俳句添削道場(投句と批評)

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皺深き漁師へホットドリンクス

作者 鬼胡桃  投稿日

要望:褒めてください

コメント(俳句の意味。悩みどころ)

4句目です。
句またがりをやってみました。
実景を句にしました。
地元の隣町の70を超えてる漁師の親戚が、寒い思いをしながら大量の魚を取り港へ帰ってきた時に、ホットドリンクスを差し入れした時の光景を句にしました。
助詞[へ]で漁師へ季語が渡される動きを取り入れました。
そして、漁師と季語で寒暖の対比を組み込みました。

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「皺深き漁師へホットドリンクス」の批評

回答者 みつかづ

コメントありがとうございます。
いくつか質問させてください。

俳句の番組で習いました
具体的な番組名、ご記憶でしたらお教えいただけませんでしょうか。
できれば放送された年月日も。

②助詞「に」は「も」と同じく散文になりやすい
それは助詞に限ったことではありません。確かになり易くはありますけど、使い方次第ではないでしょうか?

③「に」は止まり続ける持続を表す助詞と習いました
確かに助詞「に」には、その用法はあります。特に口語。
ですがその場合、「持続行為が行われる場所を示す名詞」+助詞「に」+「持続行為としての動詞」という構成になっている筈ですよ、文法上。
ですがそうなっていなければ、助詞「に」の用法は口語でも文語でも他にいくつかありますよ。
鵜呑みになさっておられませんか? 国語辞典や古語辞典で確認なさいましたか?

④かつてある句の下五を、([に]生き物の季語)と作りましたら、他の方々から、[この生き物は生きてますよね?でしたら助詞は違う]のようなコメントをもらいました

そのコメントでの指摘は、どこで、いつ、どなた達からされました?
その人達は代わりにどの様な助詞を提案されましたか?
助詞だけが間違っているなら助詞だけを替えれば解決できますので、具体的な代替案が出されている筈です。具体的な代替案を出していない人物の意見であれば、あなたが納得なさる必要なんて一切ありません。具体的な代替案と論理的な説明が出せないのに間違いだなんて言ってる人達は、実力が無いのにあなたに感情的になって口出ししているだけですから。
また、実力があって論理的思考ができる方でも、相手も人間なのですから、その人達が間違えている可能性だってありますよ。

例えば、下五が「風に蝶」という構成になっているとします。
蝶は三春の生物の季語ですよね。
考えてみてください。この蝶はどこに止まっていますか?って事になるんですよ。
何故なら直前に「風」という名詞がありますから。風は吹くものですよね。という事は、風は動いているものですよね。
もし、強い風でしたら蝶なんて体重が軽いですから、生きていようとも吹き飛ばされていますよ。つまり、蝶は動いています。
また、弱い風だったならば、風に乗って蝶が飛んでいたり舞っていたりする等と解釈する方が自然ですよね。つまり、蝶は動いています。しかも自力で。
また、その生物の季語の直前の品詞は何か、活用語であれば、活用語の何形だったのかを覚えていらっしゃいますか?
それによって助詞「に」の解釈が変わってきますよ。

例え相手が俳句の先生であろうとも、「猿も木から落ちる」んですよ。間違えたり失敗したりする事もあります。人間ですから。人そのものを疑うのは良くないですが、人がしている行為は、した行為は「本当に正しいのか?」と疑わないとダメなのですよ。
なので、ご自身で確認なさらないと。そして判断なさらないと。
では、私がいつも絶対に正しいのかと申しますと、そんな事も100%有り得ません。私も人間ですから。

貴句の場合、「皺深き漁師にホットドリンクス」と助詞だけ変えたとします。
原句であっても「ホットドリンクス」のあとにある筈の(「を」+「手渡す」)が省略されておりますよね。
という事は、品詞分解しますと以下になります。
漁師(名詞)+助詞「に」+ホットドリンクス(名詞)+助詞「を」+動詞「手渡す」
という事は、季語の名詞ホットドリンクスは、作者であるあなたの手から、親戚の漁師の方の手に場所が移ります。つまり、動きます。もしくは、今まさに動いています。
さらに、「手渡した」と過去形(又は完了)であれば、ホットドリンクスは手渡されたのです。つまり、動かされたのです。移動したのです。

