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俳句道場の佳句を集めてみる (No: 1)
スレ主 ハオニー : 2 投稿日時:
俳句道場に投句なさっている方はたくさんいらっしゃるのです
おそらく、100人ほどいらっしゃるでしょう(たぶん)
ここでは「みんながいいと言ってくれる俳句」というより、「私はこの句が特にいい」と言うものをこちらで紹介していきたいと思います
もちろん、皆様からの投稿もお待ちしております
カテゴリー: 俳句の相談、質問
この投稿に返信する!俳句道場の佳句を集めてみるの返信 (No: 2)
投稿日時:
乳呑み子の涎を拭ふ雨水かな
作者 腹胃壮様(実力のある方)
季語・雨水(うすい)(春・時候)
二十四気の一つ
立春から十五日目で、陽暦二月十九日ごろ
雪が雨に変わり、草木が芽吹き始める時季
評価
乳呑み子を抱いて、ミルクを呑ませている母親を想像した一句であると私は判断した
雨水(うすい)のイメージには地域差があるのだが、激しい雨が降る頃ではないだろう
乳呑み子のやわらかさ無邪気さなどと、本格的な春を迎えようとする期待を託した「雨水(うすい)」との相性がとてもよい
時候の季語に感情を託すのは、季語をきちんと知らないと怖くて出来ないものだ
そういった季語を理解できる読者が増えてほしいものである
句会で選ばれる句は基本的に「ちょうどよく口説い」ものだが、こちらの力作はきちんとした軽さのある句となっている
自信が感じられる句なので、「かな」ではなく「なり」と言い切ってしまっても良いと思った
俳句道場の佳句を集めてみるの返信 (No: 3)
投稿日時:
鳥曇おかずを作りすぎる癖
作者 塩豆様
季語・鳥曇(とりぐもり)(春・天文)
ガン・カモなど秋冬を日本で過ごした渡り鳥が北に帰る頃の曇りがちの空
評価
そこそこの年齢のお子さんを持つ母親の視点で、鳥曇の日の何気ないワンシーンを描写したものだと読めた
鳥が北の空へ帰っていく喪失感と、休暇明けの子供がそれぞれのところへ帰っていく喪失感が共鳴しているように感じられた
このおかずをつくっている人は、指摘されるまで「おかずを作りすぎる癖」を意識しなかったのだろう
小さな発見が詩を生み、きちんと映像が立ち上がっていく
読み手の想像力をきちんと信じている、親心ある一句だ
余談ではあるが、この「癖」に代わる言葉は見つけられなかった
きっと、子供が長期休暇で「癖」と呼べるほどになってしまったからだろう
人気投稿!俳句道場の佳句を集めてみるの返信 (No: 4)
投稿日時:
いつもお世話になります!
たまに添削道場で好きな俳句は見かけるのですが回転が早くてすぐに忘れてしまいます。。ざっと振り返ってみて絞るのも難しかったですが、三つほど選ばせてもらいました。
深呼吸の最後の無音大夕焼
ハオニーさん
落ち着いた雰囲気の中にも何とも言えない焦燥感も感じました。「大夕焼」もさることながら「無音」という言葉の力もすさまじい。。
十八の息照らされて曇る月
おーちゃんさん
少なくとも私ではこんな事は絶対に思い付かないです。実体験がどれだけ大事か再認識した一句です。
胡桃食ふこめかみに音集め食ふ
竹内さん
楽しいです。胡桃は殻が堅い一方で中が比較的柔らかいイメージがありましたが、「柔らかい」にも色々あるものかもしれません。
また、ちょっと話が別になりますが入選報告の俳句はやはりどれも良いと思いました。特に腹胃壮さんの
隧道の滴るままに廃れけり
は突出していると自分の中では感じます。
俳句道場の佳句を集めてみるの返信 (No: 5)
投稿日時:
どうも御世話様です。腹胃壮です。
管理人のかぎろいさんが開設してどれぐらい経つのかは覚えておりませんが俳句添削道場にはかなりの佳句、良句が残されているはずです。
勉強のため私も一句ずつ掘り起こし改めて鑑賞してみたいと思います。
では今回はスレ主に敬意を表し
絵日記は真っ白のまま天の川 ハオニー
まず読者に語りかけるような助詞の「は」がいい。自分なら
真っ白のままの絵日記天の川
としてしまうがその差は歴然としており、ハオニーさんの「は」の使い方には温もりと安心感がある。
また、取り合わせの距離感が抜群に良い。季語から察するに小学生の夏休みの宿題であろう。
そして絵日記が真っ白なままなのはなぜか。単純に子供がサボっていた。あるいはずっと入院していた。夏休みを目前に亡くなった子供の絵日記とも想像できる。
このように想像の幅が広がるのは中七で切った取り合わせの距離感の恩恵であろう。
改めて俳句は「不条理」の文学である事を実感させられた句である。
それでは今後も少しずつ皆様の句を改めて鑑賞と検証をしていきたいと思います。
俳句道場の佳句を集めてみるの返信 (No: 6)
投稿日時:
暖かや麻痺の手舐めるセラピー犬
作者 竹内様
季語・暖か(あたたか)(春・時候)
暑くも寒くもないほどよい温度
評価
この手は動くようになるだろうか?
