ヴァンパイアの私を愛さないで
作者 祈矢暁月 得点 : 2 投稿日時:
「人間界には、あんなものやこんなものがあるのか…。」
私は16歳、新高校一年生の千宮紬季。実は私は人間ではない。私が住む世界から上京みたいなことをしてきたのだ。人間でなければ何なのかというと—、
吸血鬼。
そう、私は吸血鬼の世界から人間界へとやってきたのだ!
今日は人間界での高校のにゅうがくしき?があるそうだ。
だから今私も高校に向かっているというわけだ!
「永原、あいつまた屋上にいるのか。今日は入学式だというのに、準備の一つや二つ手伝ってくれてもかまわないだろう…。」
担任の教師が今頃そうぼやいているころだろうなと考えながら、僕は青空を眺める。屋上にいると落ち着く。毎日少しずつだが変わっていく空模様を見るのが好きだ。
僕の名前は永原冬季。この高校の三年生だ。いつも授業に出ずに屋上にいる、「屋上ボッチ勢」だ。
この時まだ僕は知る由もなかった。
この後入って来る新一年生に、順風満帆な屋上ライフを乱されることになるとは。
そう、このころ私はまだ知らなかった。
入った高校の人間の先輩に、愛されまくることになるということを。
ねえ、お願い先輩。
ヴァンパイアの私を愛さないで—