窓を開けたい第6限
作者 しとるんご 得点 : 0 投稿日時:
外で、桜が舞っている。
高校に入学してから一週間が経った。
中高一貫校だから、友達の心配はない。
今日も相変わらず瑞稀と話している。
「高校の制服、やっぱ可愛いよね」
「中学の制服とは全然違うや」
談笑して、休み時間が終わる。
これもいつもと同じ。
「今日自習室で一緒に勉強しよう」と約束を交わしていた。
正真正銘の文系女子、と言えるかは微妙だが、自分ではそう思っている。
数学と物理が大の苦手で、古典や世界史・日本史が得意。
高二の教科選択も、文系にしようと思っている。
だから、瑞稀に憧れちゃうんだ。
友達なのに。
同じはずなのに。
いつの間にか瑞稀は私が接せられる人ではなくなっていた。
中学に入ったばかりの時は、「同じにわか文系女子」として知り合い、友達になった。
今は、理系女子になりかけている。
もしかしたら、彼女はもう友達じゃないのかもしれない。