俳句添削道場(投句と批評)
イサクさんのランク: 師匠2165段 合計点: 6,614

イサクさんの俳句添削依頼

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見返りて名残る札幌雪まつり

回答数 : 5

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一切を句の種として三月尽

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待ち合はせまであと少し木の芽道

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大銀河きみを遠くで見つめてる

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落葉髪してコンビニへ地下鉄へ

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イサクさんの添削

「ぴつぴつの軆のラインだす水着」の批評

添削した俳句: ぴつぴつの軆のラインだす水着

おはようございます。

私の言うことを聞いて人に入るかはわかりませんが

水着であるという前提で
◆「ぴつぴつ」というオノマトペは面白いです。

◆「ぴつぴつの(水着)」「(水着の)軆のライン」「ライン出す(水着)」と、同じようなことを繰り返し三度も言っています。
 ひとひとつは説明的ではないですが、さすがに三度も繰り返すのは説明しすぎではないかと思いました。季語と受け手を信じて省略可能だと思います。

◆「水着」で「体のラインが出る」という発想は類想です。ここは断定しておきます。

で、上記のとおり三度も説明を繰り返す必要はないので、オリジナルの部分を残して他を省略し、その音数で他の要素を組み入れられれば、類想は「共感」という武器に化けると思います。
 「ぴつぴつ」という単語はオリジナリティがあると思いましたので、ここは生かしたいかなあ・・「ぴつぴつの水着」で意味は分かりそうですし。

・ぴつぴつの赤き鎧のごと水着
これで人選かどうかはわかりませんが。

点数: 0

「干柿の粉ほろほろと旅の膝」の批評

添削した俳句: 干柿の粉ほろほろと旅の膝

おはようございます。

小旅行の干し柿。机のない場所?あるいは座卓かな?座って食べているのですね。
このままでも悪くない句だと思います。
「干柿の粉」という部分に説明感を感じました。主役は季語の「干柿」で、ここを立たせたいですね。工夫のしどころかと思います。

・干柿や粉ほろほろと旅の膝

点数: 2

「お疲れと並んで座る秋の風」の批評

添削した俳句: お疲れと並んで座る秋の風

おはようございます。

上から目線で申し訳ないですが
とつぜん「俳句らしく」なりました(かなり褒めています)

◆これまでと違って、映像と風景と音がしっかりと想像できる句です。
 これまでの句は遠回しに言い過ぎて伝わらない部分が多く、「すすすすす」の句も独創的ですが何を想像するか自由過ぎて、風景を受け取るのが難しかったのです。
 この句は
・「お疲れ」という誰かの声
・「お疲れ」「並んで座る」ということで、一人が座っているところにもう一人が近寄ってきて横に座るという具体的な映像。
 正面に座ったわけでも、離れて座ったわけでもない、ということが理解できます。
・「秋の風」から、屋外の風景。ベンチや、気軽に座れる植え込みなどを想像しました。
 暑苦しくも寒くもなく、少なくとも雨は降っていません。
・あとは受け取り手の経験で、
 二人は友達か?先輩と後輩か?上司と部下か?男性と女性か?
 場所は公園か?都会のビルの間のちょっとしたスペースか?ドラマに出て来るような海の見える場所か?
 などの想像が膨らみます。

季語「秋の風」
 今回の「秋の風」これは肌に風を感じますし、屋外のどこかであることがわかりますし、季語以外の部分との相性もよく、組み合わさって受け取った者の頭の中に風景を感じさせる季語を使えたと思います。
 たとえば以前の句の「秋の夜」。この季語は夜であることを説明しますが、季語自体に具体的な場所や風景がないので、季語以外の部分で風景を補った方がよいのですが、上手くかみ合っていませんでした。
 また「夏のこと」の句も、「夏」の想像範囲が広すぎて、「五月頃の初夏の風景」「じめっとした梅雨の風景」「本格的な夏休み頃の風景」などいろいろ想像できすぎて、季語以外の部分がそれを補えてませんでした。
 この句の「秋の風」は、よかったと思います。

五七五と季語ひとつ、の次の基本「意味が伝わること」はこの句なら楽々クリアします。
その次の段階「風景が想像できる」「説明臭くない」など他にもいろいろありますが、これも達成できていると思います。この調子ですね。

さんざん上から目線ですみません。長くなるのでこのあたりで。

点数: 0

「秋の川緩く流るる木の葉かな」の批評

添削した俳句: 秋の川緩く流るる木の葉かな

こんばんは。

主たる季語は「秋の川」なのですが、
枝から落ちた葉のことを表す「木の葉」という冬の季語があり、「木の葉かな」と詠嘆されてしまってこちらも主役っぽいですね。
やはり季重なりが気になります。

・秋の川緩く流るる葉一枚

点数: 1

「鳴き声や雨音響く秋の夜」の批評

添削した俳句: 鳴き声や雨音響く秋の夜

こんばんは。

なるほど。そう来ましたか。
五七五のリズムと季語ひとつはできていますが、受け取る側が混乱する書きっぷりになってしまいました。

◆「鳴き声」だけでは何が鳴いているかわかりません。
 「秋の夜」で虫の声、と思わせたいのかもしれませんが、遠回し過ぎて、受け取る側が迷ってしまいます。俳句は連想ゲームではないので。
 犬・猫の声と受け取られてもおかしくないですし、鹿も秋に鳴く動物と言われています。何の「鳴き声」か、この句ではわかりません。

◆「(虫の)鳴き声や雨音響く」で、実際にどっちの音を想像したらいいの?と思いました。
 虫の音と雨の音という別々の音。雨音が「響く」ほど強いのであれば、普通は虫の声は聞こえないかなあ・・と思ってしまいます。

◆コメントには「虫の鳴き声や雨の音が響いて聞こえるほど静かな夜だなぁ」とあります。
 ですが、「鳴き声」という単語や「雨音響く」という言葉で、実際に「静か」ということが表現できるかどうか?作者ご本人はどう思いますでしょうか?
 あまり静かな様子は思い浮かばないのでは・・・と思います。

「鳴き声」「音響く」と書いて静かなことを言いたいとか、「虫」と書かずに虫の声のことを言いたいとか、遠回し遠回しに書いてしまって成功していないように思います。
俳句は十七音と短く、遠回しに言っていたら文字数が足りなくなり、必要なことが伝わりません。
「しずか」なことを主張するのであれば「しずか」と書いたり、「虫の声」を聴かせたいのであれば「虫の声」と書いたり、初心者のうちは「意味のわかるように伝える」という形をお勧めします。

あと、俳句で描くのは一句でワンシーンが基本であるということもお伝えしておきます。「虫の音」と「雨音響く」を同時に出すのは、不可能ではないかもしれませんが、まず破綻すると思った方がよいです。

「静か」な句の例として、つい最近、このサイトに良い句が出ています
(すみません「静か」なことが表現できている例句としてお借りします)

 停電の町に満月しづかなり/慈雨

「虫の声」の例句としてはこちら。
うるさいほどの虫の声、それ以外の音がしない夜、という句です。「虫の音」は「むしのね」と読み、虫の声のことです。

 虫の音の夜空より降りしきりけり/飯田夷佐久(2021)

点数: 2

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