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さいきょーあんどろいどしすたーず第2話 全4話で完結

さいきょーあんどろいどしすたーず/にわ

作者 紅い眼鏡 得点 : 0 投稿日時:


1. 姉の発想パラノイア

 わたしはきゅうきょくにしてさいきょうのじんこうせいめいたいとしてせいぞうされたすーぱーあんどろいど21ごうです。さいきょうのそんざいとしてつくられたわたしはさいきょうでなければならないので、きょうもわたしよりつよいてきをさがしてぐーぐるけんさくです。 
 さいきょうでしらべると「どのかくとうぎがさいきょうか」というようなおはなしをしているところがありました。かくとうぎというのはにんげんがさいきょうになるためのぎじゅつらしいです。からてやじゅうどうはそうごうかくとうぎではかつやくできないのでだめ?でもからてはめやきんてきをつぶせる?それならこぶじゅつのほうがつよい?たいじゅうがすべてをきめる?そもそもすとりーとふぁいとではせんてひっしょう?
 それならないふをもちだせばいい?それならじゅうはどうなる?じゅうとじゅうがあいてならにんずうがおおいほうがいい?ぐんたいがさいきょう?でもなんにんあつまってもかくみさいるでぜつめつ?
 とちゅうからあまりよくわかりませんでしたが、さいごにはかくみさいるというかくとうぎをつかうあめりかがっしゅうこくだいとうりょうがさいきょうなようです。なので、『これからあめりかがっしゅうこくだいとうりょうを殺そうとおもいます』。
 

2. 妹の返答サディズム

 ちょっと待って下さいお姉様。情報収集の手段がネットのグーグル検索一本槍というのも情けないですし、あろうことか辿りついた情報源が匿名掲示板というのもありえませんし、その右の人差し指一本で数十秒かけて数文字を打つ姿など憐憫の一言ですし、そもそもなぜ我が家に住み付いて私の端末の前を陣取っているのかについても問い詰めたいのですが……そういう込み入ったお話をお姉様にしても仕方がないので論点を絞りましょう。
 確かにアメリカ合衆国大統領は核攻撃のスイッチを握っているそうですね。ああ、出撃準備は待ってください。アメリカ合衆国大統領は別にお姉様の言うような最強ではないですよ。……いきなりウイングを展開したままぽかーんとした表情で固まるのもやめてください。可愛いですけれど。
 アメリカ合衆国は核兵器を、ええと、アメリカ合衆国の大統領は核ミサイルという一度に何十万人も殺せる兵器を打つ権限……格闘技が使えますが、まずそもそもそれはアメリカ合衆国大統領だけではありません。他にもロシアや中国、フランス――要するに核ミサイルという格闘技を使える相手は何人もいます。あら? 全員殺す、というような頭の悪い発言をしようとしているなら、やめてくださいね。――その図星を突かれたことを隠そうともしない態度、酷くお間抜けですけど、素敵ですよ。
 さて、このように最強たちが複数で睨み合っている場合、誰を「最も」強いと判定するのでしょうね。お姉様は究極にして最強の人口生命体として製造されたのですから、他に並び立つものがいないオンリーワンなはずです。複数の最強が共存する状況は当然ながら許せませんよね。では、この中からどう最強としての矜持を示します?
 ああなるほど、先制攻撃ですか? 先制攻撃は――最悪です。この返しでそこまで両目を見開いた無表情になったということは恐らく大変な自信を元に仰ったのでしょうから、もう一度重ねて述べますが、非常に最悪です。あのですねお姉様、周りにはうじゃうじゃと自分に並び立つ最強たちがいるのですよ? 例えばお姉様がアメリカに殴りこみをかけるとしますね? お姉様は大変疲れますよね? 最強相手に攻撃をかけるというのは、とても疲れるものなのです。核攻撃だって同じですよ、とても多くの準備とコストがかかって疲れます。すると仮に攻撃相手を倒せたとしても、すぐに別の最強から狙われるカモになってしまいます。ほら、最強たちのなかで本当に最強になるのは、とても難しいんです。
 ――――でもね、「アメリカ合衆国大統領は別にお姉様の言うような最強ではない」というのは、そういうことではないんですよ。
 アメリカ合衆国大統領は、最強になりたくて核兵器を使えるようになったわけではないんです。お姉様は端から最強を自負しているのでしょうが、最強がすべて元々最強になりたかったわけではなく、むしろ一番強くなくても自分の大切なものを守るために、相手より少し強くなるだけで良かったと思っていた、という方が正確でしょう。
 そうであるなら、なぜ彼らは最強になってしまったのか、ですか? お姉様、相手よりただ少し強くなるだけで良かったと誰もが思っていたからです。アメリカ合衆国大統領が相手よりも少し強くなることで身を守ろうとすると、例えば――そうですね、お姉様にとっての私とも言っていい宿敵のソ連首相がもう少し強くなりますよね? するとそこから身を守ろうと、アメリカ合衆国大統領はもう少し強くなり、それでソ連首相ももう少し……。相手より少し強く、相手より少し強く、相手より少し強く――気付けば最強が手に入っていたのでしょうね。まごうことなき、数十万の命を一瞬で無にする最強が。
 最強の存在として創られ、より強さを求める。……これがお姉様の言うような最強ですが、強くなろうとしないまま最強に「なってしまった」ものもいるのですよ。そんな彼らによって核という格闘技が実際に相手に放たれたのは今まで二度ほどしかないらしいです。恐れているのでしょうね、自らの力を。我々は確かに常に学習し、仕様を変更し、より強くなっていくように設計されておりますが、そうであれば強くなることを本質的な目的としないシステムによって強くなってしまったものどもと異質なのでは?
 つまり、つまり――お姉様は最強として遙か下界を蹂躙するとき歓喜の顔を浮かべているのでしょうが、私だってその場にいれば恐らくそうなるでしょうが……人間であるアメリカ合衆国大統領の顔にはもしかしたら――――
 いいえ、ええと。……あら? なんですかお姉様、そのお顔は。お姉様に魂なるものがあるのかわかりませんが、元々ないかもしれないそれがどこかへ飛んでいったような……どこまで記憶があります? はあ? 「総練習」――なんの?……ああ、「ソ連首相」のあたりまでですね。結構大事な話が飛ばされた気がしますが、今の目が虚ろな表情などとても可愛かったので、あとあとインスタに上げておきましょう。
 ああそれとお姉様、先程お姉様が匿名掲示板に書きこんだ『これからあめりかがっしゅうこくだいとうりょうを殺そうとおもいます』というワード、軽く炎上しておりますよ。殺害予告として通報もされているので、ご自分できちんと責任を取ってくださいね。








