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真飛幽利は一人で暮らしたかった。第2話 全4話で完結

2話

作者 匿名 得点 : 1 投稿日時:


「タカキ、実家からでてどんな感じだ?」
 ゴールデンウィークに都内の別の高校に通うタカキとファミレスで久しぶりにあったユーリは近況を訪ねた。
「うちはお前んとこと違って寮だからな。毎日騒々しいったらないよな。お前はいいよな。口うるさい寮母とかいないだろ? 悠々自適って感じじゃん?」
「そうだな。そのつもりだったんだけどな」
 ユーリは今朝の騒動を思い出してため息をついた。
 学校のない目覚まし時計がならないはずの休日に、朝の5時に頭からバケツ一杯分の水を浴びせかけられて起きたという惨劇を。
「ユーリィ....ゆーりぃ...」
 ずぶ濡れになって呆然としているユーリの眼前に目を真っ赤に泣きはらした様子の座敷わらしがいた。
 怒る前にその様子にあっけにとらわれて「どうしたんだ」と気遣った。
 何か怖い夢でも見たのだろうか。
 それとも具合でも悪いのだろうか。
 いや、座敷わらしが腹痛を起こすとか考えられないが、食事はするようなので食あたりになる可能性だってあるだろう。
「腹下したのか?」
 いつも騒々しく人の物は勝手に食べるし、勝手に使うし、勝手に壊す座敷わらしだが、見た目は10才にも満たないような子どもである。
 涙を流す姿をみると気遣わずにはいられない。
「......タロとジロに迎えが来たんだ。よかった。よかったよう」
「タロとジロ?」
 話についていけなかった。
「置いてかれたけど生きていたんだ...」
 上半身をあげるとテレビがついており深夜のつまらないテレビショッピングが流れていた。ユーリはリモコンを操作して番組表をみるとつい先程まで南極物語の映画があったらしい。
「分かるか?今ユーリにかけた水よりも何十倍も寒いところに置き去りにしたんだぞ。迎えにいったときにはあの2匹以外には助からなかったんだぞ。悲しい。この悲しさを聞いてくれ!」
「いやまて」
 泣いていたのは映画のせいであることは分かった。しかし、その話して悲しみを紛らしたいのなら、こんな朝っぱらから水をひっかける必要があるだろうか。
「みんな勝手だ。私だってずっと母様を待っているのに...!」

「はぁ」
「なんだよ。ホームシックかよ」
 疲れきった様子のユーリにタカキは心配そうに声をかけた。
「俺がホームシックというか。...知り合いの子どもが...」
 そこで、ふと思い付いた。
 座敷わらしと思ったあの子どもは、幽霊じゃないのだろうか。
 母親が戻ってくれば成仏して悠々自適な生活を取り戻せるのではないだろうか。
「タカキわるい。ちょっと用事ができた」
 ユーリはファミレスを飛び出し。

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