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私の思い

作者 のとりあす 得点 : 0 投稿日時:


キーンコーンと鐘の音がして私の意識が戻る。
「起立、礼」と授業を終わらせた、いつもどおりの退屈な変わらない日常。
だが、そんな私の日常はある一つの人によって変わる。
「まいっちー!起きてる〜?」
と、陽気に彼女、一ノ瀬いちのせゆいは話しかけてくる。
「起きてるよ〜もう…」
「でも、授業の後半寝てたじゃん!」
「それは…あの先生がつまらないから…」
「それに、私は授業ちゃんと理解してるし!
私の心配するよりも自分の心配したら?」
「うっ……舞様…教えてくれませんか?」
「もう、仕方ないな〜どこがわからないの?」
「わーい!ありがとう。まいっち!」
結は私の小学校からの幼馴染で学校の登下校や学校行事やクラスさえも一緒のことが多かった。
だから、親友?といった関係にある。
でも、私は違う。
彼女に微かかもしれないけど恋心が芽生えつつある。
「ここが、こうでそうするとこれがこうなる。わかった?」
「おぉ〜!さすがまいっち。わかりやす〜い!」
「助かったよ、ありがとう!」
「どういたしまして。」
「まいっち、放課後空いてる?」
「放課後、どうして?」
「ちょっと聞きたいことあってさ…」
「う、うん?わかった、教室で待ってるね?」
何の話か全く検討がつかないが予定もないので付き合うことにした。
そして時は流れ、放課後になった。
「お待たせ〜係の仕事出遅れちゃった〜」
結はいつもと変わらぬ笑顔で来る。
「うん…話って?」
「えっと…さ、まいっち最近何かあった?」
「え?どういうこと?」
「何か、雰囲気が変わったていうか、私喋ってると違和感があってさ……。」
「違和感?」
「うん…何ていうか、ごめんね、私語彙力無いからうまく説明できないけど昔のまいっちに比べて大人びたって言うか…。」 
「そ、そりゃあ私達もう高校生だよ?変わるに決まってるでしょ?」
「違うの!何ていうか私の知ってるまいが消えたって言うか何ていうか……。」
「消えた?もう、おかしなこと言うために私のこと呼び出したの?」
だが、彼女の言っていることは正しい。
友達が恋愛対象としても見れる自分が出てきたせいで友達として見てたときと大きく変わっているに違いない。
そして、それを悟られないように自分を偽り友達をも偽る自分がいるのだから。
「結、帰ろう?もう遅くなっちゃうよ?」
「うん、そうだね……。ごめんね変なこと言って。」
「私は気にしてないよ〜!」
私はまた嘘をついた、憂鬱になりそうだ。
私はいつまで自分に、そして友に嘘を吐かなければいけないのだろうか、その背徳感に押し潰されそうになる。
「ねぇ、まいっちキスしよ?」
「へ!?な、何言ってんのよばか!」
「だめなの?」
「駄目に決まってるでしょ!私達女同士だよ?それに…。」
「女同士でも、友達同士なら良くない?」
「まいっちがそんなに嫌って言うならしないけど…」
「別に…そんな嫌ってわけじゃないけど…」
「やっぱり…まいっち変だよ。
昔のまいっちならこんなのきっぱりと断ってたもん。」
何なの……?急に優しくしてきて……。
「まいっち、不安なこととか無い?私心配だよ?いつものまいっちみたいに私の無茶振りに答えてたけど今回は少し違う気がしてさ……嫌なこととかあったら言ってよ?」
「……………悩み事ならあるよ。」
「え?」
「私さ…結との関係で今1番悩んでる。」
「私との関係…?」
「うん…私さ、結のことが……」
本当に言っていいのかな……?
これは自分が悪い。そんなことは私が一番わかってるのに……
嘘の次は責任を他人に押し付けるのかな?
自分が勝手に好きになっておいてそれを人のせいにするの?
そんな雑念が私の思考に降りかかる。
でも、言わないとスッキリしない……。
それに私の様子がおかしいのはもうばれてるし…。
「私のことがどうしたの?」
「結のことが………」
「すき…。」
「え?そんなの知ってるよ?」
「それに私も好きだよ?」
「違う!あなたの好きはあくまでも友達としてでしょ!?」
「私は一人の女の子として恋してるの!!」
と、私は少し怒りぎみに強い口調で言い放つ。
「え?でも…。」
「何なの?いきなりキスしようとか言い出してそれで私が断ったらあなたはおかしいとか言い出して…。」
「私のことを弄んでるの?私は苦しんでるのに…。」
「馬鹿にしてんの?軽々しく相談に乗るとか言うな!
私のことを少しも理解してないくせに!」
「えっと…」
「もう、これ以上私の前に近づくな!!
イライラするんだよ!あんたが近くにいると!」
「…………うん、ごめんね舞。」
結はそう短く言い残し私の前からゆっくりと一定のペースで歩き教室をあとにする。
コツコツと廊下を歩く軽快な音が鳴る。
そして、それがその音が遠くなり安心したと同時に私は啜り泣く。
何で?私は泣いているの?
私は自分が泣いていることに顔をつたい顎から膝にかけて落ちる涙で気づく。
私がなく必要は無いのにどうして?本来泣くのはあんな理不尽なことを言われて絶交された結のはずなのに…。
それ以前に私は結のことは嫌いなはず。
私を馬鹿にしてくるあの人が、それなのにどうして……。
私は結が居なくなって胸が張り裂けるそうになるの……?
結のことなんかどうでもいいのに…!

作者コメント

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で小説を書かせている新参者ですがどうか続きや指摘等をくださると非常に助かります。

追加設定(キャラクターなど)

高ノ宮 舞
高校生
頭が良く一度ぐらいの授業なら聞き逃してもどうにかなる。
一ノ瀬 結のことを妹のように面倒を見ながらも恋人になりたいと思う1面もある。

一ノ瀬 結
高校生
舞とは小学校からの幼馴染で舞と比べて陽気で純粋さを持っており周りからは常に明るい子という印象を持たれている。
舞とは親族を除く誰よりも中がよくお互いを信用しあっている。
少し幼さなも残っており舞のことを姉のように慕う。
舞のことは親友だと思っており、舞のことは恋していると明かされるまで気づかなかった。

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