俳句添削道場(投句と批評)

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盃に浮かぶ花シワばかり増え

作者 田中なかすじ  投稿日

コメント(俳句の意味。悩みどころ)

毎年花見をしながら酒を飲む親友同士の句です。
学生時代から夢を語り合う親友のような、兄弟のような2人のほろ酔いで浮かれた気持ちと、大人になっても変わらず夢を語る様子をよんでみました。

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「盃に浮かぶ花シワばかり増え」の批評

回答者 イサク

おはようございます。

なおじい様がだいたい私と同じ考えを語っておられます。一点注釈で、私は「花びら」は意志を持って桜の花びらとして使えば季語として機能すると考えていますが、避けるべきと指導する先生はいらっしゃるらしいです。

それ以外の部分で気になったのは「ばかり増え」の説明感でした。そもそも「シワ」に対してそのような説明が要るかどうか・・?
ここもなおじい様が上手で「友」を出した方がよいという意見。ここは私も賛同で、「皴の友」に注目すれば「皺が増えたこと」は受け手が補ってくれそうですし、酌み交わしているならば自分ではなく「友」を見ていると思いますので、一抹のリアリティになります。
(友と飲んでいるのに鏡で自分ばかり見ているような人は、それはそれで句材にはなりそうですが・・)

たとえば語順で上五「盃」の位置は変えずに

・盃の花びら友の顔の皴

「花びら」は季語として使えない、ということなら

・皺の友酌む盃へ飛花ひとつ

今度は「酌む」不要論もあるかもです。
御句の内容を「花見の友の皴」の九音で言いつくして、別の要素を足す方法もあります。

・高い酒空けて花見の友の皴
・ちびちびと啜る花見の友の皴

ここまで来ると句意が変わりますね。いろいろ考えてみてください。

句の評価:
★★★★★

点数: 2

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「盃に浮かぶ花シワばかり増え」の批評

回答者 なお

句の評価:
★★★★★

田中なかすじさん、こんにちは。
御句拝読しました。
旧友と、桜を見ながらの語らいはいいものですね。

御句、「盃に浮かぶ花」ですが、まず、花と言えば俳句では桜のことですので、季語的にはいいのですが、このままですと、桜の花がゴボッと全部浮いていることになります(わかりますかね?)。
おっしゃりたいのはそうではなく、散った桜の花びら(花片)が、盃に舞い降りたということですね。
あらちゃんさんのご提案句はその点を上手くお詠みです。花片(花びら)だけで単純に桜の花びらを意味して季語になるというものでもなく、やはりこれは桜の花びらなんだよと読み手に想像させるような作りが必要だと思いますが、「盃に浮かぶ」と「語らふ」で、花見の雰囲気を上手く演出しておられます。

御句に戻ります。
シワ、これは皺と漢字にしたいです。また、「シワばかり増え」はご謙遜と思いますが、俳句では謙遜するとそのまま受け取られる場合があります。御句ですと、「何もしないで年ばかりとった」みたいに。それは損ですので、見た通りを普通にお詠みになったほうがいいのではと思いました。

・盃に花びら友の皺増へし
・桜散る語らふ友の深き皺

皺が増えたのは友だちだけでなく自分もですが、友のと言えば読み手は「作者もだろう」と想像してくれると思います。

点数: 1

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「盃に浮かぶ花シワばかり増え」の批評

回答者 ケント

句の評価:
★★★★★

田中さんこんにちは。
はじめまして。
いいお友達(親友)がいて幸せですね。そんな友と花の下で交わす盃は格別でしょうか。
心温まるいい句と思います。
御存じかと思いますが、俳句で花と言えば桜を意味します。
「シワばかり増え」は作者の面持ちのことだと思いますが、「花シワばかり増え」とも読めますので、花がシワシワでは、少しもったいないかと思います。また、俳句では「シワ」よりも「しわ」、「皺」の方がよろしいかと思います。
お気に召すか分かりませんが提案句を置かせて頂きます。

盃に花浮かべたる竹馬かな

よろしくお願いします。

点数: 0

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