「声高く園庭走る子へ落葉」の批評
添削した俳句: 声高く園庭走る子へ落葉
おはようございます。
形としては中七下五は良いですね。
◆上五のやや気になる点。
「声高く」・・五音に収まるので初心者さんがよく使う言葉なのですが、普通は「声が高い」と言った時、声の音程が高いことを表します。
ここは「声高=こわだか」、声が大きいという意味だと思いますので、言い換えたいところ。
句の後半に「園庭を走っている子」がいるのですから、その描写に寄せてもいいですね。先に頓様から出ている「嬉々として」とか良いですね。
◆ここからは、春の風花様が今後さらに推敲されるとして、先の話になります。
中七下五「園庭走る子へ落葉」は、形としてはできていると思います。
できていますが、誰かがどこかで同じ言葉を使ったような、どこかで見たような表現に思えます(これを【類想】と言います)。
【類想】句は「他の誰かが似たような句を作ったことがある」とみなされるので、選では避けられがちになります。
【類想】を脱するため中七下五を変えてしまう方法もありますが、中七下五がそのままでも上五に平凡感がなければ「類想っぽくない」句になることがあります。
この点でも「嬉々として」とか、結構よい表現なのではないかと思います。
また、この上五の五音だけで句の風景ががらりと変わりますので、いろいろ考えてみてください。
・わけもなく園庭走る子へ落葉
・一人きり園庭走る子へ落葉
・黙々と園庭走る子へ落葉
推敲例で、他の形の句も置いておきます。
・場所取りの園庭の子へ落葉かな
・始業直前園庭の子へ落葉
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