桜咲くその日までさようなら
作者 ちひろ 得点 : 2 投稿日時:
「えぇ、まずは皆さん卒業おめでとうございます────」
あぁ、もう終わりか。
何もなかった高校生活だった・・・・
友達とのカラオケや店巡り、友達なんて一人もいなかった。
恋をして告白したり、そもそも気になる女子もいなかった。
部活にのめり込みがんばる、部活なんかにも入らなかった。
いい点を取って下剋上、そんな学習能力はなかった。
「皆さんには夢のある大学生活、もしくは頑張って就職活動を─────」
結局、どこまでも淡白で何も感じれないブランクなまま短大に通いバイト三昧の日々を再び始めるのが自分の人生なのだろう。
「悔いのないような────」
嗚呼、今この場で自殺したい気分だ。
「どうしてだろうな・・・・」
なにもしてないのに教室の隅に追いやられ、苦しんで学校にも通い、
バイトもしながら筋肉痛で痛がりながら授業を受けてるのに一向に成績は伸びず、
いつも授業中でさえ遊んでる奴らが楽しく教室の真ん中で粋がってるのが不思議でならない。
「はぁ・・・・・・」
何処か遠くへ、
「俺は・・・・」
例えば未来、一体自分という虚無的人生を送ってるはずの俺は────
「どうなってるんだろうな・・・」
『ならさ、見てみない?』
「・・・・・え?」
やけにエコーのかかった声だ。
何処から響いてるんだろうか?
『だから、未来を見てみたくない?』
これは、空耳だろうか?
それでも、いいや──────────
「見てみたいな・・・・」