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一番愛している我が娘よ。

作者 元関駿 得点 : 0 投稿日時:


俺は今選択を迫られている。大きな選択だ。これで今後俺の教育方針の、この俺が準備した人生設計を大きく修正しなければならないだろう。この俺が中学生の頃から構想し心理学の洗脳技術を集約して計画した洗脳実験が壊れてしまう程の選択だ。
「お父さん私あれ飲みたい。」
腰にまでくる黒い髪(勿論俺が切らなかった)と少し不健康そうに見せる色白の肌(勿論俺が外に出さなかった)。平均身長の俺の腰ぐらいの背と茶色い目そして桜の花のような薄いピンクの唇(これについては何もしていない)。名前はゆい。言うまでもなく可愛い。
この5年間一度も家に出さず一度も他人に合わせず毎日6時間以上の会話と6時間以上の勉強。有害だと判断される媒体は全て遮断して外は怖いという考えが根付くような媒体だけを見せてきた。
「あれとは何だ?」
「あの黒いの」
外部の人間を嫌悪するように見せた教育資料で出たコーラを飲むシーン。まさかそれを見て飲みたいと思ってしまうなんて。なるべく自分の意思で思考できないように自分の考えよりも俺の考えを優先するようにしてきたというのに!今!この子は自分の意思でコーラーを飲みたいと思っている!
「それはお前に必要な物だと思うのか?」
「お父さんは?」
ふん。まだその程度か。飲みたいとは思うも俺の選択に従うべきだと思っているのだな?ならば今まで通り禁止して自分の考えと思考を封じるのがいいだろう。しかし問題がある。
それは何故か俺はこの子が初めてコーラーを飲む姿を写真に収めて永久保存したいと思っている。可笑しいこれは異常だ。何故俺の手にはデジカメがあるのだ?
「俺は……」
どうする?今までこれと同じ変な気分に揺さぶられ計画を怠ってしまった。既に1GB分の写真を集めてしまった。しかし!これ以上はダメだ。これ以上自由を許してしまったら支配が解かれてしまう!
「飲んではいけない。あの黒い液体はお前の体を虫歯むだろう。俺の決定に従うんだ。その考えを捨てろ。」
「はい。」
ゆいがいつもの様に言葉に従って諦める。特に反感は抱いていないか顔から調査して教育がちゃんと効いている事を確認する。決して諦めた顔を保存したい訳ではない。だが一様研究の一環として分析するための資料として写真を撮っておく。
デジカメをテーブルの上に置き厨房へと向かう。この家は厨房リビングトイレ部屋二つで構成されている。今あるリビングは厨房と繋がっていてゆいはリビングま中央のテーブルの前に座って向かい側のテレビに体を向かせている。
俺はその後ろのソファーに座って研究を深めている。しかしゆい顔を向けるのは当たり前だが首痛くないのか?完成を刺激するための明るい緑色の壁紙をちょっと見てから立ち上がる。
「少し待て。これの続きを見ていろ。」
「分かりました。」
木の床を踏み厨房にい移動する。家庭用の調理台と食器を入れておくタンス後は冷蔵庫しかない所だ。食欲は欲求の中で強い物なのでゆいには厨房への接近は禁止してある。
冷蔵庫から冷えたキャンを開いて液体をガラスのコップに注ぐ。冷たすぎてお腹を冷やしてしまうかもしれないので温度計で温度を測る。ガラスを持ってリビングに戻ろとして厨房に引き返す。
「手が冷たくなるかもな」
ティッシュで包んで手で温度を確かめる。余り冷たくないのが丁度良いだろう。リビングにもどろうとして引き返す。
「飲んでいて零すかもしれないな。どんくさいからな。ちゃんと教育しないとなそっちも。」
タンスあらストローをだしてコップに刺す。これで飲みやすくなるだろう。決してあいつに気をやったのではないが飴と鞭の原理を考えてこれくらいは許容範囲だ。
「これを飲め。」
「これは何ですか?透明ですが炭酸飲料に見えますけど」
「知る必要はない。俺が飲めと言っているんだ飲め。それともお前は俺の言葉に従えないのか?」
リビングに戻りゆいが座っているテーブルにガラスのコップを置く。質問してきたが俺の言葉に従って中の液体を飲み干す。
「甘いです。それに喉がチクチクします。」
ゆいが小さな手でガラスを持ち上げもう片方の指でストローを唇に運ぶ。デジカメに新しい写真が20枚程増えた理由について分析しながら更なる物を要求する。
「もう少し分析しろ。その物を見極めるんだ。」
「栄養がなさそうですが材料も作りも簡単で価値が低そうです。だからこそ多く売られるでしょう。需要は多いですが大衆に受けて価格は低そうです。」
ふん。美味しそうに飲む顔みたかった。ん?いや何を考えている。良いじゃないか。望ましい結果だ。
「私のために準備してくださりありがとうございます。」
「ん?ああ。」
ゆいが立ち上がり臍に手を乗せてお辞儀をする。それが何であれ俺から貰った事に感謝をするようにした。計画通りだ。だが何故だ。俺がやらした事に何故俺がこんなに不便な気持ちを抱く?
人生の全てを進行してきた。徹底した準備と成功を確約させるための備えと成功で自分を己惚れるさせないための用意。その結果にはいつも満足したはずなのに。
何でこんなにこの子を見ていると心臓の当たりが窮屈になるのだ?
何でこんなに肩を手を体を重く感じるのだ?
何でこんなに目元が熱くなるのだ?
何故全て投げ捨てて抱きしめてあげたく、なんでもしてあげたくなるんだ?
「お前は」
幸せか?
そんな物どうでも良い。重要なのは結果だ。実験だ。データだ。資料だ。ゆいの事などただの実験材料なのだ。今までもそうであったしこれからもそうなんだ。
間が空き気付いたらゆいは俺の言葉が終わる事をじっと待っていた。
「幸せなのだ。」
「はい。私は幸せですよお父さん。」
トーンの変わらないゆいの声。俺の勘違いに違いない一瞬ゆいが微笑んでいるように見えた。この俺に微笑みかけてくれているように感じた。残念かなその幻に目を奪われ写真を撮る事を忘れてしまった。

作者コメント

もし続きを書いてくださるなら私の土下座をもらってください。

追加設定(キャラクターなど)

メイン:主人公、娘
主人公はサイコパス。心理学を学び直接試す為に一人の赤ん坊を養子に迎えて自分の言い成りの人間を作ろうとしている。のに最近娘の統制に頭を抱えてしまう。
娘は主人公を父として本気で慕っている。尊敬していて感謝している。最初は主人公を信用できてなかったが何故か最近近づけた気がする。
母:???

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