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深緑第2話 全4話で完結

深緑の第2話

作者 あおい 得点 : 1 投稿日時:



文月とは違って紫鏡は喜んだ様子で車両へと足を踏み入れた。
対して文月は嫌な予感を覚える。
というのも。彼女はちょっとした特殊な力、霊的な存在を見たり、感じたりする事があるのだ。
来ない筈の電車がやって来て、さほど戸惑わずに飛び込む。
この好奇心旺盛で人と変わったところのある、幼馴染みの悪い癖。
なんどかこの力に振り回された記憶がある。
——あれは、確か幼稚園の……。
「だれも乗ってないよ?」
「お?」
意識が過去に持って行かれそうなのを可憐な声に引っ張られた。
文月は車内をじっくりと観察。なんの変哲も無い、田舎に似合う狭い車両。
しかし、そんな空気を打ち破る様な甲高い声音が二人を襲う。
「あっれええ、余計なのが乗って来たぞ」
「「?!」」
二人は固まる。
前方から誰かが——ちょうど二人とそう変わらない年齢の少女が、乱暴な足取りで歩いて来た。
格好は運転士そのもの。
だが、印象は”二次元に出て来る様な萌えキャラ”である。
それは何かの広告やネットで見かけたイメージだった。
文月が混乱している最中、隣で紫鏡が驚きつつも「かわいい!!」と何故かまた喜んでいる。
美少女運転士が二人を見比べているとふいに紫鏡の腕を掴んで引き寄せた。
「わっ」
「もーらい」
と語尾にハートマークでもつけてそうな楽しそうな声で。
運転士は笑みを顔に張り付けた。
文月は今度こそ背中をゾワリとさせて、幼馴染みを守ろうと身を乗り出す。
が、その瞬間、電車が轟音を立てて動き出す。
つんのめった文月は盛大に転がって全身を打ち付けてしまう。
「文月!」
「いっててっ!」
「怪我するぞ〜、まあ、オマエはどうでもいいけど」
運転士は愉しそうに笑い、紫鏡を強く抱きしめた。そこでようやく違和感を感じたのか、紫鏡が慌てて身じろぐ。しかし、拘束が強いらしく逃れられそうもない。
文月はどうにか立ち上がると、窓の外の景色に目を奪われる。
「え、なんだこれ」
のどかな緑の光景が歪んでいた。まるで、水面に落とされた絵の具が染みていくような。
気分が悪くなりそうだ。そうして、文月は夢を見ているのではと思いかけたが——。
「現実だぞ〜残念ながらね!」
「ねえ、あなたなんなの? 文月は逃がしてあげて!」
叫ぶ紫鏡を見て、文月は我に返り、己の頬をバシバシと叩いた。
そんな文月を冷たい双眸で睨み、運転士は告げた。

「アタシは、人間をコレクションするのが趣味なんだ」

——は? コレクション?

文月が声を上げようとするのを運転士が遮る。
「珍しい名前を持つ人間を集めてるんだあ〜」
その言葉に、紫鏡が恐怖心に支配された表情を浮かべて叫ぶ。
「この子、人間じゃない! 逃げて文月!」
と、その声に反応するかの様に、車両の窓が一斉に割れた。

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