わちゃわちゃお泊まり会
作者 ミナト川 得点 : 0 投稿日時:
とても気持ちのいい晴れた朝。
一匹のウサギが、机に向かってハガキをせっせと書いています。
しかし、次の瞬間、書く手が止まりました。
「う〜ん…… これでいいのかなぁ……」
難(むずか)しい表情をしながら悩んでいると、
「ラヴィーノ〜 お友達が来てるわよ〜!」
誰かの呼ぶ声がします。どうやら彼の母親のようです。
「え?なんで急に家に友達が?」
ラヴィーノは一瞬不思議がりますが、すぐに思い出しました。
「……あそうだ忘れてた、今日はお泊まり会の日だったんだ!」
さっそく、ラヴィーノは部屋を飛び出し、階段を勢いよく降りながら、友達の待つ玄関へと向かいます。
そこには、幼なじみの少女・ポンナ、その友達のポメ、ラヴィーノを勝手に親友だと思い込んでいる熱血少年・チータの三匹がいました。
「ラヴィちゃんおはよ〜!」
ポンナが元気よく挨拶します。
「おはよう、というか、そのリュック…… デカすぎない!?」
大きく膨れ上がったポンナのリュックにラヴィーノは驚きます。
「うん、お菓子とかゲームとかいろいろ持ってきちゃった!てへ☆」
ぺろっと舌を出すポンナ。
「もーーーーポンちゃんってばマジパネェんすけど〜〜〜〜!」
「うおおおお!そのお泊まりに全力を注ぐ姿勢、アツすぎるぜ!!!!」
ギャル語全開でウザいポメと、なぜか感動してアツくなるチータ。
うわぁ……こんなんで一晩無事に過ごせるかなぁ…………)
ラヴィーノは一気に不安になります。
「あ!そうだ、実はね、もう一人来てるんだよ〜……バニラちゃ〜ん!」
ポンナがそう言うと、どこか険しい表情をしたウサギが、ドアの端からひょこっと顔を出しました。いつもみんなにキツく当たってくる少女、バニラです。