一体どの様な人達なのでしょう。あなたに間違った事実を教えたのは。その人達の行為を私は許せません。その人達は日本語の何をどの様に学習し、ご自身で考え、ご理解されているのでしょうか。

大切な事ですのでもう1度書きますね。
他者から教わった事なんて絶対に鵜呑みにしてはいけません。あなたに異論を述べる者が居るならば例え相手が俳句の先生であっても、必ず出典や客観的根拠、論理的根拠を相手に喋らせましょう。そして、ご自身でも確認の上、吟味して真偽を判断なさってください。
その為の辞典、その為の歳時記ですから。

今回は以上です。

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「皺深き漁師へホットドリンクス」の批評

回答者 みつかづ

句の評価:
★★★★★

初めまして、こんばんは。貴句と作者コメント、拝読しました。
以下、長文ですがご承知おきください。
作句する上で単語の意味や助詞の使い方は大切ですから。

後で褒めます。「要望:褒めてください」ですから。

作者コメントについて。
まず、漁師は作者さんの親戚でしょうか?
それなら、「漁師の親戚」ではなく「親戚の漁師」。ニュアンス変わりますよ。

次に、「帰る」は目的地がある動詞です。
動詞「行く」は目的地が無い、あるいは目的地を含む地域や方向の場合があります。
「~へ行く」なら、「~の方向(方角)へ行く」との意味の表現になります。
例えば、「台風10号は北「へ」進んでいます。~中略~ 九州北部「に」接近する見込みです」とニュースキャスターは実際に言います。
でも、「台風10号は北「に」進んでいます。~中略~ 九州北部「へ」接近する見込みです」とは言いませんよね。
台風に目的地なんて無いですから、進む方向、経路に焦点を当てていますので「へ」。九州北部には近付く見込みですので、到達点という場所に焦点を当てているので「に」と、厳密に使い分けされているのです。

そして、船が帰る場所は必ず目的地、即ち母港です。
出港した場所である母港に普通は帰港しますよね。母港が到着点なのです。
ですので、「港へ帰ってきた時に」ではなく、「港「に」帰ってきた時に」なのです。短縮するなら、「帰港した時に」で伝わります。

そして、「助詞[へ]で漁師へ季語が渡される動きを取り入れました」は、
「に」でも動きは取り入れられますし、それ以外にもう1つあります。
季語はホットドリンクですよね?
停泊した漁船、又は陸で、作者さんの手から親戚の漁師さんの手に、直接渡したのですよね?
まだ動いている漁船に向けて、放り投げて渡したのではないのですよね? 
でしたら、「漁師「に」季語が「手渡される」動き」なのです。

助詞の正しい使い方は、様々な駅の放送をお聞きください。以下はとある駅の放送です。
「2番乗り場「に」、尼崎行き区間準急「が」、6両編成で参ります。~中略~。途中の停車駅「は」、東花園まで「の」各駅と、河内小阪、布施、鶴橋、大阪上本町、日本橋、大阪難波と、大阪難波から尼崎まで「の」各駅です。鶴橋から先、大阪難波方面「へ」は、あとの快速急行「が」先「に」到着します。」

意味が似ている助詞「~に」と「~へ」、「~が」と「~は」、「~に」と「~の」。厳密に使い分けされています。入れ変えると違和感出ますよね。
(近鉄の先着案内は助詞を間違えている放送もあります(駅が特定(複数でも可)されているなら、場所に焦点を当てる「○○、☆☆には」が正解)が、この場合は「~本面へは」ですので、方面の意味は「ある方向の地域」であり、方向に焦点が当たっているので間違いではありません)

さて、前置きが長くなりましたが、貴句。
先程申し上げました通り助詞1つだけが惜しいのですが、それ以外の箇所は問題ありませんので、悪くないと思います。
海の冷たさと温かい飲み物との対比がなされており、作者の優しさまでもが心の温もりとして季語に乗っていますので、良い句と私は思っております。

点数: 0

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添削対象の句『皺深き漁師へホットドリンクス』 作者: 鬼胡桃
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