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アイドルとかいう異能力の無駄遣い!第2話 全10話で完結

アイドルとかいう異能力の無駄遣い!の第2話

作者 NOVEL 得点 : 0 投稿日時:


ステージから魔法を振り撒く”スピル”は今日も絶好調だ。観客の脳内では天上の調べが奏でられていることだろう。
国家情報局のエージェントであった彼女が突然退職してからもう3年が経った。桁外れの能力強度を有し、諜報官として将来を嘱望されていたエリートが辞表を持ってきたのだから、当時は上を下への大騒ぎとなった。
組織を抜けた彼女は当然高給も失った。ブランド好きで毎月クレジットカードを使い倒すというのに一体どうするのかと思っていたら、彼女は手っ取り早く稼ぐ方法として『偶像アイドル』という仕事を始めた。
彼女の異能と選んだ仕事は皮肉な程噛み合っていた。その場に立つだけで周囲数百m以内の知性体を魅了できるのだから、全く詐欺もいいところだ。
俺だって腕に付けている特注デバイスが無ければ一瞬でアヘ顔を曝していると思うと、底知れなさに総毛立つというものだ。
国際情勢は混迷を極めており、人材確保は急務だ。今日こそは彼女を説得してやる。うっすらと滲む汗を感じながらも、俺は楽屋に引っ込んだ異能者の元へ足を進めた。

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