「暁の参道冴ゆる石畳」の批評
回答者 イサク
おはようございます。
「冴ゆ」はかっこいい季語ですよね。
なんでもかんでも「冴ゆ」をつけたがる初心者さんも多いのですが、きっちり使い分けましょう。
御句は
◆「参道」と「石畳」の重複感(お二人から先にあります)
◆まず、語順と文法の問題です。
「冴ゆる」がかかっているのは「参道」ですか?「石畳」ですか?
「冴ゆる」がどっちにかかるか、文法からも意味からもわからない「山本山」です。
作者としては「どっちでもいい」はやめて、できるだけ誤読のない形を目指すべきだと思います(こま爺様に同じ意味のコメントがあります)
◆「寒し」「冷たし」などと比べて「冴ゆ」はどんな季語か?
国語辞典や歳時記は確認しましたでしょうか。
「冴ゆ」は主に「冬の空気の寒さ・湿度の低さなど」によって「空気が澄んで、光や色や音が鮮やかに感じられる」という季語です。
季語単独で使った場合上記の「空気感」のことになりますし、名詞と同時に使って「○○冴ゆ(る)」の形になることも多いです。
例えば「鐘冴ゆ」という季語の意味は音に寄っていて、鐘の音が冴えて聞こえることを表します。鐘に触れて冷たかったという場合は「鐘冷たし」となります。
他にも「月冴ゆ」「星冴ゆ」「風冴ゆ」などの形がよく出ます。
御句は、山本山なので解釈を二通り考えますが
◆「暁の参道冴ゆる」とかかるのが作句意図なら「朝の参道の風景が冴えて見える」と解釈できるのですが、文章や俳句五七五のつながりが不自然な感じです。少なくともこの意味の場合、語順は「冴ゆる暁の参道」にしたいところ。
◆「冴ゆる石畳」とかかるのが作句意図なら、「石畳が冴えて見える」という感覚になります。間違ってはいないのですが「冴ゆる」という季語の感覚が、目の前にあって触れられる「石畳」に合うかどうか。
とはいえ、いろいろと「冴ゆる」をかけ合わせて受け手を感動させるのも俳人の腕次第。
提案句は「参道が冴えて見える」の方の意味で。
・暁の参道冴えわたりにけり
点数: 2
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ルーティンの朝参りですが、関西でも、夜明け前は、もう真冬の寒さです。