見しましたが、「練習句」というお言葉とは
裏腹に、構成の整い方や散文性の処理が秀逸で、練習の域を越え、
れっきとした「添削句」として成立していると私めは感じました。

「寒き夜の書にいつしかのペンの跡」

名詞の連なりの中に余情があり、過去への気付きがすっと立ち上がりますね。
体言止めの扱い方も自然で、句がしっかりと景を保っていると思います。

とても勉強になりました。
こちらこそ、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
 

点数: 1

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