ボクの転生物語の第2話 全4話で完結
ボクの転生物語の第2話・A
作者 白猫 得点 : 0 投稿日時:
目覚めると、僕はフカフカのベッドに寝かされていた。
起き上がり、自分の手を見下ろす。
小さい。
紅葉のような手の平。
身につけているのは、ピンクのフリルのパジャマ。
なんということだ、僕は幼女になっていた。
「場所が違うどころじゃない。性別すら違うって聞いてない」
いや、しかし、現代であるだけマシかもしれない。最悪、紛争地帯に飛ばされたかもしれないことを考えれば。
「前向きに生きるんだ!」
叫んだ瞬間、ゼコゼコと咳が飛び出した。
苦しい。肺が潰れて、体中の空気が外に押し出されるようだ。
この体は、とても弱いことを知る。
パジャマの袖で口元を押さえながら、体を丸めていると、扉が開く音が聞こえた。
「まあちゃん!?発作なのっ、大丈夫!?」
駆け寄ってきたのは、見知った少女。
笹本ちひろ。
僕が片想いをしている同級生。
「今はお母さん達いないけど、お姉ちゃんがついてるから。ゆっくり息を吸って」
笹本に抱擁されながら、僕は動悸の高まりを感じるのだった。