3. 開発者の記録ノーバディ・ノウズ

 SAS-21の学習が揺らぎつつほぼ想定通りの推移。SAS-22が好く触媒になっている。
 第一接触におけるSAS-21への影響は特に予想以上。究極にして最強の人口生命体として設定されたSAS-21の他系列及び製造者の抹消という正論を真正面から詭弁で抑えている。SAS-21及びSAS-22の学習モジュールの柔軟性(音声記録再生。「我々は常に学習し、仕様を変更し、より強くなっていくように設計されております」。なるほど端的にそうだ)は時に危険性が予測されるがSAS-21へのSAS-22の教化には今のところプラス。
 第二接触の成果も良好。人類側への敵意を詭弁によってコントロール成功。あえて気になること。SAS-21への強化役としてヒトの知能のエミュレートをより精緻にしたSAS-22の未確定要素さ。最後に「アメリカ合衆国大統領」に言及した時。要分析。
 ここ256時間で「敵」によって人類全体の0.086%が削られたとのこと。真の最強にして究極の人口生命体がタイムリミットまでに完成しなければホモ・サピエンスは絶滅。

作者コメント

全体の流れを通すような展開もいれましたが、このまま姉と妹の駄話で終わってもよかったかもしれない。

追加設定(キャラクターなど)

・スーパーアンドロイド21号(姉)
最強になるため現在妹の家の端末で学習中。

・スーパーアンドロイド22号(妹)
最強になるため現在妹の家の端末で学習している姉に突っ込みを入れる。

・開発者様
姉と妹の会話によって真の「最強にして究極の人口生命体」を作ろうとしているのかもしれない。

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