実際にこの状況にならないと、真の辛さは理解できないだろう
その中でしなくてはならないリハビリは、人間の心を確実にすり減らしていく
「麻痺の手」は、その方のすり減った心を象徴しているようだ
その辛さは人類と古くから共生している犬が和らげてくれるかもしれない
「セラピードッグ」はその可能性を追求した救世主である
補助療法(手術以外の治療を指す言葉)として、今日も日本のどこかで訓練と実践が行われている
その実践の場を一句のテーマにしたことにしている
ぜひ、手取り足取り教えて立派なセラピードッグを育ててほしい...と言いたいのだが、犬には前足後ろ足はあるが手はない
人間と犬という存在があって、両者の付き合い方のひとつがきちんと見えてくる一句
俳句道場の佳句を集めてみるの返信 (No: 7)
投稿日時:
受信機が混線しだす霜夜かな
作者 唯我独善様
季語・霜夜(しもよ)(冬・天文)
晴れた寒気のきびしい夜に、霜は降りる
家にいても、しんしんと寒さがつのる
夜空には星が澄んで見え、一段と輝きをましている
こんな霜の降る夜のこと
評価
某国によるサイバーテロと日夜戦っている、この国のどこかを描いたものだと推測した
何の受信機かは分からないがよくよく考えてみると、ラジオかパソコンかアマチュア無線かなどけっこう答えが出てくる
受信機は我々の生活に浸透しているのだ
その中のどれかなのだが、読み手の想像に託したようだ
時間経過が「しだす」ではっきり言えているところがきちんとしている
霜夜だというのは、外を見て直ぐに分かるものではない
霜が降りてきて初めて分かる
同様に、混線しだすというのもすぐには分からない
聞いていて音に違和感を抱いて初めてわかるものである
親和性の高い言葉を巧みに取り込んだ、力作と呼ぶにふさわしい一句である
俳句道場の佳句を集めてみるの返信 (No: 8)
投稿日時:
いつもお世話になっております。
竹内です(*^-^)
ハオニー様や塩豆様に句を選んでいただいて天にも舞い上がる気持ちです🎵
でも、私は自分に才能あるなどと勘違いは致しません…😞
こちらの道場で投句してしまうと「未発表に限る」という大会や句会に出せなくなってしまうので、皆さん「これぞ!」という全力の句はもったいなくて投句されないのだと思います。
もちろん投句された中にも素晴らしい句はありますが、私はやっぱり添削句にこそ、その方の力を感じます。
「かっこよく、オレ色に染めてフルチェンジ✨」より、どれだけ下手でもその人の存在を全て消さないように何を伝えたいのか、どうしたら伝わるのか考えて添削してくださるハオニー様、腹井壮様、かぬまっこ様はそれだけ大きな力を感じます。
添削句で私が素敵だなと思った句は、自分の好きな俳句集にせっせと集めています。
もちろん、添削句は私の句ではないので、一人で夜中にこっそり楽しむだけですが😃💕
挙動不審の蝶を羨む日の車窓
作者 ハオニー様
こちらの句は、俳句クラブで見つけた句ですが、まだ俳句が全くわかっていないときの私でもハオニー様の描く世界が目の前にぱっと広がって素晴らしいなと思いました。
ここでもないわここでもないわとつぶやく蝶
作者 夏井いつき先生
私はこの句を詠んで、蝶の声が私にも聞こえてきて、もっと俳句を知りたいと歳時記を買いに行きました。
これ以上の蝶の句はないと思っていましたが「挙動不審」はまさに蝶の動きそのもので本当に素晴らしいと思いました。
私が消えてもまた似たような絵日記俳句の人がいくらでも現れますが、ハオニー様の代わりはどこにもいません。
ハオニー様こそ、まだお若くてこれからがすごくすごく楽しみですね😃💕