「母の日や居ぬ子の影追い猫かなし」の批評
回答者 慈雨
西村和恵さま、初めまして。よろしくお願いいたします。
「母の日」から猫に発想を飛ばすのは新鮮ですね。
寂寥感のある、佳い句だと思いました。
気になったのは「居ぬ子」。
私はコメントを読む前は、人間の子どもかと思いました。
何かの事情(亡くなった、引っ越したなど)で居なくなった子ども(人間)。飼い猫がその子を探して家の中をウロウロしている。母親である自分も、子どものいなくなった母の日を切ない気持ちで迎えたーーといった句かと。
ここは猫のことだとわかるようにしたいです。いくつか方法はありますが、たとえば「仔」とすれば動物だとわかりますよね。
あとは「かなし」。
お気持ちはわかりますが、俳句は17音という短い詩なので、感情まで盛り込むのは無理があります。嬉しいとか悲しいといった感情は書かず、淡々と光景を詠んだ方が成功しやすいです。
作者の気持ちは読者が想像してくれます。「かなしい」と言われるより、「いなくなった子を探す猫を、作者はどんな気持ちで見ているんだろう」と想像してもらった方が深みが出る気がしませんか?
・〇〇〇〇や母猫は仔を探しをり
最初の4音は季語が入ります。「母の日」よりも適切な季語があるように思うので、空けておきました。いろいろ試してみてください!
(「をり」は「~し続けている」という意味の助動詞です)
長文失礼しました。
またよろしくお願いいたします。
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里親に出された子を探して歩く母猫の様子です。