俳句添削道場(投句と批評)

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彼岸花ファインダ越しやボードレル

作者 森田拓也  投稿日

コメント(俳句の意味。悩みどころ)

こんばんは。
読んで下さり、どうもありがとうございます。

ボードレールというのはフランスの詩人で『悪の華』『パリの散文』なんかを書いた人らしいです。僕は読んだことがありません(笑)。
カメラで写真を撮ろうとしたらファインダーの向こう側にボードレールの亡霊が見えたというのが句意です。
亡霊を「彼岸花」という季語で表現したつもりなのですが、
上五と、中七下五が効果的にぶつかっているかどうかが、
心配です。
アドバイスいただけたら、嬉しいです。
よろしくお願いします。

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彼岸花ファインダ越しやボードレルの批評

回答者 三日酔いの防人

森田拓也様、お早うございます。句を拝見させて頂きました。森田様の着眼点は非常に独創的で日々刺激を与えられます。この場をお借りして御礼申し上げます。
さて、ボードレールの句ですが、ボードレルでは違う人物になってしまうため、字余りになったとしても、的確に表記する必要があります。季語との取り合わせはについては、ハオニー様御指摘のとおり死者を連想させることや作風などから良いと思います。この句で一番難しいところは、ボードレールと季語のどちらに重きを置くかです。情景だけを切り取ると、彼岸花の写真を撮影に行った人物がカメラのファインダーを覗くとそこにはボードレールの亡霊がいたとなります。
つまり撮影者がボードレールに対して深い思い入れがないと句が成り立ちません。私は耽るという言葉を提案させて頂きます。
この際、ファインダーは切り捨てて破調で失礼します。
ボードレールに耽け白き曼珠沙華

点数: 1

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「彼岸花ファインダ越しやボードレル」の批評

回答者 ハオニー

添削以来の句が最近出てこないハオニーです
質が上がり、量は減りました

余談はさておき、こちらの句で解説しましょう
「や」は文法的におかしいと気づいたようですね
そうです、「や」は来ない方がいいのです

彼岸花/ファインダ越しや/ボードレル
「/」で句の切れる場所を表現しています
一句が三つに切れています
俳句ではこれを「三段切れ」といい、一句がまとまりづらい、調べが滞る、リズムが悪いと嫌われる傾向にあります
三段切れの成功例はたくさんありますが、避けるのが無難です

感想
カメラ越しにシャルル・ボードレールの姿が見えたのかもしれない、というものだと伝わりました
彼岸花の「彼岸」が死を連想させるので、季語の使い方は合っていると思います

切れ字をするとしたら、ファインダ越しを強調するよりはボードレールを強調した方がいいと思います

カメラのファインダにボードレールが映ったかもしれない、というのなら
疑問・反語の「か」を使い
ファインダにボードレールか彼岸花

彼岸花という季語が先にでると、「あー、このボードレールという何かは亡くなった人なのだろうな」と展開が読めてしまいます
俳句を途中から読もうとする人はほぼいないので、上から下(横書きなら左から右)へ読んだときの展開を考えて語順を決めればいいのです

点数: 2

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添削対象の句『彼岸花ファインダ越しやボードレル』 作者: 森田拓也
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